胎嚢(たいのう)

2015/11/20

胎嚢(たいのう)とは?確認の必要性・重要性

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胎嚢(たいのう)とは?確認の必要性・重要性

妊娠検査薬が普及して、早い時期に産婦人科を受診する人も多くなりました。しかし、あまり早く受診しても、なかなかはっきりとしたことは言ってもらえない場合もあります。妊娠の確定には胎嚢の目視が必要なのです。それはなぜなのか、そもそも胎嚢とは何かを解説します。

妊娠の判断は?

妊娠したかどうかは、受精卵が子宮内膜に着床したか否かで判断されます。しかし、受精卵というのは大変小さいので、目で見て着床を確認することはできません。受精卵が着床すると、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)という物質が作られるようになります。このhCGは、尿中や血中に分泌されるので、尿や血液を検査してhCGが一定の濃度で存在していると、妊娠の可能性を考えます。妊娠検査薬も同じしくみです。

しかし、着床するのは必ずしも子宮内膜とは限りません。子宮内膜でない場合は、妊娠の継続も難しくなります。受精卵が正常に子宮内膜に着床したかどうかは、妊娠検査薬では判断のしようがなく、目で見て確認するしかない状況です。したがって、正常に妊娠したかどうかの判断は、時間の経過により、受精卵が成長の過程を経て、超音波検査で目視できる大きさになるまで待つしかないのです。

胎嚢って何?

受精卵だった赤ちゃんが最初に目視で確認できるのは、胎嚢ができた状態です。胎嚢というのは、赤ちゃんがその中で成長する袋のようなもので、妊娠4~5週目ぐらいで超音波検査により目視確認できるようになります。この胎嚢が子宮内に確認できれば、受精卵が正常に子宮内膜に着床したと判断できます。

子宮内に胎嚢が確認されないケースでは、まだ妊娠初期のために小さくて確認できない場合や、流産してしまった場合、あるいは子宮内膜以外の場所に着床した子宮外妊娠などの可能性があります。また、胞状奇胎など、特殊な病気である場合もあります。

胎嚢があっても流産している場合も

子宮内に正常に着床し、胎嚢が確認されても、赤ちゃんが無事に育っているかどうかはまだわかりません。赤ちゃんが育っているかどうかは、胎嚢内で赤ちゃんの心拍を目視確認できるかどうかで判断します。赤ちゃんの心拍は、8週目ぐらいには超音波検査で確認できるようになります。赤ちゃんの心拍が確認されれば、流産の可能性も低くなります。胎嚢を確認しても、その後、赤ちゃんの心拍が見えない場合は、流産の可能性も考えられます。

切迫流産って何?

妊娠初期に子宮から出血がある場合を、切迫流産といいます。流産が差し迫っている可能性がある状態ですが、必ずしも流産に結びつくわけではありません。受精卵の着床時には、子宮内膜から出血が起こりますが、切迫流産の中には、この時の出血が吸収されずに出てくるケースも多く、その場合はいずれ出血も収まります。

流産かどうかは、出血があるかどうかではなく、胎嚢の確認や赤ちゃんの心拍の確認などで判断されます。赤ちゃんの心拍を確認できる以前の流産は、染色体の異常など、赤ちゃん側に原因があるものです。逆に、心拍が確認された以降の流産は、母体側に原因がある場合が多いです。子宮内膜の状態が悪く、赤ちゃんの栄養が滞る場合や、子宮の形態異常、子宮内膜症その他の病気が原因となることもあります。


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