妊娠後期の寝方

2016/01/23

仰向けでしか寝れない…妊娠後期、赤ちゃんにはよくない?

この記事の監修/執筆

産婦人科専門医、医学博士/女医+(じょいぷらす)巷岡 彩子

仰向けでしか寝れない…妊娠後期、赤ちゃんにはよくない?

お腹が大きくなってくると、眠るときの姿勢一つでも身体に負担がかかります。仰向け寝をすると赤ちゃんに何か影響があるのでは?と心配する妊婦さんに対して、産婦人科専門医の巷岡先生はどのようなアドバイスをしているでしょうか。

プレママからの相談:「妊娠後期に仰向けに寝ても大丈夫?」

現在、妊娠32週です。後期になると仰向けで眠れなくなると聞きますが、私は逆に仰向けでないと熟睡できません。理想は左横向きになってシムスの体位をとることだと聞きますが、そうすると赤ちゃんの足が私の左脇腹にあたり、バタバタ動くのが気になって眠れません。右横向きで寝ても同様です。ネットには仰向けは母体によくなく、赤ちゃんも苦しがっていると書いてありました。このまま仰向けで寝続けても問題ないかどうか不安です。(30代・女性)

妊娠後期に仰向けがよくないといわれる理由は?

妊娠後期に仰向け寝をすると、大きな子宮に太い血管(下大静脈)が圧迫されるため、むくみや静脈瘤の原因になります。また、赤ちゃんへの栄養が不足したり、仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群を起こす可能性もあります。外国では、仰向け寝が死産のリスクを上げるとの報告がありますが、信憑性は不明です。

妊娠後期の仰向け寝がよくないのは、大きくなった子宮が、内臓や血管を圧迫して、胃もたれや血行不良を引き起こすためです。それが原因でむくみやすくなったり、静脈瘤ができたり、赤ちゃんに十分な栄養が届かなかったりします。また、子宮が下大静脈を圧迫し、心臓への血液の戻りが悪くなった場合には、血圧が急に下がり、息苦しさ、動悸、めまい、などの症状を引き起こします。これが仰臥位低血圧症候群です。仰向けで寝ているときにこのような症状が出た場合は、左側を下にした側臥位に体位を変えましょう。
仰向けで寝ることによる赤ちゃんへのリスクについて、外国の研究では「死産のリスクが上がる」という報告があります。しかしこの研究には、症例数が足りないのでは?という指摘もありますので、信憑性としては低いかもしれません。
仰向けで寝る方が楽だという妊婦さんは、珍しくありません。日本では、仰向けで寝ることによっての赤ちゃんへのリスクはないといわれています。

仰向けでも楽でよく眠れるなら、問題なし

妊娠後期に仰向け寝をしない方がよいのは、内臓や血管を圧迫し、血行が悪くなるなどして母体や赤ちゃんに影響を与えるためだといわれています。しかし、その姿勢が楽で、よく眠れるのであれば、仰向け寝でもよいようです。ただし、胎動を感じたりお腹が張るときは姿勢を変えてください。

お腹が大きくなってきてからの、おすすめの寝方があります。それは「シムス体位」といって体の左側を下にして横向きに寝る姿勢です。下にある左足を真っすぐのばし、右足はその上に曲げておきます。そしてお腹に負担がかからない程度に上半身をうつ伏せ気味にしてください。クッションや抱き枕などを抱えるようにすると、安定しますよ。

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