妊娠うつ

妊娠中やる気がでないのはつわりの症状?

妊娠中には、ホルモンバランスの変化、退職などによる環境の変化など、妊婦さんの心身に影響を及ぼす要因がたくさんあります。妊娠前と比べると、やる気が思うようにでないため、悶々と過ごしてしまうという妊婦さんは多いものです。

妊娠中におきがちな「やる気がでない症状」は、悪阻(つわり)によるものなのでしょうか?またその対処法とは?この記事では実際に悩んでいるプレママからの相談と、専門家からの回答を交えながらご説明します。

妊娠中にやる気がでないのはつわりの症状?

■つわりとは?

妊娠後の妊娠2~3カ月頃に、吐き気や食欲不振といった症状を起こす状態のことをつわりといいます。つわりには個人差がありますが、ほとんどの場合妊娠5~6週から始まり、約2カ月程度続いたあと、妊娠12~16週目には自然におさまっていくといわれます。

また、つわりの原因は明らかになっておらず、プロゲステロンなどのホルモンバランスが変わることでおこるという説、一種のアレルギー反応という説、無理をせず身体を休めなさいという身体からのメッセージだという説、妊娠中に身体が酸性に変わるためだという説、などがあります。

■つわりの症状とは?

つわりというと吐き気や食欲不振だけを起こすイメージもありますが、その症状は多岐にわたり、人により違います。つわりの代表的な症状は以下の通りです。


〇吐き気
〇胃のムカつき
〇だるさ、眠気、不安、精神的な落ち込み、倦怠感があらわれる
〇頭痛
〇食欲不振、食べ物の好みが変わる
〇においに敏感になる
〇便秘、下痢
〇イライラする
〇喉の不快感 など

このように、つわりの症状はたくさんあり、複数の症状を経験する妊婦さんも珍しくありません。

■妊娠中にやる気がでないのはつわりの症状にも当てはまる

妊娠後にしばしばおこるやる気がでない、という症状は、つわりの症状にも当てはまります。一般的につわりがおこりやすいとされる時期に、眠気やだるさ、倦怠感などを感じてやる気がでないときは、つわりによる症状だと割り切り、無理をせずに生活していくとよいでしょう。

無気力感とマタニティブルーの関係

つわりは、主に妊娠初期におこる症状であり、やる気がでないという症状も引き起こすことがわかりました。加えて、妊娠中には「マタニティブルー」という言葉もよく聞かれます。

「マタニティブルー」とはいったいどのような状態のことを指すのでしょうか?また、妊娠中の無気力感とは関係があるのでしょうか?

■マタニティブルーとは?

妊娠中や出産後に気分が落ち込み、情緒不安定になる症状のことを、マタニティブルーといいます。原因は主にホルモンバランスの乱れだといわれていて、妊娠中や出産後であれば誰にでもおこる可能性があります。

症状が続くのは一時的で、ほとんどが10日~2週間程度です。そのため病気とはみなされず、通常は自然と症状がおさまるのを待つことで対処します。

症状の感じ方は人により差があるといわれており、マタニティブルーを起こしているときには自覚がなく、後から気付く程度の軽い症状の人、明らかにヒステリックになったり、涙が止まらなかったりと、精神的に大きな負担を感じる重い症状の人、にわかれます。

■マタニティブルーの症状とは?

マタニティブルーになると、ホルモンバランスの変化により、精神的に不安定になるため、以下のような症状がでます。


〇ちょっとしたことで涙がでて悲しくなる
〇イライラがおさまらない
〇将来に不安を感じる
〇やる気がおきない
〇身体がだるい、眠い

日々生活をしていて、なんだか精神的に落ち着かない…という症状があれば、マタニティブルーかもしれません。つらいときは、自宅でゆっくり休んだり、気分転換をしたりして、無理をせずに過ごしましょう。

■無気力感とマタニティブルーの関係は?

