体外受精

2015/12/22

体外受精の前にピルをすすめられた…なぜこのタイミング?

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体外受精の前にピルをすすめられた…なぜこのタイミング?

なかなか自然妊娠できない場合は、人工授精や体外受精といった選択も可能です。相談者の方は体外受精を行うにあたり、ピルを服用して少し卵巣を休ませると主治医にいわれましたが、このような処置について医師や看護師さんたちは何といっているのでしょうか。

妊活中の女性からの相談:「AIHでは処方されなかったピルが、体外受精前に処方されたが?」

子宮内膜症とチョコレート嚢胞が3cm程度あり、なかなか妊娠に至りません。先日AIH(人工授精)でも妊娠しないので体外受精をすすめられましたが、排卵誘発する前にピルを使い卵巣を休ませるといわれました。ピルを飲んで少しでもよくなるなら、もっと早く飲みたかったと思うのですが、AIHやタイミング法のときにピルの話が一度も出なかったのはなぜでしょうか。(30代・女性)

今後、卵巣にかかる負担を考えて休憩を

体外受精では、これまでのタイミング法などのように排卵は自然に任せるのではなく、誘発剤を使用して卵子を採取することになります。そのため今後の身体にかかる負担を考え、今は少しの間ピルの服用で卵巣を休ませる必要があるようです。

タイミング法やAIHの場合、排卵は自然に任せますが、体外受精は排卵を誘発して可能な限り質のよい卵子を数多く得ることが目標になるため、卵巣に負荷をかけることになります。母体への負担を考えると極力少ない採卵回数で目的を達したいと考えますので、この段階での休憩は適切だと思われます。(内科医師)
通常は妊娠希望の方にピルはすすめませんが、不妊治療で長期に渡って妊娠しない場合、卵子を温存する・黄体ホルモンの分泌を促し子宮粘膜を厚くする・黄体機能を改善する・生理周期を整えることで排卵日が特定しやすくなるなどの理由から、体外受精に備えて一旦、生理周期をリセットするため、ピルを不妊治療の一つとして使用する場合があります。(産科看護師)
これまで採卵をしていないなら、卵子を直接見て質の評価をすることはできません。恐らく今までの経過から考えて卵子の質が低下している可能性があるため、一度、卵巣を休ませるということではないでしょうか。(内科医師)

過去にピルが処方されなかった理由とは?

今回、卵巣機能向上や母体にかかる負担を考えて、しばらくピルが処方されるようですが、これまでの治療中なぜピルが処方されなかったのか、その理由について以下のように医師や看護師さんは説明しています。

ピルを長期に服用していると、服用をやめても妊娠するまで時間がかかるといわれているため、積極的に妊娠に取り組んでいるときにはすすめなかったのでしょう。他にも医師の方針もあるでしょうから、不審なことは医師に尋ねてください。(産科看護師)
ピルを使って卵巣を休ませることは、妊娠のチャンスを数回失うことになりますので、早く妊娠したいと考える患者に対し当初からピルの使用をすすめることは少ないと思われます。再度、主治医と話し合い、疑問に思ったことは尋ねてみてはいかがでしょうか。(内科医師)

体外受精はこれまでの治療とは違い、卵巣にかかる負担が大きくなるようです。そのため今回ピルが処方されたようですが、不妊治療は医師との信頼関係が大切ですので、不審な点や疑問点は何でも尋ねてみるとよいでしょう。


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