かんしゃく

2歳の息子の癇癪がやばい…ギャン泣き、頭を打ちつけるのはなぜ?やめさせる方法は?

2歳の頃は、まだまだ成長の真っ最中。感情の起伏が激しい一方で、自分の欲求をきちんと言葉にできない時期です。そこで怒りの感情を我慢できず爆発させるのが癇癪(かんしゃく)です。2歳頃から始まって、長い場合は5歳頃まで、場合によってはそれ以降も続くことがあります。癇癪を起こしている子どもに対して、周囲の大人ができる対処法をお伝えします。

子どもが癇癪を起こす原因

言葉を十分に覚えていないため、泣いたり暴れたりすることで自分の気持ちを伝えようとします。物がほしい、自分の意志で動きたいなどの要求があるときや、嫌だという気持ちがあって拒否するとき、注目してほしいときやかまってほしいときなどに癇癪を起こします。

理性で感情をコントロールできない反面、記憶力はどんどん発達し、自立心も芽生えてきます。そのため「あれもしたい」「これもほしい」と自己主張が出てきて、周囲への好奇心も旺盛です。そんなとき、親から「それをしちゃダメ!」「言うことを聞きなさい!」と押さえつけられると、一気に感情が爆発します。
また、自分がやりたいことをやってみても思った通りにできないというときも苛立ちます。怒りの感情を言葉に表すことができないので、自分ができることとして、大声を出す、相手を叩く、物を投げる、頭を打ちつけるなど、さまざまな行動で示そうとします。
癇癪を起こしやすい子とそうでない子がいますが、それは性格や環境などによってそれぞれ異なります。疲れていたり、お腹が空いていたりすると癇癪を起こしやすくなるのは、大人も同じでしょう。

寝る前や寝起きで癇癪を起こす原因

寝る前の癇癪は、まだ寝たくない、遊びたいといった気持ちがあるからでしょう。身体が疲れていなくて元気いっぱいという感じですね。「イヤイヤ期」とも言われるように、自我が強くなっていく時期であるため、素直に言うことを聞かないという面も大きいでしょう。また、「眠い」ということをはっきり自覚できずに、具合が悪いように感じて機嫌が悪くなっていることも考えられます。
寝起きの癇癪は、まだ寝ていたいということもありますし、寝る前と同じように反発したい時期なのだと理解しましょう。とくに朝はバタバタと出かける準備などがあって、親も急かしがちです。それが癇癪に油を注ぐこともあります。

癇癪はいつまで続く?

感情を表に出すことは、子どもの発達にとっては欠かせないものです。発散せずに心の中に溜めこんでしまうと、今後心の問題が発生するリスクが高くなるのです。「まったく手がかからない子」というのも注意が必要です。2歳頃はいろいろな感情があり、癇癪を起こす中で、その気持ちと折り合う力をつけていると考えられます。
親の関わり方によっても、その期間は長引いたり早く終わったりします。癇癪を見守ったほうがいいときと、積極的に関わりをもったほうがよいときとがあります。それが逆になると子どものイライラを募らせることになってしまいます。気持ちを表現する他の方法を手に入れることで、徐々に癇癪を起こすことも少なくなっていくでしょう。ただし完全になくなるとはいえず、思春期や大人になっても癇癪を起こすことはあります。

男の子と女の子で癇癪の激しさに差はある?

多くの男の子は、走ったりジャンプをしたり、身体を動かして遊ぶのが好きです。筋肉が発達して、引き締まった体型になってくる一方で、言葉を話すのは女の子よりも遅い傾向があります。そのため、自分のやりたい行動を妨げられると癇癪を起こして表現します。何をやりたいのか親が理解してくれないことで癇癪を起こすこともあります。
女の子は言葉の発達が比較的早いので、なぜダメなのかをきちんと言葉で説明したときに、理解が早い傾向があります。子ども扱いされると怒りますので、大人に対するように説明しましょう。また、自分で何でもやりたがります。そこに母親が手を出すことで癇癪を起こすこともあるでしょう。

もちろんこうした傾向には個人差があり、身体を動かすことの好きな女の子や、おしゃべりが上手な男の子もいます。一概にどちらの性別の癇癪が激しいと言うことはできませんし、癇癪を起こすきっかけもそれぞれです。

イヤイヤ期の癇癪でありがちな行動

この時期の子どもに見られる癇癪の代表的な例を紹介します。

ギャン泣きする
とにかく大声で泣きわめき続けます。いったん泣き出すと本人も自分で止められなくなります。危険がなければそのまましばらく放っておいても問題ありません。

