ママサポーターズ(女性の仕事・働き方)

2016/04/19

ママ社員主導の女性が働きやすい環境づくり 楽天×イクシル

この記事の監修/執筆

イクシル編集部

ママ社員主導の女性が働きやすい環境づくり 楽天×イクシル

近年多くの企業が「女性の活躍」に向けて取り組んでいます。しかし実際にどのような制度があり、また働いているママ社員・女性社員は何を思っているのでしょうか?「ママサポーターズ」ではそのような疑問を解消してゆくべく、女性の活躍について先進的な取り組みをしている企業とその利用者の声についてご紹介をしていきます。

【今回の取材企業】
楽天株式会社
グローバル人事部/ダイバーシティ推進課 課長 牛山典子(うしやま のりこ)さん(写真左)
楽天株式会社
楽天市場事業/PR推進部 メディア開発グループ サブマネージャー 中西敬子(なかにし けいこ)さん(写真右)
【インタビュアー】
イクシル編集部 福井菜緒

女性だけでなく外国人に対しても働きやすい環境を整備している楽天株式会社。多様化を推し進めている楽天株式会社では、一体どのような環境が整えられているのでしょうか?ママたちはどのような働き方をされているのでしょうか?イクシル編集部が直撃しました。

女性?男性?日本人?外国人?いえ、関係ありません。平等です。

福井:どれだけの数の女性あるいは外国人の方が働かれているのでしょうか?

牛山:楽天株式会社単体では約5,000人の社員がいる中で、約4割が女性社員となっております。また、外国籍社員は約2割で、国籍でいうと約70ヶ国の方々が活躍されています。女性社員の割合としましては、性別を分け隔てなく採用しているので4割程度を維持しています。新入社員の場合、採用の男女比は5:5となっています。創業当初から女性社員がとても活躍をしている会社でして、管理職の女性の割合も18%です。

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福井:新卒採用が5:5の男女比というのは他社と比べると珍しいことかと思うのですが、そのような基準を設けられているのでしょうか?

牛山:いえ、女性を多く採りましょうというよりは、優秀な学生に集まってもらってその結果ちょうど同じ割合となっていますね。職種もITなので、テクノロジーを使って女性も働きやすい環境が整えられていると思います。

常に「その人らしく」働ける会社へ。復職後もその人らしく。

福井:多様化を今後推進されていく背景に関してお伺いしてもよろしいでしょうか?

牛山:楽天の考え方としては、いわゆる国籍やジェンダーなどではなく、それぞれが持っている能力を活かして「その人らしく」働ける会社を目指しています。女性の場合、出産を経験する場合もあり、そういった人生のライフステージに捉われずに能力を発揮する環境を作るというコンセプトのもとやっておりますので、そのためのサポートを会社としても行っています。出産し、育休を取得すると、キャリアが止まってしまうと一般的には言われていますが、出産を出来るだけキャリアにマイナスとして捉えられないように、例えば社内託児所を設置して早期復職支援を行ったり、研修など他のメンバーと同じ成長機会が得られるように環境を整備しています。

福井:休職中に仕事にキャッチアップする仕組みがあるのでしょうか?

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牛山:今まではゆっくりとお子さんと家族の時間を取っていただくということにしていたのですが、今は希望すれば会社の情報を随時取れる環境に変えています。後は先輩のママたちがボランティアで、毎月ニュースレターという形で、産休中のママ・パパに会社の情報を送っていますね。IT業界は1年の動きが非常に激しい業界なのですが、こう言ったニュースレターなどを通じて情報にキャッチアップできる環境を整えています。

福井:レターという形以外に、リアルの場で情報を得る機会はあるのですか?

牛山:復職前セミナーを行っております。つい先日、4月に復職される方の復職前セミナーを行ったのですが、会社の現状を伝えるとともに、初めてのお子さんを出産された方だと仕事と育児のバランスに不安を感じている方も多いので、仕事と育児をすでに両立している先輩社員から「どういう風にバランスを取っているのか」「1日の時間をどのように使っているのか」などを、1日の本当に具体的なスケジュールを公開しながら生の声を伝えていく場としています。そうすることで、仕事と育児に対する前向きな気持ちを持っていただければと思っています。

福井:休職前セミナーも実施されているのですか?

牛山:はい、そうですね。毎月休職に入られる方々に対しては休職前セミナーも実施しています。会社の情報はどのように渡されるのか、復職前に必要なことや復職のタイミングなど、休職について不安に感じるような点に関してお話しさせていただいております。

社内託児所にもダイバーシティ!楽天ゴールデンキッズ

福井:先ほども少しお話に出ましたが、社内託児所に関してお伺いしてもよろしいですか?

