育児ストレス

子どもにイライラして家事ができない!ストレスの解消法と子どもへの接し方

妊娠中は子どもとの楽しい生活を想像していたのに、いざ産まれてみると家事もはかどらず、要求ばかりの子どもにイライラしてしまう……。感情的になるのを止められず、自分でもどうしていいかわらなくなることがありますよね。強いストレスを感じて「もう限界!」というときには、自分自身や子どもに対してどのように接していったらよいのでしょうか。

自分が産んだ子なのに可愛くないと思ってしまう

女性の身体は、妊娠・出産を境に激変します。産後は女性ホルモンの変動や育児疲れによって、マタニティーブルーズになったり、うつ状態になって落ち込んだり、イライラしたりしやすくなります。
今まで当たり前に自分の時間を好きなように使っていたのに、子どもがいることで縛られているように感じ、睡眠不足にもなってきます。仕事のようにオンとオフの切り替えができず、ずっと休む間もなく毎日これが続くと思うと、嫌になってしまうこともあるでしょう。この子を産んだからこんな状態になってしまったと考えると、自分が産んだ子どもなのに可愛く思えないという気持ちも起こり得ることです。
とくに完璧主義の人や責任感の強い人はストレスを感じやすい傾向があるので要注意。子どもは計画通りには育ってくれませんから、子育てで完璧を目指すと、頑張りすぎて自分を苦しめることになりがちです。
「母親としての資格がないと思う」「赤ちゃんに対して何の感情も湧かない」「一日中気分が落ち込んでいる」ということが続くようなら、「産後うつ病」の可能性もあります。自分一人で何とかするというよりは、専門家などの援助を必要とする状態ですので、地域の保健所や保健センター、助産師や医師に早めに相談しましょう。自分ではなかなか助けを求められないこともあるので、家族など周りの人が何かおかしいと気づいたときは、親しい人がじっくり話を聞いてあげましょう。

親のイライラは子どもにも伝わる?

イライラは、何も言わなくてもすぐに子どもに伝わります。子どもはママやパパの笑顔が大好きです。イライラしていると子どももぐずって泣き出すことが多く、それをやめさせようと叱ってまた怖い顔になる、という悪循環を起こしてしまいます。
子どもには優しく話しかけよう、自由にのびのびとさせてあげようという思いがあっても、いつも余裕をもって接するのはなかなか難しいものです。夜中の授乳で睡眠時間もろくに取れず、朝は眠たい目をこすりながら食事の準備と片付けをし、パートナーが帰宅する前に散らかった部屋も掃除してきれいにしなくちゃ……と忙しく動き回っていると、落ち着いて座るヒマもありません。一人きりで全て完璧にこなそうと頑張っていると、精神的にも参ってしまいますよね。義父母や理解のないパートナーなど、周りの目が気になる場合はなおさらです。
そんなときに、せっかく作った離乳食をお皿ごと全部ひっくり返された日には、そうそう笑顔を保てるものではないでしょう。
でも、親がイライラしていると子どもはとても不安になります。言葉がわからないときでも、赤ちゃんには声や態度の変化で全て伝わっていますから、お母さんが幸せでないとすぐに反応します。お父さんとお母さんの関係がうまくいっていないときも、子どもは落ち着きをなくすものです。
もともと人間は集団保育をする生き物ですから、育児は一人で頑張れるわけがありません。赤ちゃんと二人きりで孤独になるのはとてもつらいことですから、お互いが笑顔でいることを第一に考えて、今よりも楽に子育てをしていく方法を考えましょう。

子どもへの接し方のポイント

子どもがぐずると、腹が立って反射的に怒りをぶつけてしまいたくなるでしょう。そんなとき、親はどう対処していったらよいのでしょうか。

【子供への接し方のポイント①】6秒間待つ
怒りのピークは最初の6秒といわれています。感情的になってコントロールできなくなってしまいそうなときは、何か言ったり行動したりする前に1~6まで数えてみましょう。もちろん、6秒間待てば怒りが消えるわけではありませんが、こうすることで少なくとも最悪の事態は防ぐことができます。

【子供への接し方のポイント②】「怒る」のではなく「叱る」
6秒間が過ぎたら、言って良いことと悪いことを吟味しながら、自分が思っていることを子どもに伝え、筋道立てて説明しましょう。怒りを我慢して飲み込む必要はありません。
もし子どもが何かいけないことをしたのであれば、感情的になって「怒る」のではなく、してはいけないことを教えるために「叱る」ということを心がけてください。これは、親が怒りの感情を持ってはいけないということではありません。人は何かを伝えようとするときに怒りを露わにします。子どもにどうしてほしいかを伝えるために、怒りを「うまく使う」ことが大事です。

