産道感染

産道感染する病気の種類と赤ちゃんへの影響

産道に病原菌が感染していると、お産の時に赤ちゃんに感染する恐れがあります。では、どのような病気が感染するのか、その病気の種類と赤ちゃんへの影響を見てみましょう。また、お母さん含めまわりの人も感染症の予防を心がけましょう。

産道感染とは

何らかの微生物(細菌やウイルスなど)がお母さんから赤ちゃんに感染することを「母子感染」といいます。母子感染には今回とりあげる産道感染(分娩時に感染するもの)の他、胎内感染(お腹の中で感染するもの)、母乳感染(母乳を介して感染するもの)などがあります。

産道感染する病気

産道感染する病気としては、以下のものがあげられます。

・C型肝炎、B型肝炎
血液を介して、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスに感染する病気です。感染すると肝機能の低下が起きるのですが、目立った症状がでないため感染に気付きにくく、「慢性肝炎」になってしまうこともあります。また、お母さんがこれらの肝炎ウイルスに感染している場合、5~10%の確率で、生まれてくる赤ちゃんにも感染することがわかっています。半数は自然に治りますが、半数は症状がないまま感染が継続する無症候性キャリアになってしまいます。

・GBS(B群溶血性連鎖球菌)
もともと腸の中にある常在菌です。膀胱炎などを起こさない限り症状が発症することはありません。しかし、妊娠中にB群溶血性連鎖球菌が腟内に入ると、赤ちゃんが産道を通ってきたときにB群溶血性連鎖球菌に感染する場合があります。感染するとごくまれですが敗血症、肺炎などを起こすことがあります。お母さんの感染は5~10%ほどで、感染した赤ちゃんが発症するのは全国で年間500~600人ほどといわれています。

・クラミジア
おりものが増える、かゆみがあるといった症状がありますが、無症状であることも多く、感染に気付かない場合もあります。放っておくと羊膜炎・絨毛膜炎が生じ、流産や早産になる危険があります。また、産道感染で赤ちゃんが結膜炎や新生児肺炎を発症することがあります。

・カンジダ
カンジダというカビの一種による感染症で、ふだんから膣や外陰部にいる微生物ですが、妊娠中はホルモンの影響や体力低下によりカンジダが増殖して感染しやすくなります。おりものの変化や強いかゆみがあります。産道感染を起こすと、「鵞口瘡(がこうそう)」という赤ちゃんの口の粘膜に白いこけ状のものができる病気になることがあります。

・ヘルペスウイルス
ヘルペスウイルスに感染すると重症の新生児ヘルペスを起こす危険性があります。妊娠中の検査でヘルペスウイルスに感染していると診断された場合、分娩前に抗ウイルス薬を投与したり、産道を通らなくてもいいように帝王切開をしたりします。

・他に、梅毒やHIV感染があります。

これらの感染は、お産の時に適切な処置をすることで赤ちゃんへの感染を防ぐことができる場合が多いです。そのためにも早期に発見し、早期に治療を行なうことが大切です。なにか変わった症状があれば、すぐに医師に相談するようにしましょう。


2015/11/27

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