臍帯下垂

臍帯下垂(さいたいかすい)・脱出ってどんな症状?赤ちゃんや出産への影響は?

“お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんは臍帯(へその緒)で胎盤と繋がり、必要な栄養を補給しています。この臍帯が破水前に下がってしまう状態を『臍帯下垂(さいたいかすい)』といい、破水後に臍帯が出てきてしまうことを『臍帯脱出』と言います。 どちらの状態も赤ちゃんにとって深刻な状態になりますので、適切な処置が必要となってきます。”

臍帯下垂(さいたいかすい)・脱出の原因は?どんな症状が出るの?

お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんは、頭が子宮口にぴったりとはまった状態で産道に降りてきます。この時、赤ちゃんの体と子宮口の間に臍帯(へその緒)が通るくらいの隙間があると、赤ちゃんの頭(逆子の場合はおしり)よりも先に臍帯が下りてしまうことがあります。破水前に臍帯が下がってしまう状態を『臍帯下垂(さいたいかすい)』、破水後に臍帯が出てしまう状態を『臍帯脱出』と言います。どちらも全分娩の1%以下に出現します。

臍帯下垂や臍帯脱出の原因として、赤ちゃんの体と子宮口との間に隙間ができやすい状態はすべて原因となりえます。逆子や横位(赤ちゃんが横に寝ている状態)のように赤ちゃんの姿勢や、臍帯が長すぎることが原因となります。また、低出生体重児分娩や児頭骨盤不均衡、羊水過多症、多胎妊娠といった状態も原因となることがあります。
低出生体重児分娩とは出生体重2,500g未満の赤ちゃんを出産することです。児頭骨盤不均衡とは、赤ちゃんの頭が物理的にお母さんの骨盤を通過できないほど大きくなっている状態のことを言います。赤ちゃんの頭の大きさが正常でもお母さんの骨盤が狭かったり、お母さんの骨盤が正常でも赤ちゃんの頭が大きすぎたり、その両方が原因になる場合もあります。羊水過多症とは何かの原因で羊水の量が多くなり、子宮が大きくなったり、むくみ、呼吸困難、動機、頻尿等の症状がお母さんに出ます。多胎妊娠とは双子など同時に2人以上の子供を妊娠することを言います。このほか、早期破水や骨盤位なども原因となることがあります。

赤ちゃんにどんな影響があるの?

臍帯下垂の状態から臍帯脱出の状態になってしまうと、出生時に赤ちゃんよりも先に臍帯が外へ出てしまうため、赤ちゃんの頭と子宮口の間に臍帯が挟まってしまいます。その結果、赤ちゃんに酸素が供給さにくくなり、胎児仮死などの危険が高まります。赤ちゃんに酸素が十分に供給されない状態が続くと胎児機能不全や重篤な後遺症が残ることもあり、最悪の場合死亡してしまう恐れがあります。

臍帯下垂(さいたいかすい)は治せない?

臍帯下垂(さいたいかすい)はお腹の張りや破水に気を付けて安静にしましょう。腰の下に布団やクッション等を置いて骨盤の位置を高くして、自然に臍帯が上がるようにすると移動する可能性があります。

臍帯下垂(さいたいかすい)・脱出の出産、処置方法にはどんなものがある?

内診や超音波検査で臍帯下垂と診断された場合でも、子宮口が閉じている場合は問題ありません。しかし妊娠後期の場合は、破水をすると臍帯脱出になる可能性があるため、帝王切開分娩となります。
逆子や前期破水などで臍帯脱出が起こりやすい状況の時は内診や超音波検査で臍帯の位置を確認します。また、分娩監視装置を使って赤ちゃんの心拍数を観察します。

臍帯脱出の状態を確認できた場合は、子宮口が全開大の場合は鉗子(かんし)分娩や吸引分娩で赤ちゃんを外へ出します。経腟分娩が難しい場合には帝王切開分娩となります。

定期健診などで臍帯下垂と診断されても慌てずに、主治医のお話をしっかりと聞いてください。妊娠後期の場合は帝王切開になることが多いですが、赤ちゃんの成長が十分でない場合は様子を見ることが多いようです。様子見となった場合は、お腹の張りや陣痛、急な破水を起こしてしまわないように安静に過ごしてください。
不安な気持ちになるかもしれませんが、母子ともに健康な出産をされている方がほとんどです。過敏にならず、安心してお産に挑んでください。


2015/11/20

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

専門家監修記事