マタニティブルーになると、やる気がおきない、身体がだるい、眠いといった症状がでますので、それにより無気力感を感じてしまうことがあります。また、マタニティブルーは、心身ともに弱ったタイミングで発症することが多いようです。

多いのは、つわりなどによる体調不良を感じたとき、経済的な不安を感じたとき、夫との関係が変わったとき、分娩に不安を感じたとき、育児に疲れを感じたとき、などです。

不安や身体の不調を感じたときに起こり、そのまま無気力感へとつながるケースが多いため、妊娠中や産後はできる限り気分よく過ごしていけるとよいでしょう。

そして、真面目で几帳面な人、相手のことを気にしすぎてしまう人などがマタニティブルーになりやすいといわれます。そのようなタイプの人は、妊娠中や産後だけでも、いつもよりも我がままに自由に過ごしてみるとよいかもしれませんね。

■マタニティブルーの解消法とは?

マタニティブルーは、主にホルモンバランスの変化により、心身が弱り、特に精神的なダメージを受けてしまう症状です。そのため、自身で解消しようと思ってもコントロールは難しいものです。

マタニティブルーかな?と思ったら、落ち込んでいる自分を責めず、好きなことをする時間を持ったり、ご飯の準備といった負担になることは手伝ってもらったりして、リラックスして過ごしましょう。

また、マタニティブルーは時間がたつと自然と解消されていきますので、一時的なトラブルだと割り切り、ゆったりとした時間を過ごしましょう。

やる気がでない日を過ごす方法とは?

妊娠中は、初期にはつわりがある人が多く、目まぐるしく変わる身体の変化によりマタニティブルーになってしまう人もいます。見た目ではわからなくても、ママのお腹のなかにはもう一つの命が宿っていますので、身体の不調や無気力感は当然のことかもしれません。

妊娠中にやる気がでないのは「いまのうちに休んで、体力を温存しておきましょう」という身体からのメッセージだという説もあります。そのため、やる気がでない日は、ゆっくりと休みストレスなく過ごすことが一番大切です。

とはいっても、これだけはやっておきたい!といった大事な要件があることもありますよね。そのようなとき、どのように頭を切り替え、乗り切っていけばよいのでしょうか?

■どうしてもやらなければならないことがある場合の乗り切りかたとは?

〇周囲に甘える
妊娠中は、お腹の赤ちゃんが成長するために、母親の身体が安全でリラックスした状態であることが大切です。どうしてもやらなければことがあるときでもつらいときは、赤ちゃんのためと割り切り、周囲の人に甘えて過ごしましょう。

専業主婦であったとしても、無理は禁物です。大変さを感じるときは、夫に頼るなどして周囲に甘えましょう。上の子がいる場合は、お手伝いをしてもらってもよいでしょう。また、食事の用意が大変なときは外食をする、家事ができないときは育児代行サービスを利用する、という方法もおすすめです。

〇少しでも睡眠をとる

産休に入る前で仕事を続けているのであれば、仕事中にやる気がでない、眠気におそわれる、といったこともあるでしょう。たとえ安定期に入っていたとしても、やるきがでない日や、体調が優れない日はあるものです。そのようなときは、仕事の休憩時間などに、思い切って少し睡眠をとるとよいでしょう。睡眠により元気が回復し、やる気がでてくることもあります。

〇やるのは最低限だけにして休む

これだけは!ということだけ行い、後はやらない!と割り切ることも大切です。物事に優先順位をつけて、本当に大事なことだけやるようにしましょう。また、やらなければならないことを2つ以上のタスクに小分けにして、簡単に済むことからやる、という方法もおすすめです。「今日を無駄に過ごしてしまった」と後悔しやすいタイプの人には効果的な方法です。

〇気分転換をする

気分が変わるとやる気がでることがあります。好きな音楽を聞いたり、本を読んだりして、気分転換をしましょう。朝から調子が悪いというタイプの人は、ベッドサイドに好きな食べ物や飲み物をおいて就寝し、朝おきたときにベッドにいながら口に入れると、気分がよくなることがあります。つわりで空腹がつらいときなどもおすすめな方法です。

プレママからの質問:「妊娠してからやる気がおきず、毎日ダラダラ過ごしてしまいます」

それではここで、実際に悩んでいる方からの相談をご紹介します。妊娠中の無気力感について、専門家はどのように考えているのでしょうか?

