痙攣(けいれん)

2014/10/11

子どもが痙攣を起こした!すぐに救急車を呼んだ方がいい??

この記事の監修/執筆

小児科医/女医+(じょいぷらす)大井 美恵子

子どもが痙攣を起こした!すぐに救急車を呼んだ方がいい??

小さな子どもは何かと熱を出すものですが、急激な熱の上昇により熱性痙攣を起こす割合は10人に1人だといわれています。熱性痙攣の場合、しばらくの間横向きに寝かせ様子をみるように指示されることが多いようですが、実際に目の当たりにすると気が動転して、すぐに救急車を呼んでしまう方も少なくないのではないでしょうか。

子供が熱性痙攣を起こした場合、救急車を呼んでもいいの?という質問に対し、小児科医の大井先生が答えてくださいました。

子どもの熱性痙攣の処置についての相談:「子どもが熱性痙攣を起こした場合、救急車を呼んでもいい?」

以前お子さんが熱性痙攣を起こした際、相談者の方は痙攣の様子をみて慌てて救急車を呼びました。しかし後日熱性痙攣の対処法を見ると、落ち着いてしばらく様子をみましょうと書かれているのですが、救急車を呼ばなくても大丈夫なのか不安があるようです。

子どもが熱を出して熱性痙攣を起こしたことがあります。熱性痙攣の対処法を調べると、様子を少しみると説明されていることが多いのですが、実際に子供が白目になって口から泡のような物を出しているのを見ると、びっくりしてすぐに救急車を呼んでしまいました。しばらく様子を見ることで対処が遅くなり、後遺症が残ったり命に関わることはないのでしょうか。もし大丈夫なら、救急車を呼ぶのは迷惑だと思うので、なるべく控えようと思っています。(30代・男性)

痙攣を起こした場合、救急車を呼ぶことは問題ないでしょう

痙攣を起こした際、救急車を呼ぶことは問題ありません。特に初めての痙攣の場合は、不安なことが多いと思いますし、救急車を呼んだ方がよいと小児科医の大井先生も言っています。また、熱性痙攣によって後遺症などが残ることはないといわれているようですが、救急で診察した後は、念のためかかりつけ医を受診した方がよいかもしれません。

初めてに限らず、痙攣の場合ほとんどの方が救急車でいらっしゃいますので、気にする必要はありません。熱性痙攣に限らず、痙攣を起こしている子どもを見て驚かないことの方が少ないと思います。
熱性痙攣で、後遺症や命に関わることはないかという質問に対しては、高熱だから脳に障害が残るというよりも、熱の原因が大きな問題となってきます。髄膜炎やインフルエンザの場合、時に脳症を起こすことがあるため、注意深くみていく必要がありますし、その場合、熱の他にも症状がみられることが多く、必要な検査がされると思います。
何度か痙攣を経験していて、それが熱性痙攣という診断であり医師から薬を貰っている場合は、その指示に従って対処してください。落ち着いてから受診を検討されるとよいと思いますが、初めての痙攣である場合は救急車を呼んだ方がよいでしょう。
救急車を呼ぶかどうかについては、原因と対処法がわかっている場合は自宅で様子を見られてもよいと思います。小さい子どもは体温調節が未熟なので、急激に体温が変化し (上がることの方が多い)熱性痙攣を起こしやすいのですが、熱性痙攣で脳障害が残ることはないといわれているようです。

痙攣を起こしたら、子どもの顔を横向きに。嘔吐物が詰まり窒息するのを防ぎます

子どもが痙攣を起こしたら、場合によっては嘔吐してしまうこともあるので、救急車が来るまでの間、吐いたもので窒息しないように子どもの顔を横向きにしましょう。できれば、痙攣時のお子さんの様子をよく観察し、救急隊員や医師に症状をはっきり伝えられる準備があるとよいでしょう。

ほとんどの熱性痙攣の場合、救急車を要請して到着するまでに意識も戻り泣いているお子さんが多いです。余裕があればで結構ですので、痙攣時のお子様の手脚の動き(突っ張るような感じだったとか、手が挙がっていたなど)の状態、痙攣の持続時間などを見て教えていただけるとありがたいです。
痙攣によって吐いてしまうこともあり、窒息を起こすと危険ですので、顔を横向きにしてあげてください。また一昔前は、舌をかまないように口の中に割り箸を入れるなどと言われていましたが、実際に痙攣で舌をかんでしまう割合は低く、口に異物を入れた場合、逆に口の中を怪我してしまう危険性のほうが高いので、近年は入れないようにと話しています。
痙攣が起こった時は、嘔吐物で窒息しないように必ず顔を横に向け、お子様の様子を動画に撮れると診察の際に医師の診断の助けになります。もし動画を撮る余裕がない場合は、可能であればお子様の目がどこを向いているか、左右差はないか、手足はどんな動きをしているか、顔色は悪くないか、どのくらいの時間続いたかを観察し、受診の際医師に伝えてください。
風邪を引いていて熱があるなど、痙攣を起こす可能性がある場合は、携帯電話やビデオカメラなどを手元に置き、すぐに動画を撮れるよう準備しておくことをお勧めします。痙攣により息がしづらく顔色が悪くなったり、痙攣が10分以上続く場合や、治まったのにまた始まった場合などは、熱以外の原因が考えられますのですぐに受診した方がよいでしょう。

目の前でお子さんが急に痙攣を起こすと、誰でも慌ててしまうものです。熱性痙攣で救急車を呼ぶことは問題ないようですが、もし余裕があればパパかママのどちらか一方が、痙攣時のお子さんの様子をよく観察して記録しておくと診察時の参考になります。繰り返し熱性痙攣を起こす場合は、かかりつけ医を受診すると、痙攣を予防する座薬などを処方してもらえることもあるようですので、一度相談されるとよいでしょう。


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