神経管閉鎖障害

2015/11/20

妊娠前から!葉酸で神経管閉鎖障害のリスクが減らせる?

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妊娠前から!葉酸で神経管閉鎖障害のリスクが減らせる?

赤ちゃんに起こる先天異常の一つである神経管閉鎖障害。妊娠のごく初期に葉酸が不足することで発症リスクが高まるということがわかり、現在は妊娠初期に葉酸を十分に摂取するように勧められています。葉酸と神経管閉鎖障害の関係や葉酸を摂る時期はいつ頃がよいのでしょうか?

神経管閉鎖障害とは?

神経管閉鎖障害とは、脳や脊椎のもととなっている神経管が正常に形成されない先天異常のひとつです。主に妊娠初期の4~5週頃に起こります。

神経管閉鎖障害には二分脊椎と無脳症がありますが、日本で見られる神経管閉鎖障害の多くは脊椎の癒合不全による二分脊椎。報告によると、1999年~2003年の発症率は1万人の出産に対し約5人となっています。

葉酸と神経管閉鎖障害の関係は?

妊娠初期4週目頃の赤ちゃんは胎芽と言われる時期で、大きさや1.5~10mm程度。5週目頃にやっと胎嚢が確認できるかどうかという状態で、まだ赤ちゃんの姿を確認することはできません。この時期は細胞の増殖が非常に活発で、脳や脊髄、心臓の基礎が作られ始めます。

神経管閉鎖障害にはビタミンB群のひとつである葉酸が深く関わっています。この時期に葉酸不足になると赤ちゃんの神経管閉鎖障害が起きやすくなってしまうのです。海外における研究で、妊娠初期に葉酸を十分に摂取していると赤ちゃんの神経管閉鎖障害の発症率が低くなるということがわかりました。
それを受けて、日本でも2000年から、神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすために、妊娠可能な年齢の女性は普段から食事やサプリメントで葉酸を摂取するよう勧めています。

葉酸はいつからどれくらい摂ればいい?

葉酸を摂取したほうがいい時期は妊娠のごく初期。ただ、この時期はまだ妊娠に気付かないことも多く、気付いた時にはもう遅いということも。そのため厚生労働省からは、妊娠の予定があれば妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月目までは葉酸を摂取するようにという勧告が出ています。

厚生労働省が進める葉酸の摂取量は1日400μgです。葉酸を多く含むのは、その名の通り緑の葉。ほうれん草などの青菜やアスパラガス、ブロッコリー、果物、さつまいも、大豆などに多く含まれています。1日に必要な葉酸を食事だけで摂るのは難しいので、サプリメントなども利用するとよいでしょう。

葉酸は多く取ればよいというものでもありません。葉酸をとりすぎると、ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血を診断するのが難しくなってしまいます。また、神経管閉鎖障害の原因は葉酸不足だけではないということも知っておきましょう。


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