出血

2015/11/20

妊娠初期のさまざまな出血、その原因と注意点

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妊娠初期のさまざまな出血、その原因と注意点

妊娠初期には、さまざまな原因で出血することがあります。妊娠中は子宮粘膜が充血しやすくなるため、出血しやすくなるのです。心配がない出血もありますが、中には流産などにつながる危険な出血もありますので、原因とその症状や対処法を解説します。

妊娠初期はなぜ出血しやすいの?

妊娠すると子宮粘膜が充血しやすくなり、ささいなことで出血しやすくなります。また、妊娠に気が付かずに、月経と間違えることもあります。たいていは心配がいらないことが多いのですが、流産や異所性妊娠(子宮外妊娠)につながる出血もあります。
妊娠かなと思ったら、早めに産婦人科を受診しましょう。すでに妊娠して通院している場合は、出血があったらかかりつけの産院に電話をして指示を受けることが大事です。

切迫流産と流産はどう違うの?

痛みや出血があって病院を受診すると、切迫流産と診断されることがあります。「流産」という言葉で不安を感じる妊婦さんもいるようですが、切迫流産と流産は違います。妊娠22週未満に子宮出血があると切迫流産と診断され、心配のいらない出血もあれば、流産につながる出血もあります。
出血があったら、おなかの張りぐあいと出血の色や量をチェックし、メモをしてからかかりつけの病院に電話をしましょう。受診記録の控えがあれば手元に用意しておいて、妊娠週数などもすぐ答えられるようにしておくと、スムースにアドバイスを貰えます。

ほとんど心配のない出血の原因と対処法

あわてなくてもよい出血には、「絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)」「月経様出血」「子宮膣部びらん」「子宮頸管ポリープ」の4つの原因があります。

・絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)
妊娠5~20週に起こる切迫流産の一種で、子宮内膜から出血して、子宮を包む絨毛膜の外側にたまった状態です。自覚症状がなく気付かないことも多いですが、下腹部の痛みや張りがを感じている状態で出血したら、産院に電話して受診しましょう。
妊娠の経過に問題がなければ、妊娠4~5カ月には症状が治まり、赤ちゃんへの影響はありません。

・月経様出血
妊娠後もホルモンが妊娠前と同じように働いて、月経時のような出血が起こります。妊娠4週頃に多く、出血量が少なく、2~3日で治まることがほとんどです。

・子宮膣部びらん
妊娠4~15週に、膣がただれて内診やセックスの刺激で出血します。少量の出血やおりものに血が混じることがありますが、お腹の痛みや張りはありません。

・子宮頸管ポリープ
妊娠4~20週の期間に、子宮頸部に発生する良性のポリープです。ポリープから出血しても、痛みはほとんどありません。ポリープが原因で感染症を起こし、早産してしまう可能性がありますが、切除すればほとんど心配はいりません。

以上の原因で起こる少量の出血は、あまり心配がいりませんが、自己判断せずに、きちんとかかりつけの医師に症状を伝えて、診察して貰いましょう。

危険な出血となる原因と症状、注意点

出血量が多く、腹部に痛みがある場合は、胞状奇胎(ほうじょうきたい)や異所性妊娠(子宮外妊娠)といった、危険な出血の可能性が大きいです。

・胞状奇胎(ほうじょうきたい)
妊娠4~11週に、胎盤のもととなる絨毛が異常に増殖して、子宮内が水泡状の粒で満たされてしまう病気です。発症率は0.2%と低いですが、子宮内容除去術(掻爬・そうは)を行うことになります。つわりの症状がひどく、少量の出血や茶色のおりものが続いたりしますが、自分では分かりません。

・異所性妊娠(子宮外妊娠)
受精卵が子宮の中以外の場所に着床してしまい、妊娠反応が陽性なのに子宮内に赤ちゃんが確認できないことです。妊娠4~11週の頃に分かります。とくに卵管に着床した場合、卵管が破裂して、大量出血や激痛、血圧低下などに陥ることもあり、妊婦さんが大変危険です。残念ですが、着床部分を切除する手術をすることになります。

出血があったら

以下のような内容をチェックしてから、慌てずに病院に電話しましょう。
・いつから出血しているか
 朝起きたら、昨日の夜からなど

・出血の色、量
 うすいピンク、おりものに筋状に混ざる、茶色、月経と同じくらい、大量出血など

・腹痛の有無
 なんとなく重い、キリキリ痛いなど

・お腹の張りの程度

妊娠初期の出血は、よく起こるありふれた症状から、妊婦さんの命の危険があるものまで、さまざまです。軽い出血でも、自己判断せずに、かかりつけの産院にすぐに相談しましょう。


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