【子供への接し方のポイント③】理想をわきに置く
とはいえ、大人の理想どおりに子どもを動かそうとすると必ず無理が出ます。「こうすべき」「ああすべき」「こうあってほしい」という理想や期待値が高いと、それだけ子どもがそこから「外れる」ことも多くなります。子どもはいろいろとやってみながら世界と出会っている最中ですから、親はその手伝いをするというスタンスでいましょう。
「多少おもちゃが散らかっていてもいいや」「洗い物が溜まっているけど、皿洗いはできるときにまとめてすればいいか」と、自分の中でのルールやハードルを一つずつ外していくと、思いのほか楽になります。親が笑顔でいることが、子どもにとっては一番なのです。
パートナーにどう思われているか気になる人は、一度時間を作って、自分の今の気持ちや状況、これからどうしていきたいかを伝えてみるとよいかもしれません。案外、相手は何とも思っていないかもしれませんし、お互いの気持ちを知る機会にもなるでしょう。

子どもにイライラしてストレスが溜まったときの対処法

どんなに工夫していても、子どもと二人きりで過ごすことは、それだけで大きなエネルギーを使います。ストレスが溜まったら、その都度それを発散することが必要です。

【ストレス対処法①】信頼できる人に話をする
パートナーでも友人でも親でも、保育園の先生でも、一緒にいて安心できる人とおしゃべりしましょう。失敗の経験や気持ちを分かち合えると、閉じこもっていた気持ちがふっと楽になります。月齢や歳が近い親同士なら、お互いに同じような悩みや大変さを持っていることも多いものです。知識や情報の交換をしたり、違う考え方に出会ったりすることで、自分では考えつかなかったような対処の仕方が見えてくることもあるかもしれません。

【ストレス対処法②】一人の時間をつくる
子育てをしていく上で、親が自分の時間を持つことは非常に重要です。責任感の強い人は、子どもを置いて外出することで罪悪感を覚えることもあるかもしれませんが、心配しなくて大丈夫です。親が息抜きをすることで、引いては子どものためにもよい影響を与えますから、ぜひ子どもを預けて一人で出かけてみましょう。休日にはパートナーに預けたり、お友達同士で子どもを預け合ったり、実家の家族や預かりサービスなどを利用したりして、リフレッシュしましょう。特別な理由は必要ありません。親も一人の人間ですから、自由な時間は持つべきなのです。子どもからしばらく離れてみると、いろいろと見えてくるものがあるでしょう。

【ストレス対処法③】ノートに書く
イライラしているときの状況をノートに書き留めてみましょう。それを自分で読み返してみると、自分のことを客観的にみることができ、振り返ることができます。問題点や気持ちが整理できて、何か解決策が浮かぶかもしれません。

【ストレス対処法④】相談窓口に行ってみる
全国の各自治体には「子ども家庭支援センター」や「子ども発達支援センター」が設けられています。保育士や保健師が相談に乗ってくれたり、内容に応じて適切な窓口を紹介してくれたりします。周りに相談できるような人がいないというときなどに、電話したり直接訪れてみたりするとよいでしょう。相談者の秘密は守られますし、「このままだと子どもを虐待してしまいそう」といった心配も受け止めてくれるはずです。

ストレスを溜め込まないためには、一人でくよくよ悩まないで、誰かに相談する、話をする、頼るということが大切です。

子どもにイライラしてつい手を挙げてしまった場合

子どもにイライラしてやってしまうよくある行動

・子どもを怒鳴る
感情が抑えられず人前でも怒鳴ってしまったり、否定的な言葉をしつこく子どもに向かって言ってしまったりします。親は怒り心頭なのですが、有効な態度ではありません。子どもはただ恐怖や不安を感じて萎縮してしまいます。

・無視する
親の気を引きたいために、親の嫌がることをわざとやることは多いですね。腹が立つので子どもに対して聞こえないふりをする、見ていないふりをするなど、怒りを収めるために親が子どもに対して無視をすることがありますが、子どもの言動や欲求不満が余計にエスカレートする可能性があります。

・その場に置き去りにする
子どもを置き去りにするという叱り方は、子どもの心に「親に見捨てられた」というトラウマが生まれてしまう可能性があります。「親に悪いことをした」という反省の気持ちは生まれず、子どもは恐怖や不安を感じるだけでしょう。すぐに戻るようにしましょう。

・子どもを叩く
子どもが癇癪を起こしたりわがままを言い募ったりしていると、親は自分でも感情が抑えられず、半ば無意識的に手を挙げてしまうことがあるかもしれません。親に叩かれたということは、子どもにとっては非常にショッキングな出来事です。

自分のメンタルを落ち着かせる方法

いけないとわかっていながら、ついこのようなことをしてしまった場合には、自分の気持ちをまずは落ち着かせる必要があります。

・深呼吸する
怒っているときには呼吸が浅くなっているものです。鼻から大きく吸って、口から長く息を吐ききりましょう。これを何回か繰り返すうちに、呼吸も整って気持ちが次第に落ち着いてくるでしょう。

・別のことに意識を集中する
自分が落ち着こうとしているあいだも、子どもはまだ泣いているかもしれません。子どもの安全が確認できていれば、少しのあいだ別の部屋に行ってもよいでしょう。ただしそれができないことも多いですから、ひとまず子どもを抱っこして背中をさすりながら、何も考えず、別のことに意識を集中します。深呼吸でもよいですし、何か口に入れてそれをじっくり噛むことに集中してもよいでしょう。

