出産予定日

37週で出産することに…呼吸器系に問題が起こる可能性が?

37週から41週の出産は「正期産」といって、産まれてくる時期としては正常です。では、37週目で産まれることはよくあることなのでしょうか。それとも稀なことなのでしょうか。また、37週目で出産することで赤ちゃんに問題が起こることはあるのでしょうか。37週目での出産について、起こりうる問題も併せてご紹介します。

37週目で出産する確率は?

37週目で出産する確率は明確ではありませんが、厚生労働省が発表している人口動態統計によると、36~39週での出産が約6割、出産予定日である40週0日以降の出産が約3~4割というのが日本での状況です。37週目以降41週までに産まれるのが正常ですし、37週目で産まれてくることはさほど稀なことではありません。
ちなみに「臨月」という言葉がありますが、これは出産に適した期間という意味で、医学的に言われる正期産とは違い36週から39週までの期間を指しています。

よくある兆候

必ずとはいえませんが、37週に入ったらいつお産の兆候が現れてもおかしくありません。このころには子宮の位置が下がってきて胃の圧迫感がなくなり、食欲も増加します。膀胱が圧迫されて尿意が頻繁になったり、恥骨の痛みが増したりといった変化を感じる人もいます。出産予定日はあくまでも予定なので、実際にはいつがお産の日になるのかをピタリと予測することはなかなか難しいものです。
でも、お産の日が近づいてきた兆候を自覚することがあります。たとえば、子宮口が成熟して準備ができてきたという徴(しるし) として、おりものに少量の血が交ざった分泌物が出ることがあります。これを「おしるし(産徴)」といいます。変な感じがしてトイレに行ったらナプキンに血がついていた、という経験のある妊婦さんも多いですが、おしるしがない場合もあります。そのほか 腹痛や、腰のあたりに生理痛のような痛みを感じ、子宮の収縮を感じて「お腹が張る」という感覚がわかるようになってきます。もちろん個人差があり、感じない人もいます。 また胎動にも変化があります。赤ちゃんの頭が骨盤あたりに下がってくるので、胎動の回数が減ると言われていますが、これもかなり個人差があります。
陣痛が来たので病院に電話で連絡をして、車やタクシーなどで移動しようと用意しているうちに、その陣痛らしき痛みがなくなるというケースがあります。不規則な間隔で起こるこのような陣痛もどきを「前駆陣痛」と呼びます。 10分以内の規則正しい間隔で痛みが来て、それが1時間以上続くならば、陣痛が始まったと言えますので、痛みが来るたびに時刻をメモしておきましょう。

37週目と40週目で出産する違いは?

37週以降はいつ産まれても大丈夫ですが、37週目で出産するのと40週目で出産するのとでは違いがあります。37週目で産まれるよりも、40週目で産まれる赤ちゃんのほうが頭も大きくなっています。出産方法が経腟分娩の場合、そのお母さんの骨盤の大きさに対して赤ちゃんがより小さいうちに産まれるほうが、産道を通り抜けやすいということはあるかもしれません。

37週と40週の赤ちゃんの違いとは?

37週の赤ちゃんを40週の赤ちゃんと比べると、身体の機能に未熟さが残ります。37週以降に産まれた赤ちゃんを「正期産児」と呼びますが、最近では正期産児のなかでも37週0日から38週6日に産まれた赤ちゃんを「早期正期産児」と呼び分けることがあります。これは、40週の赤ちゃんよりも37週の赤ちゃんのほうが、産まれてからのトラブルが起きやすいことがわかっているためです。早期正期産児に対しては、産まれるときやその後の経過について、より用心するべきという考えが広まってきています。ですから経腟分娩の予定の人では、特別な理由がなければ、37週目に入ったからといって出産を急ぐ必要はありません。

赤ちゃんの呼吸に影響が出ることがある?

37週目で産まれたからといって、すべての赤ちゃんに異常が起こるわけではありません。しかし、産まれた直後から呼吸が異常に速かったり酸素が足りなかったりするなど、呼吸に影響がみられる赤ちゃんもいます。このような場合、呼吸が安定するまでNICU(新生児集中治療室)に入ることがあり、お母さんよりも入院が長引くこともあります。NICUに入るほどでなかったとしても、必要に応じて保育器で注意深く様子を確認したり、酸素を与えて様子をみたりします。いずれにしても、体調が安定するまでお母さんの病室とは別になり、離れ離れで過ごすことになります。37週~38週6日の早期正期産のなかでも、帝王切開の場合にとくに影響が出やすいとされています。

赤ちゃんの哺乳力にも影響がある?

