トキソプラズマ感染

トキソプラズマってなに?知らないと怖い胎児感染リスク

トキソプラズマという病気の名前を聞いたことがありますか?妊娠中の初感染が怖いとされている病気です。もしも感染してしまったらどうなるのか、胎児への影響は?そんな気になるトキソプラズマについて、詳しくご紹介していきたいと思います。

トキソプラズマ抗体検査とは?

妊娠中に初めてトキソプラズマに感染すると、胎児にも感染してしまう恐れがあり危険です。トキソプラズマの抗体は、血液検査で調べることが可能です。抗体(免疫)があれば、トキソプラズマにすでに感染しているということになります。妊娠前に感染していたのであれば問題はないのですが、怖いのは妊娠中に感染した場合です。陽性反応がでた場合は、さらに詳しい検査を行ない、妊娠中の感染なのか妊娠前の感染なのかを調べます。

トキソプラズマとは?

正式名称を「トキソプラズマ原虫」といいます。多くの動物や鳥がもっている寄生虫の一種で、動物(特に猫)の体内や排泄物などにいることがあり、人にも感染します。日本の場合は妊婦健診で陽性反応が出る割合は10%程度ですが、欧米での陽性率は高く、特にフランスでは約80%もの妊婦に陽性反応がでています。おそらく生肉や生ハムなどのお肉を食べる生活が関係しているのではないかと考えられています。

胎児に感染した場合のリスクとは?

トキソプラズマに感染したとしても、たいていの人は免疫が働くため症状がでることはありません。出たとしても、熱が出る、リンパ腺が腫れるなど風邪のような症状です。ただし胎児の場合は別で、確率が低いとは言われているものの、運動発達や精神発達の遅れ、視力障害などが起こり、先天性トキソプラズマ症を発症する恐れがあります。

妊娠中の初感染による胎児への感染率と、胎児の感染有無を知る方法について

妊娠中に初めてトキソプラズマに感染してしまったとしても、必ずしも胎児に感染するとは限りません。また、胎児に感染してしまったとしても、必ず先天性トキソプラズマ症を発生するとはいえません。ただ、胎児への感染率と先天性トキソプラズマ症の症状は、お母さんがいつトキソプラズマに初感染したのかによって違いがでます。
妊娠14週以前の妊娠初期の場合、胎児への感染率は10%と低いものの、症状は重くなりがちです。妊娠15週から30週の妊娠中期で約20%、妊娠31週以降の後期で約60~70%と感染率がだんだん高くなるものの、症状が出ない場合や軽症で済む場合がほとんどです。

赤ちゃんに感染しているかどうかを知る方法としては、羊水検査があります。ただし、検査の精度は64%にとどまり、流産のリスクもあります。ですから医師や家族とよく相談をして判断をする必要があります。お母さんに妊娠中の初感染の疑いがある場合、誕生後に赤ちゃんの血液を調べ、抗体が陽性の場合は先天性トキソプラズマが疑われます。さらに満1歳のお母さんから赤ちゃんへの移行抗体がなくなる頃に血液検査をし、結果が陽性であれば赤ちゃんは先天性トキソプラズマ症と診断されます。

トキソプラズマの感染ルートと予防方法

主な感染ルートは、ペット(猫)の世話や食事、土いじり(野良猫の糞)などです。食事では、生肉(レバー刺し、牛刺しなど)や半生の肉類(レアステーキなど)、生ハムなどから感染することがあります。猫は外を自由に徘徊させている飼い猫から感染する場合があります。また、素手で土いじりをしたあとに口から体内に侵入することもあります。生肉や猫の糞に必ずトキソプラズマがいるというわけではありませんが、予防するには肉料理は十分に加熱し、果物や野菜はよく洗って食べる、生の肉や野菜に触れた後は手を良く洗うということを心掛ける必要があります。また、ガーデニングや畑仕事はマスクや手袋を使い、猫の排泄物処理は手袋を使ったうえで、手もきちんと洗うように心がけましょう。

トキソプラズマの感染は目に見えるものではありません。したがって、感染しそうな状況を避けることが1番の予防策であると言えます。できるだけ生肉や半生の肉類を食べるのを控えたり、猫のトイレ掃除は家族にしてもらったりなど、感染ルートに近づかないよう、心がけましょう。


2015/11/20

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