授乳方法

一晩中起きない3ヶ月の赤ちゃん…起こして授乳したほうがいい?

赤ちゃんの夜泣きで何度も起こされて大変という悩みはよく聞きますが、赤ちゃんが一晩中眠り続けているというのも悩みのタネ。夜泣きで寝不足のママからすれば羨ましいと思うかもしれませんが、あまりにも寝すぎていると「脱水症状を起こしたらどうしよう」「ひょっとして赤ちゃんに病気があるのでは?」と心配になりますよね。
今回は、赤ちゃんの睡眠や病気との関係、起きない赤ちゃんの対処法についてご紹介します。

新生児の睡眠時間

1ヶ月〜1歳までの睡眠の変化とお昼寝の量

生まれて間もない赤ちゃんは1日16~18時間も眠っています。まだ体内時計が機能していないため大人のように夜にまとめて寝ることはなく、3時間おきに目を覚ましては母乳やミルクを飲むという生活です。
生後3~4ヶ月頃になると昼夜の区別がつきはじめ、夜に寝ている時間が長くなり夜の入眠時間もほぼ一定となります。生後6ヶ月頃にはお昼寝が午前と午後の2回になり、1歳を過ぎる頃には1回に減る赤ちゃんが多いです。
また、人はレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)を繰り返して眠っていますが、新生児期の場合はその間隔が短いうえに、睡眠全体の約50%をレム睡眠が占めています。成長とともにレム睡眠の割合は減っていきますが、赤ちゃんがちょっとしたことですぐ起きてしまう理由の一つは、浅い眠りの時間が多いためです。

母乳とミルクでの睡眠の違い

粉ミルクは母乳に近づくように作られていますが、その成分は若干異なるものです。
粉ミルクには母乳には一切含まれない「β-ラクトグロブリン」というたんぱく質の一種が含まれています。このβ-ラクトグロブリンは消化吸収に時間がかかるため、母乳に比べて腹持ちが良いと言われています。そのため、寝る前に粉ミルクをあげると赤ちゃんもぐっすり眠れることが多いようです。
一方、母乳には「メラトニン」という睡眠誘導物質が含まれています。母乳は1日の中でも時間によって成分が異なり、メラトニンは夜間に含有量が多くなるため、夜にメラトニンを多く含んだ母乳を飲むことで睡眠が促進されるという効果があります。しかし、このメラトニンはママの状態(睡眠時間が少ない・ストレスを抱えている・生活習慣が乱れているなど)によって分泌量が減少してしまいます。
母乳と粉ミルクでは成分が異なるため、睡眠にも影響すると考えられます。赤ちゃんの夜間の睡眠には母乳に含まれるメラトニンが重要なため、ママも心身ともに良い状態を保てるようにしましょう。そのためにも、母乳育児にこだわりすぎず粉ミルクを上手に活用することをおすすめします。

寝すぎていると困る?病気との見分け方

「寝る子は育つ」という言葉があるように、睡眠中は子どもの成長に欠かせない成長ホルモンが分泌されるため、赤ちゃんがよく眠ることは悪いことではありません。生後3〜4ヶ月を過ぎると全体の睡眠時間も徐々に短くなっていきますが、睡眠の時間や回数はそれぞれの赤ちゃんで異なるため心配しなくても大丈夫なケースがほとんどです。
ただし、赤ちゃんに元気がない・常に眠たそうにしている・発熱している・体重増加が順調でないなどの場合は病気が隠れている可能性もありますので医師に相談するようにしましょう。

発達障害や新生児黄疸の可能性

・発達障害の可能性

発達障害とは脳の機能的な問題が原因で、発育や成長に遅れなどが生じるものです。発達障害には学習障害、自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)などが含まれ、その症状の一つとして睡眠障害が現れることがあります。寝すぎる(過眠)ケースもあれば、寝つきが悪く何度も起きてしまうケースもあり、睡眠のリズムが安定しないという特徴があります。
しかし、赤ちゃんが寝すぎる/目を覚ましすぎるというだけで発達障害と確定することはできません。体質や性格による場合がほとんどですが、成長していくなかで目が合わない・無表情・集団行動が苦手・じっとしていられないなどの気になる症状があれば、医師に相談するようにしましょう。

・新生児黄疸の可能性

黄疸は血液中のビリルビンという値が高くなることで現れ、新生児はビリルビンを処理する機能が未熟なために発症します。生理的黄疸はほとんどの新生児に起こるもので、生後2〜4日目に現れ1〜2週間以内に消失します。黄疸の症状が強い場合、回復しようとして睡眠時間が長くなる傾向があるようです。
黄疸が現れることは珍しくありませんが、生後24時間以内に現れる・生後3週間以上続く・急速に黄疸が悪化する・発熱や呼吸困難などがある場合は注意が必要ですので、病院を受診しましょう。

夜泣きしないのはなぜ?

夜泣きとは?