37週目で産まれるということは、哺乳力にも影響がみられます。哺乳力への影響とは、あまり元気よく母乳を飲めないということです。産まれたての赤ちゃんは、環境さえ整えてあげれば母乳を欲しがったときに自分でおっぱいに吸いつくことができます。けれども、37週目頃の赤ちゃんは吸いつく力が弱かったり、活発さがなく眠りがちで、ようやく起きても母乳を欲しがるしぐさがあまりみられなかったりすることも多いものです。そのため、39週以降に産まれる赤ちゃんに比べると、産まれてから特別なケアが必要で、母乳育児が軌道に乗るまでに時間がかかることが知られています。その分、お母さんもなかなか安心できず、退院してからも苦労することが多い傾向にあります。

37週目で出産するメリットとは?

出産はとても自然な現象で、多くの場合、赤ちゃんとお母さんにとってちょうどいいときに自然に産まれてきてくれます。ところが、自然な流れに任せて出産を待っていることが母児にとってあまり好ましくないときや、妊娠中の経過に異常が見つかっていて、早く出産したほうがリスクを軽減できると予測される場合には、37週目で計画的に分娩へ向かわせることもあります。

異常を回避するというメリットがあるケース

お母さんの身体が小さく、赤ちゃんがこれ以上大きくなると骨盤を通れなくなって難産になるリスクがあるとき、それを回避するために37週目で出産したほうがよいと判断されることがあります。

異常な経過を改善するというメリットがあるケース

妊娠の影響でお母さんの血圧が高くなっているケースで、お母さんと赤ちゃんの状態を診察した結果から総合的に判断して、早く出産して血圧を落ち着かせたほうが母児の経過がよくなる場合があります。

陣痛誘発剤(促進剤)を使用する場合

「計画分娩」といって、母児にとって自然な陣痛を待たずに出産するメリットがあるとき、陣痛誘発剤(促進剤)を点滴もしくは内服して陣痛を起こさせます。また陣痛が弱い、あるいは波の間隔が長いままであるために、子宮口が全開になるまで時間がかかってしまうときがあります。このように母児にとって分娩を早めてあげるほうがよいという状況のときにも、陣痛誘発剤(促進剤)を使います。いずれも、あくまで産院の医師が判断します。

どんな時に使われるか

37週目に限ったことではありませが、以下のようなときに陣痛誘発剤(陣痛促進剤)を使用することがあります。


・母親の血圧が高く、妊娠を早く終えたほうが経過がよいと判断できる場合
・陣痛の前に破水をしていて、子宮の中で感染症を起こす可能性がある場合
・赤ちゃんの成長がお腹の中で止まっていて、産まれてきたほうがよい場合
・陣痛が弱く、これ以上お産を待つのが危険な可能性がある場合

妊娠37週は出産の準備が整っている時期といえますが、産後の赤ちゃんの順調な経過を考えると、出産を不必要に急ぐ必要はありません。それでも37週目に出産することが必要と判断されるときには、何かしら理由があるということです。 出産を間近に控えた妊婦さんの中には、今日にも陣痛が来るかもしれないと毎日不安な気持ちになっている方もいるかもしれません。不規則な生活を避け、体重管理をしつつ美味しいご飯を食べて、日々をリラックスして過ごしましょう。上の子と一緒に胎動を感じたりしてみてもよいですね。経過が順調であれば、長い距離でなければちょっとした買い物や散歩などの外出も問題ありません。安静の指示があるときには、ゆったり横になって陣痛室や分娩室でのイメージトレーニングをしてみましょう。あまり焦らず楽な気持ちで、対面の時を無事に迎えられるとよいですね。

<参考>
母子の現状
Late preterm infant Japanese2017 – Academy of Breastfeeding Medicine
ABM臨床プロトコル第10号後期早産児(在胎 34 週- 36 週 6 日)および早期正期産児(在胎 37 週- 38 週 6 日)の母乳育児 (2016 年改訂2版)


2018/11/12

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