食べさせ方

冷めてしまった離乳食は、温め直したほうがよいの?

大人と比べて身体の機能が未熟な赤ちゃん。また、離乳食は大人のごはんとは形態が違うため、温め直すにも心配があるのではないでしょうか。どのように対応したらいいか、ポイントを紹介します。

赤ちゃんが食べるものの適温

赤ちゃんは「熱い」も「冷たい」も言葉にしてくれません。ちょうどいい温度とはどのくらいなのでしょうか。
人の体温は約36℃~37℃ですので、おおよそ35℃~40℃が赤ちゃんにとってちょうどいい温度帯と言えます。いわゆる「人肌」です。この温度の目安は、離乳食をスプーンですくって手首の内側に少し垂らしてみて「少し温かい」と感じる程度です。
食べている間に時間が経って冷めてしまうと、常温(15℃~25℃程度)になります。適温からすると低い温度です。もし、冷めてしまった離乳食を赤ちゃんが食べないときには、温め直す必要があるかどうか、赤ちゃんを見て判断しましょう。食べているのを中断してママが食卓から離れてしまうと、赤ちゃんも食事から気持ちが離れてしまうこともあります。冷たいからではなく、もう食べたくないというときには終わりにしてもよいでしょう。

温め直すまでの離乳食の保存方法

作ったものはすぐに食べて、食べ残したものは破棄するということが基本です。でも、離乳食は量が少なく、調理に手間もかかります。忙しい育児をやりくりするためにも、作り置きして冷蔵・冷凍保存をするという方法は活用したいですね。また、外出時などでお弁当として持っていくというケースも多くあります。このようなときの保存について、ポイントを整理します。

保存方法

調理してすぐに食べないときには、1食分を小分けにして保存します。保存容器は、耐熱性があり、蓋があるものを選びましょう。最近は離乳食用の保存容器が売られています。製氷機も小分けにするのにおすすめですが、蓋つきのものを選んでください。
保存する上で一番心配なのは「食中毒」です。食中毒を起こさないよう注意しながら保存することが大切です。食べ物に食中毒の原因となる細菌が付着して増殖するのには、栄養・水分・温度の3つの条件が必要です。離乳食には栄養と水分は欠かせませんので、温度には十分に気をつける必要があります。ほとんどの細菌は10℃~60℃で増殖しやすく、36℃前後で最もよく発育します。できるだけ、この温度帯の時間を短くして保存することがポイントです。
容器に入れたら冷ましてから蓋をします。このとき、常温で放置して冷ますと、細菌が繁殖しやすい温度帯に長く置くことになるため、できるだけ早く冷ますようにうちわであおいだり、保冷剤を活用したりするのもよいでしょう。粗熱が取れたら、蓋をして密閉して冷蔵庫か冷凍庫で保存します。
なお、一度手をつけた食材は、唾液や手指からの細菌が付着していますので、残っても捨てるようにしてください。

保存期間

冷蔵庫や冷凍庫で適切に保存しても、やはり質は下がります。ですから、作った離乳食は冷蔵庫で2日、冷凍庫で1週間以内には使い切るようにしてください。

保存がきかない食材・メニューとは

離乳食のようにペースト状にしたものは、たいていの食材は冷凍保存が可能です。ただし、次のようなものは冷凍保存に合わない食材です。


○豆腐や卵の白身
水分子が凍って、解凍されるとスカスカになり食感が悪くなります。

○ヨーグルトや牛乳
分離して食感が悪くなります。

また、複数の食材を混ぜるメニュー(しらすがゆ、野菜がゆなど)の場合には、食材それぞれで保存して、食べるときに合わせるようにしましょう。

加熱する際のポイント

温める方法

離乳食を温める方法は「電子レンジでチンする」「お鍋で加熱する」の2つの方法が主流です。それぞれのポイントは以下の通りです。

○電子レンジ

・火傷に注意する
加熱した後の容器や、ラップを外すときに出る湯気で火傷しやすいので注意してください。

・ひとまわり大きめの容器にうつす
水分量の多い離乳食は吹きこぼれやすいので、ひとまわり大きい、深さのある容器を使うと便利です。

・ラップをして加熱
レンジで急速に加熱すると、水分が蒸発したり吹きこぼれたりして作ったときよりも水分量が減ってしまうことが多いので、ラップをして加熱しましょう。

・短時間の加熱を数回繰り返す
電子レンジは急速に温度が上がります。水分だけだと自然にかき混ぜられてゆっくり温度が上がりますが、粘度がある離乳食は部分的に急速に加熱されて加熱ムラができます。そのため、数十秒加熱して混ぜてからもう一度加熱というのを数回繰り返してください。加熱中はできるだけ目を離さないようにしましょう。

○鍋

・水分を加えて加熱
温めると水分が蒸発するので、少しの水やお湯を加えて加熱しましょう。だしや野菜スープでもよいですね。

・小さいサイズの鍋がおすすめ
離乳食は1回分の量が少ないので、大きなお鍋で温めると焦げつきの原因になります。小さいサイズの鍋を利用しましょう。

温めるときの注意点

○しっかり加熱

人肌くらいの温度を目指して控えめに温めるのではなく、しっかりと加熱してから冷まして適温にします。離乳食はとろみが強いので比較的冷めにくく、食べるのに時間がかかる赤ちゃんでも最後まで適温で食べることができます。

○レンジでの解凍は必ず「加熱」で行う

室温や冷蔵庫に長時間置いて解凍するのではなく、短時間でしっかり加熱しましょう。細菌の繁殖を抑えることはもちろん、味付けや食感の変化を抑えることにもつながります。

外出先で温め直す場合は?

○市販品を使用する場合

最近では、レトルトや瓶詰めタイプ、フリーズドライなど、ベビーフード商品が豊富です。月齢の目安もわかりやすく、ごはんとおかずのセットなど種類もさまざまです。そして、持ち運ぶという点で衛生的なのが大きな利点で、お出かけで活用したい便利グッズです。温める際は、表示に記載されている通りに温めてください。多くの場合は、湯せん加熱や、中身をパックから別の容器に移して電子レンジで加熱するというものです。最近は、フードコートやベビールームに電子レンジが常備されていることも多いので、お出かけのときには電子レンジ対応のタッパーをひとつ持っておくと便利です。

○手作りの場合

手作りの離乳食を持参する場合、加熱方法は変わりませんが、持ち運びには注意が必要です。
短時間であっても、作ったものを温かいまま詰めて持ち歩き、そのまま食べるのは避けましょう。冷蔵や冷凍したものを詰めて、保冷剤や保冷機能のある袋を利用して低温を保ち、食べるときにしっかり加熱して食べるようにしてください。なお、食中毒の原因となる細菌は、栄養・水分・温度の3つの条件がそろうと2時間以上で急激に増殖が進むという報告もあります。持ち歩く場合は、午前中に作ったら昼食まで、お昼~午後に作ったら夕飯までに食べるようにしてください。

ポイントを押さえたうえで、自分がやりやすい方法で実践してくださいね。

執筆者:山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・母子栄養指導士・サプリメントアドバイザー。株式会社 とらうべ 社員。妊婦や子育て世代へ向けた食の講習や、働く人への食生活指導を行う。一児の母。

監修者:株式会社 とらうべ
助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの医療職や専門家が在籍し、医師とも提携。医療や健康、妊娠・出産・育児や女性の身体についての記事執筆や、医療監修によって情報の信頼性を確認・検証するサービスを提供。

2018/12/16

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この記事の監修/執筆

保健・衛生・妊娠・育児コンサルタント株式会社とらうべ