胎児への影響

プロテインS欠乏症は遺伝する?お腹の赤ちゃんへの影響は

血栓性疾患の一つであるプロテインS欠乏症は、血液が固まりやすいため血栓ができやすい病気です。ママがプロテインS欠乏症だと、お腹の赤ちゃんにも何らかの影響があるのかどうか、医師や看護師さんたちに聞いてみました。

ママからの相談:「プロテインS欠乏症ですが、子どもへの遺伝や悪影響が心配」

妊娠9カ月目に入りましたが、私自身が血液凝固に関わるプロテインSに異常があり、日々不安を感じています。毎回、検診時に血液循環を確認してくれているようですが、母体に凝固異常があると胎児にも何か影響が出たりするのでしょうか。医師からは異常があると発育が悪くなり、ここまで順調に大きくならないといわれていますが安心しきれません。また、遺伝性でなければよいのですが、どうでしょうか。(20代・女性)

胎盤に血栓ができると発育不全などの原因に

母体がプロテインS欠乏症だと、血流が緩やかな胎盤部分に血栓ができやすく、それにより胎児が発育不全を起こしたり流産になることもあるようです。しかし、9カ月まで特に問題なくきたのでしたら、血栓性の発育不全の心配はないのではないでしょうか。

プロテインS欠乏症の方は血栓を作りやすいのですが、血流のよい血管内では血栓はできにくいようです。しかし、血液の流れが緩やかな胎盤では血液が固まりやすいと考えられており、胎児の発育不全や胎児死亡、常位胎盤早期剥離などのリスクが高まるため、無事に9カ月までこられたのは幸いだと思います。(産科看護師)
プロテインS欠乏症だと健常な人よりも血が固まりやすく、つまり血栓ができやすいということです。胎盤は血栓ができやすいと考えられている部位で、赤ちゃんが育ちにくくなる不育症や流産の原因になるといわれていますが、担当医は血栓症による不育症の可能性は少ないと伝えたかったのだと思います。不育症や流産を繰り返す人には、ヘパリンという抗凝固薬で治療をすることもあります。(内科医師)

プロテインS欠乏症の遺伝確率は約50%

プロテインS欠乏症は遺伝する可能性がある病気で、その確率は約50%といわれています。しかし、遺伝しても必ず発症するとは限りませんし、発症したとしても大病することなく普通に生活する人は大勢いるようです。

プロテインS欠乏症は、常染色体優性遺伝で50%の確率で遺伝するといわれていますが、プロテインS欠乏症でも無事に胎児が育つこともありますし、今まで大きな病気にかかっていない人もいます。遺伝と聞くと落ち込むことが多いですが世の中には多くの遺伝病があり、遺伝病がない人でも完璧に健康だという人はほとんどいないといわれています。遺伝しているかどうかは、出産後にお子さんの血液を調べるとわかります。(内科医師)
プロテインS欠乏症は、残念ながら遺伝する可能性がありますが、遺伝しても発症しない場合もあり、何の問題もなく生涯を過ごす方もいらっしゃいます。小さい子どもは血栓を作りにくいですが、あざができやすいなどの症状があれば治療が必要になるため、お子さんが生まれて検査ができる時期になったら、早めに検査を受けさせてください。(産科看護師)

プロテインS欠乏症だと、血流が緩やかな胎盤に血栓ができやすいようです。またお子さんへの遺伝が心配でしょうが、遺伝したとしても特に問題なく生涯を送る人もいます。お子さんの血液検査については、産後時期を見て医師に相談してみてください。


2015/11/26

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