胎児の大きさ

妊娠時のエコー検査は正確?検査の種類と目的・内容は?

今ではおなじみになっている妊娠中のエコー検査(超音波検査)。お腹の赤ちゃんがモニターにリアルな画像として映し出され、母親になることを実感できます。このエコー検査とはどのようなものなのかを解説します。

妊婦が受ける代表的な検査の種類

エコー検査について詳しくお話しする前に、妊婦健診でどんな検査が行われるのか説明していきます。


○尿検査
尿蛋白、尿糖のチェック

○血圧測定
妊娠高血圧症候群になる可能性があるので、収縮期血圧が140以上、拡張期血圧が90以上の場合は要注意です。

○体重測定
妊娠前の体型(痩せ気味、標準、肥満気味)と比較して適正な体重増加であるかを確認します。

○問診
前回の妊婦健診から変わったことがないかや、健康状態などを訊かれます。

○エコー検査
胎児の状態をみます。

○むくみ検査
足のすねや甲を押して、むくみの有無をチェックします。

○血液検査
血液型、貧血、B型・C型肝炎、HIV、風疹抗体の有無、トキソプラズマ抗体を調べます。中期後期になると貧血検査も行います。

エコー検査とは

それでは、エコー検査とはどのようなものなのか、ここから詳しく説明していきましょう。
まず、妊婦健診で行われるエコー検査とは、胎児超音波断層装置を使って子宮の中の状態を観察する検査のことをいいます。エコー検査の目的は、妊娠が正常なものかどうか、また異常がないかなど、多くの情報を得て診断することです。いまやエコーは「産婦人科医の聴診器」だといわれています。
妊婦健診で受けるエコー検査の検査方法には、経腟エコーと腹部エコーとがあります。どちらも超音波を利用した検査で「プローブ」という器具より周波数の高い超音波を出して、跳ね返ってきた反射を利用し画像として表示します。身体に害がないので、繰り返し検査をしても問題がなく、安心して受けられる検査です。正確な情報を得ることでトラブルの予防にもなり、適切な対処にもつながります。

腹部エコーと経腟エコーの違い

ここで、経腟エコーと腹部エコーについてそれぞれ説明します。


○経腟エコー(経腟法)
初診時に妊娠の確定をするために行います。細長い棒状のプローブを膣内に挿入し、子宮の中を至近距離から観察します。画像が精密で細かい部分まで観察することが可能です。また、子宮頸管の長さを測ることができるので、早産の危険があるかどうかを検査する際にも使用します。腹部エコーと比較すると細部まで確認できますが、内診台に上がるので、抵抗がある人もいるかもしれません。

○腹部エコー(経腹法)
主に妊娠中期から分娩直前まで使われます。お腹の上からプローブを当てるので、痛みなどもなく広い範囲を観察することができます。腹部エコーは内診台に上がらなくてもよいですし、家族も一緒にエコーをみることができる点がメリットです。

○カラードップラー法
経腹エコーを使用する頃から、この検査も行います。胎児の臓器ごとに血流の早さや量を測定します。臍帯(さいたい:へその緒)が赤ちゃんに巻き付いていないかどうか、臍帯の血管の本数、また心臓の形に異常がないかなどを観察します。

エコー(超音波)検査の種類

エコー検査には種類があります。


○2D
赤ちゃんの白黒写真です。縦・横を「2D」といい、平面的な静止画で撮影します。

○3D
縦・横に奥行きを加えた立体的な画像です。静止画ですが、情報量もアップし、赤ちゃんの仕草や表情までも観察できます。

○4D
縦・横・奥行に時間をプラスしたものです。胎児を動画で見ることができるのです。検査時点での赤ちゃんをリアルに映し出して見ることができるので、赤ちゃんをより身近に感じることができます。4Dを導入している施設とそうでない施設があります。

エコー検査を受ける時期と検査内容

目安の時期と検査の内容

厚生労働省によると、標準的な妊婦の定期健診でのエコー検査は、妊娠初期~23週にかけて2回、妊娠24~35週に1回、妊娠36週~出産までに1回行うと示されています。


○妊娠初期(~15週)
妊娠初期には、子宮筋腫や卵巣嚢腫の有無を確認します。また、妊娠4~5週目には胎嚢(胎児が入っている袋)が子宮内にあることを、妊娠6週目には胎児の心臓が動いていることを確認します。妊娠9~10週目には、赤ちゃんの大きさを測ります。必要に応じて、出産予定日の計算をし直すこともあります。
産婦人科の病院やクリニック、産院などで、経腟エコーを行うのが一般的ですが、初診から経腹エコーを行うところもあります。妊娠12週までの胎児の観察、妊娠20週頃の胎盤の位置、子宮頸管の長さの確認には経腟エコーが使われます。
機械によって、また医師の判断によって違うようなので、主治医に確認してみましょう。エコーで映された画像を写真として持ち帰ることもできます。