頭を打ちつける・物を投げる・叩く・噛みつく
親の注意を引くために行動がエスカレートしていくことがあります。でも、危ないことをするのを放ってはおけません。冷静に関わっていくためにも、行動がひどい状態にならない前に子どもの手を押さえるなどして止める必要があります。

奇声をあげる・パニックになる・多動など
話ができる状態ならば鎮めることができますが、全く話を聞こうともせず、奇声を上げたり、パニック状態になっていたり、動きまわったりすることがあります。お出かけ中にこのようなことになった場合、一旦落ち着けるような場所に移動して様子をみましょう。

毎日のように起きる癇癪にノイローゼになる母親も…

親から見れば「些細なこと」で癇癪を起こす子どもに毎日対応していると、子育てがこんなに大変だったのかと、ノイローゼ状態になる母親もいます。赤ちゃんのときはあんなにいい子だったのに、子どもが言うことを聞かなくなっているのは自分の育て方が悪いのではないか、と思ってしまうママも少なからずいるでしょう。
とくに朝から癇癪を起こされると、「また始まったか……」と気が重くなってしまうのも無理はないでしょう。また、今日も一日何事もなく過ごせたかな、と思っている夕方にも、得てして子どもは癇癪を起こしやすいものです。一日の疲れも手伝って、なかなか心穏やかに接することができないこともあるでしょう。
家に一人きりで育児をしているとノイローゼ状態になりやすいので、そんなときは子どもと一緒に近所に出たり、子どもを預けて一人の時間を作ったりしてみましょう。

癇癪がひどいのは発達障害の可能性もある?

癇癪は発達の過程で起こるもので、程度には個人差があります。癇癪のひどい子とそうでない子がいますし、ひどいからといって必ず発達障害であるということでもありません。
ただし、自閉症や高機能自閉症、アスペルガー症状群などの性質がきっかけとなって癇癪を起こしやすくなっている場合もあります。
目を合わせない、名前を呼んでも振り向かない、抱っこしてものけぞってしまうといったことが度々あって気になるようなら、まずはかかりつけの小児科などで相談してみるとよいでしょう。

子どもが癇癪を起こした場合にやってはいけない行動

親の対応として避けたほうがよい行動には、次のようなものがあります。

①子どもの言いなりになる
癇癪を起こしている子どもの要求を、親が納得できないのに受け入れてしまうのはよくありません。何でも子どもの言う通りにすれば、子どもは癇癪を起こせば思い通りになるという誤った考えを持つことになるからです。
自分の要求が通らなかったという体験や、残念で悔しい気持ちと折り合いをつけたという経験は、とても大事です。
ポイントは、一度ママやパパが決めたことを貫くことです。親の気持ちが揺れてしまうと、それは子どもにも伝ってしまいます。ダメなものはダメという毅然とした態度が大事です。

②親が癇癪を起こす
親も一緒になって感情をぶつけ返すのはよくありません。強い語調でおとなしくさせても、それは一時的なもので、今後同じような場面があったらもっと強く癇癪を起こすでしょう。子どもは親の真似をします。親が癇癪を起こせば、自分の要求が通らないときは癇癪を起こしてよいのだと学習してしまいます。
また、親が聞く耳を持たずに、子どもの言い分を無理やりねじ伏せることが続けば、子どもは感情を表現すること自体をやめてしまうかもしれません。癇癪も子どもの発達の通過点と捉えて、親は余裕をもって冷静に構え、子どもには思いっきり感情表現をさせてみましょう。

③質問攻めにする
子どもの癇癪の理由がわからないと、原因を質問したくなります。「〇〇なの?」「△△じゃないの?」といろいろ訊くと、子どもは混乱してさらに癇癪を起しかねません。言い方ひとつで、子どもの気持ちは治まったりするものです。また、ママとパパが一緒になって子どもを責め立てると、子どもは逃げ場がなくなってしまいます。2人いる場合は、どちらかが「味方」役になってあげましょう。

癇癪を治すための方法はある?

