子宮内容除去術

2015/11/20

流産の際に行なわれる「子宮内容除去術」とは?

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流産の際に行なわれる「子宮内容除去術」とは?

妊娠初期に起こる流産はまれなものではなく、全妊娠の10~20%にみられると考えられています。妊娠初期の流産のほとんど受精卵の異常で起こるものです。遺伝子や染色体に異常があり、うまく細胞分裂ができなかったために起こるのです。そんな流産の際に行なわれる「子宮内容除去術」についてお話します。

流産の進行過程と状態について

流産とは、妊娠22週未満に何らかの原因で赤ちゃんが母体の外に出てしまうことです。妊娠12週未満の流産を早期流産、妊娠12週以降22週未満を後期流産といいます。流産は状態と進行程度によって4つに分類されます。

・稽留(けいりゅう)流産
赤ちゃんは子宮内で死んでしまっているけれど、そのまま子宮内にとどまっているという状態です。超音波検査で胎児の心拍が確認できなかったり、胎児が見えてこなかったりすることから診断され、自覚症状はありません。

・進行流産
子宮口が開いて、赤ちゃんや付属物(胎盤のもとになる組織など)が流れ出ており、止めることができないほど進行した流産です。

・不全流産
進行流産が進んで赤ちゃんや付属物は外にでているものの、胎盤など付属物の一部が子宮に残っていおり、出血がまだ続いている状態のことです。

・完全流産
赤ちゃんと付属物が完全に外にでてしまった状態をいいます。出血は自然に止まります。

進行流産や不全流産の場合は、そのまま入院となって手術を受けることになります。稽留流産も手術を受けることが多いのですが、胎嚢が見えないくらいの初期や胎嚢が1~2cm程度と小さい場合は自然流産を待つこともあります。発熱や下腹の圧痛などがなければ、急いで手術をする必要がないからです。また、完全流産の場合、自然に経過を見る場合と、赤ちゃんや付属物が残っていないかを確認するために手術が行なわれる場合があります。

子宮内容除去術とは?その手順と方法について

子宮内容除去術とは、子宮の内容物を人工的に外へ出す手術のことです。子宮内容除去術は、何回かの超音波検査や尿中hCG検査などにより妊娠の診断がされ、子宮内の胎嚢を確認してから行なわれます。手術を受ける際は本人と配偶者の同意が必要であり、手術や麻酔の危険性などの説明を受けたあとに手術承諾書を提出します。

手術は日帰りで行なわれる場合と、1泊入院となる場合があります。どちらにしても子宮口は硬く閉じていることが多いので、初産婦は前処理としてラミナリア桿を子宮頸管内に挿入します。ラミナリア桿とは昆布の茎根を原材料に作られた7~8cmの細い棒状の器具で、周囲の水分を吸収して膨張し、子宮頸管を徐々に開いていきます。ラミナリア桿挿入時と挿入後数時間は痛みと違和感がありますが、痛み止めを服用することもできます。

手術は眠っている間に行なわれ、赤ちゃんや付属物(胎盤のもとになる組織など)を胎盤鉗子で除去し、さらにキューレットで掻爬します。所要時間は5~10分ほどです。術後1~2日は安静することが大切で、1週間ほどは入浴をひかえましょう。手術後1週間の診察で異常がなければ、普通の生活を送ることができます。

子宮内容除去術の際に起こり得る合併症とは?

手術内容除去術を行なったことで起こり得る合併症として、子宮穿孔や頸管損傷、出血や感染があげられます。またその他、確かな解析はされていませんが、月経不順や不妊症、習慣流産なども考えられます。

流産後は1~2ヶ月ほどで月経が再開し、3ヶ月以降は再度妊娠しても構いません。妊娠初期の流産は受精卵の異状によるものがほとんどで、多くのお母さんが気にする「動きすぎた」「転んだ」「お腹をぶつけた」「冷え」「風邪薬を飲んだ」などは関係がありません。
流産を経験した場合、大きな悲しみとストレスを抱え、辛い毎日を送ることと思います。けれど、多くのお母さんが流産経験を乗り越え、元気な赤ちゃんを出産しています。


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