○妊娠中期(16週~27週)
心臓や肺、血管などの臓器の形を確認します。胎盤や臍帯の位置や構造に異常がないか、羊水が正常かどうかなどをチェックします。また、子宮頸管無力症かどうかの診断ができます。妊娠18~20週前後になると赤ちゃんの性別も判明しますが、あくまでも予測です。

○妊娠後期(28週~39週)
胎児の大きさ、羊水量のチェックなどから分娩の時期を考えます。胎児が大きければ誘発分娩や帝王切開の可能性も視野に入れます。

エコー検査で分かること

ここまでお伝えしてきたように、エコー検査を行うことで、胎児が子宮の中で順調に経過しているかどうかを確認することができます。ここでは、エコー検査でわかることについて、もう少し詳しく説明していきます。


○胎嚢の有無
妊娠が成立すると約5週目で胎嚢の大きさや発達を確認できます。また、子宮外妊娠かどうかも判別できます。

○心拍の有無
子宮内膜に着床して胎児が育っているかどうか、心拍を確認します。6~7週頃までにチカチカするものを確認することができるようになりますが、これが心臓の動きです。

○分娩予定日
「CRL(Crown・Rump・Length:頭・尻・長さ:頭臀長)」という胎児の頭の先からお尻までの距離を測ることで、出産予定日が割り出されます。妊娠8~12週目のCRLによってほぼ正確な分娩予定日を知ることができます。

○胎児の数
単体なのか複数児の妊娠なのかを鑑別します。

○胎児の向き
頭位か骨盤位(逆子)なのかの判別をします。

○EFW(赤ちゃんの推定体重)
エコー検査をして写真をもらうと、下方に「BPD」「FL」「FTA」という記号を確認することができます。BPDは胎児の頭の大横径、FLは大腿骨の長さ、FTAは胸の横断面積のことで、これらを測って胎児の推定体重を出します。発育の目安になります。

○胎児の形態の異常
胎児と胎児の付属物である卵膜・胎盤・臍帯を観察します。

○生理機能
心臓、肺、血管など臓器の形を確認し、異常がないかをみます。

○羊水量
羊水の量が正常かどうかを確認します。

○性別
赤ちゃんの性器の様子から性別をみますが、あまり確かではありません。足を閉じていたり、身体の一部分が性器にかぶさっていたりすると判別できないこともあります。

エコー検査でわからないこと

このように、エコー検査ではたくさんのことを知ることができますが、わからないこともあります。たとえば、赤ちゃんの小さな形の異常、臓器の働きの異常や障害などを見つけることはできません。また、皮膚などの表面的な異常もわかりません。超音波の届かない場合もあり、そのときは診断ができません。さらに、細胞内にある染色体や遺伝子であるDNAの配列異常なども、エコー検査ではわからないことの一つです。

妊娠時のエコー検査は保険適用される?

検査の相場と保険適用の可否

妊娠出産は病気ではないので、妊婦健診のエコー検査も基本的には健康保険は適用されません。ただし、自治体から妊婦検診補助券が配布されています。産婦人科で妊娠したと診断され自治体に妊娠届を出すと、母子健康手帳が交付されて「妊婦健診補助券」が配布されます。この補助券は費用の一部を負担してくれるもので、通常は妊婦健診でかかる費用が無料から5000円程度になります。妊婦健診受診の際には必ず持参しましょう。
一方、切迫流産や早産、前置胎盤の疑いでエコー検査が必要なときは、健康保険の適用となります。

検査を受ける際の注意点

経腹エコーでは、膀胱に尿が溜まっているほうがよく見えるので、検査前はトイレに行くのを我慢するようにいわれるかもしれません。検査の前に確認しておくとよいでしょう。
また、妊娠初期では経腟エコーを使用しますので、内診台にあがることになります。裾をまくりますので、服装はスカートかワンピースがよいでしょう。腹部エコーではお腹を出しますが、バスタオルなどをかけてくれます。こちらもスカートのほうがスムーズに受けられます。あまりウエストの締め付けがきつくなっていないものがお腹にもよいですね。前が開くワンピースなどでも便利です。レギンスなどを着用して冷えないようにしましょう。

執筆者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

監修者:株式会社 とらうべ
助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの医療職や専門家が在籍し、医師とも提携。医療や健康、妊娠・出産・育児や女性の身体についての記事執筆や、医療監修によって情報の信頼性を確認・検証するサービスを提供。

2018/12/16

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この記事の監修/執筆

保健・衛生・妊娠・育児コンサルタント株式会社とらうべ