子どもへのフォローの方法

気持ちを切り替えて健全な関係を保っていくためにも、イライラを爆発させてしまったあとはそのままにせず、必ず子どもと向き合う時間をつくることが大切です。

・子どもに謝る
怒ってしまったこと、叩いてしまったことなど、自分がしてしまったことを素直に謝りましょう。相手がまだ言葉を話せない赤ちゃんだったとしても同じです。「○○しちゃってごめんね」と、具体的な内容を含めてきちんと伝えます。

・気持ちを共有する
次に、「お母さんが怒って怖かったね」「悲しかったね」など、そのときの子どもの気持ちを代弁して共有しましょう。その気持ちを思い出して子どもはまた泣き出すかもしれませんが、そのときは親も一緒になって泣いてよいのです。「お母さんも悲しかったよ」「叩いちゃっていけなかったね」と、その出来事全体を自分がどう受け止めているかを子どもに伝えることも大事です。ひととおり反省が終わったら「○○ちゃんのこと大好きだよ」と言って抱きしめてあげましょう。

・楽しいことを一緒にする
お互いに気持ちがすっきりしたら、何か楽しい気持ちになれることを一緒にしましょう。美味しいものを食べるのもよいですし、好きな絵本を読むのもよいでしょう。そうすることで、子どもはまた親の愛情を確認し、安心することができます。「一緒にいてくれてありがとう」と、感謝の気持ちも伝えましょう。

家事も育児も適度に手を抜き、工夫して両立を

どちらも完璧にこなそうとしていると、イライラしてしまうことが多くなりがちです。肩の力を抜いて多少のことには目をつぶることも大切です。

家事はほどほどに
子どもの相手をしながら食事のたびに洗い物をしたり、洗濯物を全てきっちりたたんだりしていては疲れてしまいます。洗い物は一日1回に減らすなどして習慣を見直し、負担を減らしましょう。ご飯もレトルトや冷凍食品を取り入れたりして手抜きします。家事を思う存分にこなしたいからといって、子どもにテレビやスマホをずっと見せていては本末転倒です。こうした機器は、ここぞというときだけ使う手段にしましょう。

育児書は参考程度に
書いてあるとおりになっていなくても、心配しすぎることはありません。成長には個人差がありますから、他人と比べず、大らかな目で見守りましょう。飲んだミルクの量をミリ単位で記録したり、離乳食を毎回何グラムか量ったりする必要はありません。そのことで疲れてしまっているのであれば、ちょっとお休みしてみましょう。赤ちゃんや子どもには、安心できるママやパパの存在があればまずはそれでよいのです。
迷うこともあるかもしれませんが、育児に答えはありません。人生の先輩でもある親からアドバイスをもらったり、最近の新常識を学んだりしながら試行錯誤して、少しずつ親になった実感が沸き、自信がついていくものです。

ときには子どもから手を放す
子どもの一挙手一投足に心配して手を出していては、親も疲れますし、子どもも自分であれこれ試してみる機会がなくなってしまいます。赤ちゃんのときにはたっぷり手をかけて、できることが増えてきたら自分でいろいろやらせてみましょう。小学生の宿題を親が必死になって急かしたり、監督したりする必要もありません。質問されたときに答える程度でよいのです。生活や遊びの中でさまざまな間違いや失敗をしながら、子どもが学んでいくのを見守ってみましょう。

仕事と育児の両立のポイントは?

【ポイント①】支えてくれる人やサービスを確保する
子育て中は、親一人はもちろん、夫婦二人がいても行き詰まることはあります。自分や夫の親や友人など、頼れる人とは日常的に連絡を取り合うようにしましょう。とくに、近所に子どもを預け合ったりできる友人や家族がいると心強いものです。そうした人がいない場合には、行政や民間の託児サービスや家事代行サービスなどもあるので、費用や条件などを調べておきましょう。食材や生活用品の宅配なども利用すると便利です。

【ポイント②】夫婦で家事分担をする
家事をシェアするとだいぶ楽になります。ただし、「お風呂掃除はパパ」「洗濯はママ」など家事の種類ごとに分担を決めるとストレスが溜まりがちです。お互いにコミュニケーションを取りあって、できることをできるときにやって気持ちよく過ごせるようにしましょう。洗濯物ひとつをとっても、「洗う」「干す」「取り入れる」「たたむ」など、家事にはいくつかのステップがあります。途中で子どもが泣いたらもうひとりが作業を引き継ぐなど、臨機応変に対応しましょう。

執筆者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

監修者:株式会社 とらうべ
助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの医療職や専門家が在籍し、医師とも提携。医療や健康、妊娠・出産・育児や女性の身体についての記事執筆や、医療監修によって情報の信頼性を確認・検証するサービスを提供。

2019/01/01

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この記事の監修/執筆

保健・衛生・妊娠・育児コンサルタント株式会社とらうべ