妊娠してから落ち込む回数が増え、やる気のでない日が多くなりました。妊娠初期に体調を崩しがちだったので早いうちに退職をしたのですが、元々常に動き回っていたいタイプなので、家に1日中いるのも苦痛です。
とはいえ妊婦を雇う企業はないでしょうから働くこともできず、悶々とした毎日を送っています。これは妊娠によってホルモンバランスが変わるからなのでしょうか。また、うつの可能性も視野に入れているのですが、受診するべきでしょうか。(20代・女性)

専門家からの回答

■ホルモンバランスが原因。ストレスを避けて身体を休めて
落ち込みや、やる気のなさは、ホルモンバランスの変化によるもの。無事に出産するという目標に焦点を合わせ、やるべきことに優先順位をつけるなどして、心身に無理をさせないように過ごしましょう。
女性はうつになりやすい傾向にありますが、特に妊娠中や産後は、ホルモンのバランスによって、気分が落ち込んだり、感情のコントロールができなかったりする場合がよくあります。このような状態で新しい仕事についても、ストレスによってさらに症状を悪化させると思います。
今は、無事に出産することが目標です。(産科看護師)
やる気がないときは、なにもせず身体を休めてください。家事の場合は、食事のための料理などのやらなければならないこと、洗濯、掃除、買い物などの後回しにできること、やらなくてもなんとかなるもの、というように優先順位をつけてください。
あれもこれもと無理しないこと、なにかを一つおこなったらそれで十分です。できるようでしたら、次にチャレンジしてください。(産科看護師)
■気分転換を心がけ、つらいようなら受診も

適度の運動を兼ねて、体調のよいときには積極的に外出するのもおすすめです。また、信頼できる人に気持ちを打ち明けるのもよいでしょう。それでもつらいようなら、専門家の助けを仰ぐことを検討されてはいかがでしょうか。
妊娠をしたからといって、ずっと家にこもってなければいけないわけではありません。むしろ、ウォーキングなどの適度な運動は必要です。お買い物がてら、少し散歩するだけでも気分が違うかもしれません。
いろいろと試してみて、それでも気分の落ち込みが解消されずにつらいようでしたら、我慢なさらず医師や看護師にご相談くださいね。(健康管理科看護師)
自分の気持ちを家族やお友達に話して、自分のなかにため込まないようにしてください。妊娠中の一時的なものと思って、リラックスして過ごせたらと思いますが、どうしても無理でしたら、臨床心理士のカウンセリングを受けたり、保健師に相談したりしてもいいでしょう。(産科看護師)

妊娠中の無気力感にはリラックスが大切

妊娠中に無気力になるのは、主にホルモンバランスの変化や、つわりなどが原因です。そして、そのような身体の変化に加えて、妊娠中は胎児の成長のために、ママの体力は思った以上に使われているため、普通に過ごしていても疲れるものです。

妊娠中は心身ともに無理をせず、なるべくリラックスして過ごしましょう。リラックスの仕方がわからない場合は、少し散歩をするだけでも気分が変わりますよ。気分転換をしてもつらいようなら、1人で悩まず、受診やカウンセリングも視野に入れるとよいでしょう。お腹の赤ちゃんのためにも、自分の身体や心を大切に過ごしてくださいね。

参考:
・赤ちゃんの部屋「【医師監修】「つわり対策」妊娠初期のつらいつわりを軽減!原因から解消法まで解説
・mamari「【医師監修】つわりが終わる時期は?ピーク時の対策と症状がつらいときの工夫
・COCOMAGA「マタニティブルーの予防や不安の解消法!いつまで続くの?
・赤ちゃんの部屋「マタニティブルーとは?妊娠中だけでなく産後も?症状や原因まとめ


2018/11/28

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