貧血

妊娠中に貧血検査を何度も行うのはなぜ?

妊娠中は貧血になりやすいと言われています。では、どのくらいの値であれば貧血であると判断されるのでしょうか?また、妊婦が貧血になるとどのようなリスクがあるのでしょうか?今回は妊娠の貧血と出産時のリスクについてご紹介したいと思います。

妊婦が貧血になりやすい理由と、貧血とされる値について

妊娠中は血液量の増加が見られ、血球よりも血漿の増加が大きいため、血液は希釈された状態になっています。日常的に鉄分摂取が不足しがちなところへ、血液の増加と胎児への鉄分供給のために妊娠中は鉄欠乏が起こりやすく、貧血になりやすいのです。また、「自己免疫疾患や肝硬変など」によるもの、「赤血球産生障害」によるもの、「赤血球が壊されること」によるものなどがあります。ちなみに妊娠中では11・0g/dl未満が貧血とされています。

貧血検査の方法と回数

血液中に含まれる赤血球、白血球、血小板、ヘモグロビン(血色素)などの成分や濃度を調べます。検査は妊娠期間中2~3回程度行なわれます。

妊娠中に貧血になると懸念されることとは?

妊娠末期の胎盤には毎分約500mlもの血液が母親側から赤ちゃんに流れ込んでいます。そのため、分娩時にはある程度の出血があり、胎盤が娩出されると強い子宮の収縮が起こり、血液の流れは止められます。この際の出血は経膣分娩の場合500599mlまでは正常とされています。しかし貧血状態であるとこの出血に対する対応力が弱くなり、出血の量が増えてしまうことが最大の問題です。また、血圧が下がった時の救命処置で使う薬が効かなくなることもあり、とても危険です。

なお、貧血で赤血球が減ると組織に運ばれる酸素が不足しますが、赤血球の数には余裕があり、よほど強い貧血にでもならない限りは酸素欠乏による重大な問題が起こることはありません。症状がでるとしても、疲れやすい、めまい、動悸などの程度です。赤ちゃんへの影響が気になるところですが、母親がひどい貧血にならない限りは、胎児が貧血になることはありません。

貧血の検査は、分娩をより安全に迎えるための準備です。もしも貧血であると診断された場合は鉄分を含む食品を多く摂取したり、鉄剤の処方を受けたりするようにしてください。採血は多くても10~15ccほど。リラックスして血液検査を受けましょう。


2015/11/20

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