牛山:社員がとてもグローバルということもあり、お子さんも非常に多国籍です。この状況に合わせて、言語の問題もあるので、社内託児所では英語ネイティブのスタッフの方や海外での経験のある日本人の方も所属されていて言語も日本語と英語が飛び交う環境になっています。あとは、多国籍のイベントも多く開催しています。色々な国の方々がおられるので、託児所でもその国の食事を食べたりその国の祝日を祝ったりするイベントを行っています。小さい頃から周りに色々な国の子供がいたりするので、お子様にとっても非常に良い環境だと思います。家で少し英語を話すようになったお子様もいるそうですよ!

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福井:お子様の英才教育にもつながりそうですね!この楽天本社、クリムゾンハウス内にあるのですか?

牛山:はい、楽天クリムゾンハウス アネックスという、すぐ横の建物ですね。なので、熱が出た場合とかでもすぐに向かうことができて安心ですね。そこで持参した朝ごはんを一緒に食べることも可能ですので、仕事をしつつもお子様と過ごす時間も確保することができます。

福井:病児保育などのサービスもあるのですか?

牛山:はい、そうですね!ただ、その託児所の中に病児保育のサービスがあるわけではなくて、会社として他社様と契約させていただいていて、入会金等の費用を会社が一括して負担しているという形になっています。実費のみ負担となりますので、社員は必要なときに利用するサービスです。お子様が突然風邪を引いたりしても、どうしても抜けられない時ってあるじゃないですか?そういった時に、病児保育を使っていただいたりしていますね。

福井:そういった保育サービスも仕事時間に合わせた利用が可能なのですか?

牛山:社内託児所は、延長時間を含めると朝7時30分から夜8時まで利用することが可能です。定時で帰る方が多いんですけれども、仕事の都合でどうしても残らなければいけない時などは延長保育が可能です。また、その場合は、子どもの晩ごはんやお風呂をお願いできます。そうすることで、仕事終わりが遅くなった時でも、帰ったらあとは寝るだけの状態になるので、ママ・パパ社員の負担を軽減できているのではと思います。その他にもオムツや着替えを託児所が準備しておくことで、働くママ・パパ社員にとって出来る限り便利な環境を意識した運用となっています。

ママの声を制度に!有志の集まりからスタートした環境づくり

福井:他に育児支援はどのような支援を行っておられるのですか?

牛山:そうですね、今年始まる取り組みなのですが、託児所だけではなく社内に搾乳室を今作ろうとしています。母乳で育てられる方は、次の日に保育所に持って行く母乳を前日に搾乳して冷凍しておかなければいけないのですが、中々場所がなく搾乳ができないということで、社内に搾乳と冷凍が出来る部屋を設けることにしました。それによって、いつでも母親が母乳を準備出来る環境を整えていきます。

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非常に女性の実生活に根ざした取り組みが多いと感じたのですが、それはこう言った施策を考えるチームに女性の方々が多いからでしょうか?

牛山:実はダイバーシティ推進課は去年9月に立ち上がったばかりなのですが、その2年前より楽天の中で出産を経験した先輩社員たちが、「Rakuten Family Empowerment Club」というものを形成しまして、今は120人ほどのお父さんお母さん、そしてこれからお子さんをお持ちになる方々が所属しています。そこにいろんな声が集まってくるんですよね。そこで彼らがボトムアップで2年間かけて積み上げてきたものが大きく広がっていったという経緯があり、会社としても制度面に落とし込むべきだと考えたことが我々の部署の発足につながっています。

福井:ボトムアップで生まれたものなのですね!今回制度活用者・ママを代表して参加して頂いている中西さんも初期の取り組みに参加されていたのでしょうか?

中西:はい。始めはFacebookなどから始まりました。先輩社員の方に育児や出産の悩みを質問したり、役立つ情報を共有したり、非常に有難かったです。「こんなことまで教えてくれるの?」といったところまで親切にサポートしてくださる社風が整っていましたね。

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牛山:気軽に頼れる社風がありますよね。あとは、最近やはり外国籍の家族が増えてきたこともあり、日本独自の保育所事情を外国籍の方々に共有し助け合っていく場としても育っています。

福井:こういった様々な施策の中で、最も重視されている観点は何ですか?

