ビタミン

高用量摂取は危険?では脂溶性ビタミンはなぜ必要なの?

脂溶性ビタミンは必要な栄養素です。欠乏しにくいものですが、排泄もされにくく、体内の脂肪組織に蓄積しやすいという特徴があります。過剰に摂取した場合、毒性があり胎児に催奇形性の影響も考えられます。ここでは脂溶性ビタミンについて詳しく説明します。詳しく知って、過剰摂取しないように気をつけましょう。

ビタミンの種類と脂溶性ビタミンの性質

健康のためにはビタミンを摂ることが必要だと言われますが、良いものであっても過剰摂取は良くありません。特に妊娠中は適度なビタミンが必要ですが、過剰摂取は避ける必要があります。なぜならビタミンの種類によっては、過剰摂取した場合に催奇形性が考えられるからです。妊娠初期は赤ちゃんの体の中でも器官が形成される時期でもあります。この時期は赤ちゃんの体に影響が出やすいため、他の時期よりも注意が必要になります。
ビタミンの種類は、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けることができます。ビタミンB群やビタミンCなどが水溶性ビタミンで、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKが脂溶性ビタミンです。
胎児の脳や神経の形成にとって重要で欠かせない葉酸も水溶性ビタミンの一つです。また、健康や美容のためにサプリメントで摂取されることが多いビタミンCも水溶性ビタミンの一種です。

水溶性ビタミンは水に溶けやすいという性質があるため、必要以上に摂取してしまった場合でも不要になった分は尿と一緒に排出されます。そのため、あまり過剰摂取について心配する必要はありません。

一方、脂溶性ビタミンは、水に溶けず、油に馴染みやすいという特徴あります。そのため、過剰摂取してしまうと体外に排出されることなく脂肪組織に蓄積してしまいます。妊娠期間中、特に妊娠初期の胎児の器官生成時期に過剰に脂溶性ビタミンを摂取すると、催奇形性の心配があります。そのため過剰摂取は避けるようにしなければなりません。

体内に蓄積しやすい脂溶性ビタミンですが、水溶性ビタミンに比べると欠乏しにくいという特徴もあります。

脂溶性ビタミンが必要な理由

脂溶性ビタミンの過剰摂取が危険だからと言って、摂取しないようにすれば良いのかというとそうではありません。脂溶性ビタミンは大切な栄養素で、もちろん妊婦にとっても大切です。適度に摂取することが望まれます。

たとえば、ビタミンDは血中カルシウムの濃度を高め、骨や歯へのカルシウムの沈着を助けてくれる栄養素です。ビタミンKには血液凝固に関係していたりやカルシウムを骨に沈着させるのを助けたりする作用があります。
ビタミンの中でも過剰摂取についてよく話題になるのは、ビタミンAでしょう。ビタミンAはとても大切な栄養素の一つです。ビタミンAには体内で主にレチノールとして存在しており、免疫力を向上させてくれます。妊娠中には、免疫力の向上が何よりも望まれます。たとえば風邪が流行する寒い時期でも医師の指導のもとでなければ、薬の使用は推奨されません。特に妊娠初期の胎児の器官形成の時期には、できるだけ薬の服用を避ける必要があります。免疫力を向上させるためにも、ビタミンAは、積極的に摂りたい栄養素の一つであると言えるでしょう。

脂溶性ビタミンの過剰摂取と不足による影響

脂溶性ビタミンは妊婦にとっても、なくてはならない大切な栄養素です。通常の食生活で脂溶性ビタミンを摂っても、体内に過剰に蓄積されるようなことはあまりありません。しかしサプリメントで摂取する場合は、過剰摂取に注意する必要があります。また、過剰摂取だけではなく、不足した場合にも影響があります。
ビタミンDは、過剰摂取してしまうと血中カルシウム濃度が上昇し、食欲不振が引き起こされたり、嘔吐などの症状につながったりする場合があります。栄養失調になると体内の赤ちゃんに十分な栄養が行き渡らなくなってしまいます。ビタミンDの過剰摂取がひどい場合には、腎機能障害などが引き起こされることもあり、また、胎児の歯牙形成に影響を与える可能性もあるため過剰摂取には注意が必要です。

妊娠末期に過剰摂取した場合、赤ちゃんへの影響が心配されるのがビタミンKで、新生児高ビリルビン血症が起きる可能性があります。反対にビタミンKが不足した場合は、出血した場合に血液が止まりづらくなるなどの影響があります。

免疫力を高めてくれる大切なビタミンAは、過剰摂取すると水頭症、口蓋裂など、胎児に奇形が生じる可能性があります。

このように脂溶性ビタミンは過剰摂取には注意が必要です。食品から脂溶性ビタミンを適切に摂れていれば問題がないのですが、サプリメントなどで摂取している場合は高用量を摂取しないよう、注意が必要です。また、不足した場合にも影響がありますので、できるだけ食品から過不足ないように摂取するようにしましょう。


2015/11/20

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

専門家監修記事