出血

弛緩出血の症状と原因、処置方法

お産が終わった後にはトラブルが起こりやすいもの。起こりやすいトラブルの1つに「弛緩出血」があります。弛緩出血とは何なのか、弛緩出血が起こる原因とは何なのか、そしてとられる処置とはどのようなものなのか、弛緩出血について解説したいと思います。

弛緩出血とは?

分娩が終わったにもかかわらず、子宮内からの出血が止まらない状態のことを弛緩出血といいます。赤ちゃんを産んだ後は胎盤が排出され、胎盤のはがれた箇所から多少の出血が起こるのが一般的ですが、子宮が急速に収縮して胎盤跡の血管が縮まることで出血は止まります。けれど、この子宮の収縮が悪いと、胎盤の剥離面にある血管が閉じずに、大量出血をしてしまうのです。

弛緩出血を起こした場合、子宮内に溜まった血液が突然吹き出すように出血するタイプと、ダラダラと出血し続けるタイプがあります。いずれも痛みはほとんどなく、自覚症状はありません。分娩中および分娩後2時間までに500ml以上の出血がある場合は、弛緩出血である可能性が高いです。

弛緩出血が起こる原因とは?

弛緩出血が起こる原因は主に4つあります。

・血液が固まりにくくなっている
胎盤がはがれた部分に羊水が流れこんでしまい、血液凝固作用を阻害してしまっている状態です。これを「播種性血管内凝固症候群」といいます。このため、子宮収縮が促されても出血が止まらなくなってしまうのです。

・子宮の筋肉が疲労している
子宮の筋肉が疲れ切ってしまうとうまく収縮できなくなります。これは、お産が長引いてしまったり、巨大児や羊水過多で子宮が伸びてしまったことが原因です。また、子宮奇形の病気や子宮筋腫、子宮収縮薬の影響などもあります。

・子宮内に胎盤などが残っている
お産後、胎盤などが正常に排出されず、子宮内に残ってしまっている状態です。その残っているものが、子宮の収縮を妨げてしまっているのです。

・子宮峡部が切れてしまっている
分娩時の影響で子宮の出口近くにある子宮峡部と呼ばれる部分に裂傷が生じると、子宮収縮が妨げられてしまいます。子宮峡部には、子宮収縮を司る神経が集まっているためです。

とられる処置方法とは?

まず、子宮内の触診が行なわれ、すぐに子宮収縮薬が注射されます。同時に、子宮底を手で圧迫したり、ガーゼを詰めて圧迫するなどの止血法が行われます。。それでも出血が止まらない場合は、バルーンによる圧迫止血や開腹手術による止血が行なわれます。

弛緩出血は予防することができないので、いかに早く発見して速やかに適切な処置を受けられるかが重要になってきます。産後すぐにではなく、数時間後に症状が現れる場合もあります。やっとお産が終わってゆっくり休みたいところですが、産後数時間は気分が悪いなどの体調変化がないか注意し、少しでも変わったことがあればすぐに周囲のスタッフに相談しましょう。


2015/11/27

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