牛山:働く母親は、社員・妻・母親といった様々な顔を持っていて、その中でそういう風に時間をうまく使ってもらえるか、どういう風に負担を取り除いてより仕事にも集中していただけるか、そこに会社としても重点を置いてサポートしています。あとは、希望に応じて、女性だからママだからと言って周りと区別しないことを重要視しています。例えば、お子さんがいる女性でも海外赴任を伴う役職に就く機会も設けています。男女問わず、機会は平等であるべきで、そこから先を自分の力でどのように勝ち取っていくかが重要だと考えています。

先輩ママの心強さ。つながり、支え合う環境

福井:社内のどのような点が子育てをしていく上で心強かったですか?

中西:まずは妊娠後、早々に人事に相談したところ、これからのキャリアに関する面談を早急に設定してくださったことは非常に安心しました。休職前後にセミナーを開催してくださったり、ニュースレターを送ってくださったりと、産休・育休という期間でも会社との関係性を維持していく配慮をしてくださいました。

中西:あと、私の場合は、保活が上手くいかなかったんですよね。会社に戻れずにこのまま辞めることになるかもしれない状況になってしまいまして、その時に先ほどありました先輩ママ社員に相談したところ、当時スタートしたばかりの楽天で利用契約枠を持つ託児施設に入れてもらうことが出来ました。先輩社員の方々のおかげで、自分のキャリアを止めることなくまた職場に戻ってくることが出来ました。託児所に繋いでいただいたことももちろんですが、精神的なサポートをしていただいたことが非常に有難かったです。復職後については、楽天は非常に復職率が高く(97%)、ママ社員が非常に多いこともあり、小さな悩みも気軽に打ち明けられる社員のつながりがあるので、大きな問題になる前に日常的に問題を解決することができます。こういった環境がママが働く上で非常に重要なのではないかな、と思いますね。

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福井:出産前後で大きく変わった点と、それをどのように乗り越えられたかをお伺いしてもよろしいでしょうか?

中西:やはり、時間の制限がかかる点が大きく変わりました。仕事においては働く時間を増やして解決することができなくなり、どう仕事の質を上げるかを考えるようになりました。育児・家事については、先ほどの復職セミナーで先輩社員の方のアドバイスに基づいて、家電を揃えるようにしました。例えば、ロボット掃除機や乾燥機付き洗濯機といった時間を生む家電を購入しました。家事は100%を目指してやり切るというよりは、道具を使うなどして、やることとやらないことをはっきりさせたということですね。

ママもチャレンジするのが当たり前!チャンスが得られる環境

福井:子育てと仕事の両立の上でよく影響した環境はありますか?

中西:「ママだから…」というフィルターがかかることがほぼない点が非常に有難いですね。その人自身とその人の仕事の結果を見るスタンスが徹底されているので、ママ=ネガティブということは本当にないです。逆に良い意味でプレッシャーですね(笑)「仕事の時間が制約されるのだったら、働き方や濃さをもっと工夫してみてね」という考え方です。出産したからといって、これまで自身が積み上げてきたものが急に方向転換するのではなく、積み上げたキャリアはそのままで同じように会社に貢献していくことができるという意味で働きやすいですね。

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HAPPYに働くために会社とともに制度や環境をつくる

福井:世の中の女性に向けたメッセージをいただけますでしょうか?

中西:私の子供には前を向いて働いている自分を見て、良い影響を受けて育ってほしいと考えているので、今は「仕事を楽しむ」を目指して働いています。せっかく働くのであれば、楽しくHAPPYに働くべきだと思います!会社だけじゃなくて、働くママでどんどんコミュニティーが繋がっていく時代になっているので、自分もそういう場所で先輩ママとしてできることがあるのであれば頑張っていきたいと思っています。

牛山:女性は声にしないことが多いと思うんですよね。会社としては、「こういう制度が欲しい」などの働く女性の声を待っていますので、どんどん声を発して会社とともに作っていくくらいに考えていて欲しいなと思います。声にすることで、会社を良くしていくことができるので、声に出してもらえる環境づくりもしたいと思っています

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編集後記

日本有数のダイバーシティ推進企業である楽天株式会社。取材当日もエントランスでは多くの外国人社員や女性社員の方々が行き来していました。楽天株式会社では様々な社員主導の取り組みが存在し、環境を自分たちで作っていく姿勢が見受けられました。それ故か、ママの実生活に根ざしたサポート環境が整えられていたように感じます。最後の牛山さんのメッセージにもある通り、女性が働きやすい環境を作っていくためには女性自身が声を発していく必要があるのかもしれませんね。

(インタビュアー:イクシル編集部 福井菜緒 / 編集:イクシル編集部 薮大毅)


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