毎日のように起こす癇癪に対して、親はどう対処すればよいのでしょうか。

【対処①】子どもの気持ちを受け止める
子どもが癇癪を起こしたら、興奮している子どもの気持ちをまずは受け止めましょう。手を握る、抱きしめるなどして落ち着かせ、「どうしたの?」「何か嫌なことがあったんだね」と声をかけながら、癇癪を起こしたことを必ず身体で受け止めてあげましょう。その上で、できないことはできないと目を見てしっかり伝えます。

【対処②】気が済むまで泣かせる
それでもギャン泣きして寝転んで泣くようならば、しばらくはそのまま泣かせておいてよいでしょう。泣いているときに機嫌をとろうとして親があまり手を出すと、子どもは期待を抱いてしまいます。安全を確認した上で、話がしたいときや抱っこしてほしいときは教えてね、と伝えてください。子どもが気の済むまで泣いているあいだに、自分は家事を済ませましょう。子どもの気持ちが鎮まって気持ちが変わったときには、自分からママやパパのところへ来ます。そのときは「よくきたね」とほめてから、改めて話を聞いてあげましょう。

【対処③】気持ちを言葉に出して理解する
理由を言葉で表せないために癇癪を起こしていることが多いので、親は子どもが理由や気持ちを説明する手助けをしてみましょう。何が起こって、それに対してどんなふうに感じたのかを、初めはゆっくりと簡単な言葉で代弁してあげるとよいでしょう。子どもが自分の口で少しでも表現できたら、親はそれを補って、しっくりする言葉を探す手伝いをします。その過程の中で、そのときの状況や、子どもの中でどんな気持ちの変化が起こっていたのかを共有できます。このような経験を重ねていくと、徐々に自分の気持ちを言葉で表すことを学んで、癇癪を起こすことも減っていくはずです。絵本を活用するのもおすすめです。

【対処④】子どもの環境に注意する
お腹が空いていたり、疲れていたり、眠かったりすると、機嫌が悪くなります。子どもが今どのような状態なのかを把握し、お出かけのときはお腹が空きすぎないよう軽食を持ち歩くなど、あらかじめ対策をしましょう。
子どもが暴れてケガをしないように、また周囲に迷惑をかけないように、いったんその場を離れて、まずは安全な場所へ移動させることも大切です。

もう手がつけられない…子どもの癇癪に疲れたときの対処法

いつもやさしく、理想の母親や父親でいるのは、非常に労力のいることです。ときには、子どもに当たってしまったり、子どもを憎たらしく思ってしまったりすることもあるでしょう。そんなママやパパ向けのストレス解消法を紹介します。

自分をほめてあげる
いつも育児で頑張っている自分をほめてあげてください。出産して小さな赤ちゃんがここまで成長しているのは、ママやパパが育ててきているからです。できたことに目を向けて、美味しいもの、ほしいものをご褒美にしてもよいでしょう。

ママ友などと話をする
同じ年頃の子どもを持っているママと話をすると、自分だけでなく周りにいる他のママも同じように悩んだり苦しんだりしていることがわかってホッとします。同じような経験をしてきた先輩ママからは、アドバイスをもらえることもあります。パパコミュニティはまだまだ少ないかもしれませんが、幼稚園の先生などに話を聞いてもらったりすると、何かヒントが見つかるかもしれません。
どうしても、家に赤ちゃんや子どもと一対一でいるとストレスを感じやすいものです。同じ状況の親と情報交換をしたり、悩みを話して共感したりできる場所は、とても大事です。
子育てサークルなどに参加すれば、長くつきあえるお友達と出会うことができるかもしれません。子育てサークルには保育士や看護師が在籍していて、育児の悩みにも答えてくれます。

睡眠を十分にとる
睡眠不足は、心を乱す原因にもなります。できれば子どもの昼寝に合わせて一緒に寝ましょう。また休日には、家族に子どもを見てもらって寝る時間を確保するのもよいですね。実家に帰って、親に子どもを見てもらっているあいだに寝るというのもひとつです。

一時預かりを利用する
保育園の一時預かりという制度があります。急な養育者の不在や休養を目的として、一時的に認可保育園を利用することができます。お住まいの自治体の役所などで、利用できる施設を確認してみてください。
子どものペースで24時間動いていると疲れが溜まって具合が悪くなる、ゆっくり寝る時間がほしい、自分の時間がほしい、といったときに活用してみましょう。

執筆者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

監修者:株式会社 とらうべ
助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの医療職や専門家が在籍し、医師とも提携。医療や健康、妊娠・出産・育児や女性の身体についての記事執筆や、医療監修によって情報の信頼性を確認・検証するサービスを提供。

2018/12/25

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この記事の監修/執筆

保健・衛生・妊娠・育児コンサルタント株式会社とらうべ