風疹抗体価検査

2015/11/20

風疹抗体価検査ってなに?妊娠中に行う目的とは

この記事の監修/執筆

専門家監修記事

風疹抗体価検査ってなに?妊娠中に行う目的とは

子どもの病気と思いがちな風疹。しかし妊娠初期に感染すると、赤ちゃんに先天性風疹症候群という障害が起きる可能性があります。風疹抗体価検査はその可能性を調べる検査。風疹抗体価検査の時期や方法、先天性風疹症候群の症状や発症の確率、免疫のない妊婦が風疹を防ぐためにできる対策を知っておきましょう。

風疹抗体価検査とは?

風疹抗体価検査とは、風疹ウイルスの抗体があるかどうかとその抗体価を調べる血液検査で、産婦人科で妊娠初期に全員が行う検査の一つです。検査結果はHI抗体価であらわした場合8倍未満を陰性とし、16倍、32倍と8の倍数で表します。一般的な検査ではHI抗体価が16倍未満(EIA価で8未満)だと抗体がないか不十分とされ、HI抗体価が256倍以上(EIA価で45以上)になるのは抗体が十分あるか、あるいは最近感染した場合です。血液検査と同時に問診票も記入して判断します。
もし妊娠中の風疹抗体価検査をまだ受けていないという場合は、できるだけ早く医療機関で相談してください。

妊娠中に風疹に感染した場合の赤ちゃんへの影響

風疹の免疫のない人が妊娠初期に感染すると、お腹の赤ちゃんにも感染し、「先天性風疹症候群(CRS)」という障害を起こす心配があります。

先天性風疹症候群(CRS)の三大症状は、白内障、先天性心疾患、難聴です。感染の時期によって発生する症状は異なり、妊娠3カ月以内に感染すると白内障、4カ月以内だと先天性心疾患が起こるといわれています。難聴は妊娠4カ月以降の感染でも発症することがあり、高度難聴が起こることが多いので油断できません。このほかに、網膜症や血小板減少、発育遅滞、精神発達遅滞などさまざまな障害が引き起こされます。難聴以外の症状は、妊娠6カ月以降になれば心配ないといわれています。

先天性風疹症候群が引き起こされる確率は、妊娠1カ月に風疹に感染した場合で約50%以上、妊娠2カ月で約35%、妊娠3カ月で約18%、妊娠4カ月でも約8%となっていますが、統計によりばらつきがあり、これよりも高い確率で発症するというデータもあります。まれに感染していても無症状で、知らないうちに赤ちゃんが先天性風疹症候群になっていたということもあり、妊娠の可能性がある人は注意が必要です。

妊娠中でも風疹ワクチンは接種できるの?

時間がたつにつれ抗体は低くなってしまうため、子どもの頃に風疹の予防接種をしたという人でも、十分な抗体を持っていない可能性があります。

しかし、もし抗体値が低くても、妊娠中は風疹ワクチンを接種することはできません。風疹ワクチンは生ワクチンといわれる、風疹ウイルス自体を弱毒化したもの。妊娠を考えている、あるいは妊娠する可能性のある人は、できるだけ妊娠前にワクチンの接種をしておきましょう。接種の際は妊娠していないことを確かめてから行い、接種後2カ月間は避妊してください。

もし接種後に妊娠していることがわかっても、今のところ風疹ワクチンによる先天性風疹症候群発症の報告はないため、あまり悩まないようにしましょう。

抗体のない人が妊娠した場合、風疹に感染しないように気をつけることが大切です。特に妊娠初期の感染はお腹の赤ちゃんへのリスクが高くなるので、人混みを避け、マスクやうがい、手洗いを徹底してください。風疹を持ちこむ可能性のある夫や家族にも風疹ワクチンを接種してもらい、予防に協力してもらいましょう。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加