夜中に泣いたからといって、その全てが夜泣きということではありません。昼夜の区別がつかないうちは、お腹がすいたりオムツが汚れたりすれば夜中でも泣きますので、これは正常な反応といえるでしょう。夜泣きとは、オムツ替えをしたり授乳したりしても泣き止まない、抱っこしてあやしても寝ようとしない状態が何日も続くことをいいます。
夜泣きの原因はわかっていませんが、生活リズムの乱れ、日中に起こったことが印象に強く残っている、夢と現実の区別がつかない、怖い夢をみた、目が覚めた時にママが側にいない、寝る前との環境の違いに混乱しているなどが考えられます。

夜泣きが始まる時期

夜泣きが始まる時期は一般的に6ヶ月〜1歳頃が多く、早くて3ヶ月頃から始まる赤ちゃんもいるようです。赤ちゃんは夜泣きするイメージがあるかもしれませんが、全ての赤ちゃんが夜泣きするわけではありません。夜泣きがない赤ちゃんもいれば、突然3歳位で夜泣きが始まる場合もあるようです。それぞれの赤ちゃんで異なりますので、成長を見守りましょう。

夜泣きしないけど起こした方がいい?

赤ちゃんの成長に問題がみられない場合、ぐっすり寝ている赤ちゃんを無理に起こしてまで授乳する必要はありません。赤ちゃんが起きたときや、寝る前にしっかり授乳するようにしてください。
ただし、次のような場合は起こした方がいいと考えられるため、赤ちゃんの状態をみて判断しましょう。


・体重が順調に増加していない
生後0〜3ヶ月の赤ちゃんは1日約30gの体重増加が一般的な目安。睡眠時間が長いと授乳回数も少なくなりがちです。起きているときに母乳やミルクをしっかり飲んでいれば問題ありませんが、赤ちゃんの体重増加が順調でない場合は起こしてあげて授乳しましょう。

・おしっこの回数や量が少ない
赤ちゃんが長時間眠っている場合、脱水症状に気をつけてください。通常、赤ちゃんのおしっこの回数は生後0〜6ヶ月で1日15〜20回ほど、生後6〜12ヶ月で10〜15回ほどと言われています。新生児のおしっこは1回で5〜20mLとほんのわずかですが、成長とともにおしっこ1回の量は増え回数は減っていきます。お昼間に半日以上おしっこが出ていない、おしっこの量や回数が少なすぎるといった場合や唇がカサカサと乾燥している場合は脱水症状の心配がありますので、起こして水分補給してあげましょう。

起きない赤ちゃんのお世話の仕方

赤ちゃんを起こす方法

赤ちゃんの状態をみて起こした方がいいと判断した場合、次の方法を参考に優しく起こしてあげてください。


・声をかける
・オムツを替える
・唇におっぱいを近づける
・水で濡らしたガーゼで顔をふく
・足裏をくすぐり刺激する
・掛布団を外す
・カーテンや窓を開けて室内環境を変える
夜中の母乳の与え方

抱っこして授乳するのも一つですが、夜間は楽な体勢で授乳できる添い乳でも良いでしょう。添い乳とは、ママが横になった状態で起き上がらずに授乳する方法のことです。暗い夜中に布団から出る必要がなく寝かしつけたまま授乳できるため、ママにとっても楽な授乳の方法です。しかし、添い乳の最中にママが寝てしまうと、赤ちゃんの上に覆いかぶさって鼻や口を塞ぎ窒息してしまう恐れがありますので注意が必要です。また、ママが寝てしまうと赤ちゃんはげっぷせずに寝ることになりますので、授乳後のげっぷを忘れないようにしましょう。

夜中のオムツの替え方

最近の紙オムツは機能が向上していて、一晩中オムツを替えなかったとしてもオムツかぶれなどのトラブルは起きにくくなっています。もし夜間にオムツを交換する際は、ママの手やおしり拭き、オムツが冷たいと寝ている赤ちゃんはびっくりしますので、ある程度温めてから交換してあげましょう。夜間は暗く見えづらいため必要なものは事前に揃えておき、次に紹介する授乳ライトを活用しましょう。

夜間のお世話には授乳ライトが便利

夜にお世話するときに手元が暗いと困りますが、突然部屋の照明をつけると家族を起こしてしまうし、赤ちゃんにも刺激が強いですよね。夜間のお世話には「授乳ライト」がオススメです。明るさも適度で点灯しやすく、赤ちゃんが触っても安心な形状になっているなど工夫が凝らされています。育児中は枕元に一つ置いておけば便利です。さまざまな特徴や形状のものが販売されていますので、使い勝手が良いものを選び、育児しやすい環境を整えましょう。

生まれたばかりの赤ちゃんは睡眠リズムが確立していません。睡眠時間には個人差があり長時間寝続ける赤ちゃんもいますので、一般的な睡眠時間を超えていても元気な場合は心配しすぎる必要はないでしょう。
基本的には起こしてまで授乳する必要はありませんが、体重の増加がみられない、おしっこの回数や量が少なすぎるといった場合は、工夫して夜中にも授乳してあげるようにしてくださいね。

参考
・厚生労働省:
こころの健康や病気、支援やサービスに関するウェブサイト「みんなのメンタルヘルス
・デジタル医学事典「MSDマニュアル家庭版」:23.小児の健康上の問題
・花王:Merriesホームページ
・太田英伸ら:胎児・新生児の眠りの発達(ベビーサイエンス2016 vol.16/日本赤ちゃん学会)


2018/11/14

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