ママサポーターズ(女性の仕事・働き方)

2016/04/22

多様化推進に向けた取り組みで仕事も育児も自分らしく!JT×イクシル

この記事の監修/執筆

イクシル編集部

多様化推進に向けた取り組みで仕事も育児も自分らしく!JT×イクシル

近年多くの企業が「女性の活躍」に向けてダイバーシティの推進に取り組んでいます。実際には、どのような取り組みを行っており、働いているママ社員・女性社員は何を思っているのでしょうか?「ママサポーターズ」ではそのような疑問を解消してゆくべき、女性の活躍について先進的な取り組みをしている企業とそこで働く社員の声をご紹介していきます。

【今回の取材企業】
日本たばこ産業株式会社
多様化推進室主任の近衛詩織(このえ しおり)さん
【インタビュアー】
イクシル編集部 福井菜緒

今回インタビューさせて頂いた近衛さんは、過去に自身が仕事と育児の両立に悩んだ経験から、性別やその時々の状況に関わらず、一人ひとりが活躍できる職場づくりをしたい、ライフイベントを控えている後輩社員のロールモデルになりたいと考えるようになり、現在、多様化推進室で邁進されている方です。
先日、「新・ダイバーシティ経営企業100選」及び、「なでしこ銘柄」のダブル受賞を果たした、JTにおける女性の活躍に向けた取り組みとはどのようなものなのでしょうか?近衛さんの実体験と共にJTの女性活躍推進をご紹介していきます。

DSC00539_L

スピード感のある改革!2013年に女性活躍推進本格化

福井:現在、所属されている「多様化推進室」は、どのような背景から発足したのでしょうか?

近衛:これまでも人事部の中でプロジェクト化して女性社員の活躍は進めてきたのですが、2013年7月から専担組織「多様化推進室」を設置し、女性の活躍推進を含む、多様化(ダイバーシティ)の推進に取り組んでいます。
発足の背景には、現在の社長が社長就任時に
「人財の多様性はイノベーションの創出に繋がる」
とし、多様化の推進を経営課題として掲げたことが挙げられます。そして、多様化推進の第一歩として女性の活躍推進に全社的に取り組むこととしました。

現在、多様化推進室では「成長支援」、「意識改革」、「環境整備」を柱に、「意欲ある社員が能力を発揮できる“働きがい”のある会社/職場の実現」に向けて、様々な施策を実施しています。 2013年を「女性活躍元年」として、女性本人に対する取り組みを開始し、2014年には、本人だけではなく、上司をはじめとする周囲者向けの研修やセミナーを実施しています。そして2015年には、仕事と家庭の両立支援制度の拡充やテレワークの試行開始、管理職向けにイクボス施策を展開するなど、女性社員だけではなく、多様な人財の活躍に向けて、働き方の改革に向けた取り組みを進めてきました。2016年も、これまでの取り組みを更にブラッシュアップし、多様な人財の活躍を進めていきたいと考えています。このように、当初は女性活躍からスタートし、現在は、女性社員も含めた「多様な人財の活躍推進」というフェーズに入っています。

DSC00489_L

福井:2013年から現在までの3年間のあいだにとても多くのことにスピード感を持って取り組まれていますね!

国内最高水準の制度拡充により、一人ひとりが自分にとって最適なワークスタイルを選択可能に

福井:まず、仕事と育児の両立支援に関する制度についてお聞かせ頂けますでしょうか?

近衛:従来から法定以上かつ柔軟性のある制度を整備しており、“働きやすさ”を実現してきました。2015年4月に大幅に拡充し、これまでの“働きやすさ”に“働きがい”の観点を加え、育児をしながらも、仕事を通じた貢献/成長を目指す社員をより支援する制度内容としました。 例えば、「早期支援復職休暇」は子が1歳に達する前に復職したとき、1歳までの月数に応じて、月あたり2日の有給休暇が付与される制度で、これは定期健診や予防接種、子の看護に限らず、社員のリフレッシュなどにも利用できます。
他にも、仕事上の都合により、認可外保育所や延長保育、学童保育、ベビーシッターを利用せざるを得ない社員に対して、経済的支援をする補助制度があります。認可外保育料は年間84万円(※認可保育料5万円の場合。)、延長保育利用料及び学童保育利用料は年間24万円、ベビーシッター利用料は年間96万円を上限に補助を受けることができます。また、子が小学校を卒業するまでの間、育児の都合に合わせて、始終業時刻を自主的に決定することができる、フレックスタイム制や、遅出/早帰りの合計が2時間以内で、本人が希望する時間、短時間勤務ができる制度もあります。
これらの制度は適用期間内であれば、何度でも変更・取得が可能であり、男女共に利用することができるため、一人ひとりの社員が状況に応じて、多様なワークスタイルを確立することができるようになりました。

福井:近衛さんはどのような制度を活用しているのですか?

近衛:私も2歳の子供がおりますが、現在フレックスタイム制を活用しており、国内・海外出張時や繁忙期でどうしても残業をしたい時には、延長保育利用料補助の制度活用と夫の協力により、産後も変わらず仕事を楽しむことができています。

DSC00522_L

福井:たくさんの制度があるようなのですが、社内では浸透しているのでしょうか?

近衛:そうですね。制度拡充時には、新規で制度活用コンセプトブックを制作し、またガイドブックも刷新して配付しました。
制度の取得状況ですが、フレックス制は意外にも、取得者の構成を見てみると男性社員の方が多い状況です。保育園登園時の送りを男性社員が担当し、迎えを奥様にお願いするという方が多く、男性の育児参加が進んでいることを実感しています。また、昨年より制度の理解促進及び、活用しやすい職場作りに向け、イントラサイト内で制度を活用しながら仕事と家庭を両立している社員を紹介するコンテンツを立ち上げました。

イントラ内多様化推進サイト「はたらしく。」で多様化推進に向けた意識改革

近衛:イントラサイト内における多様化推進サイト「はたらしく。」にて、経営トップによる継続的なメッセージ発信や、多様な価値観の受容や制度理解の促進に向けたコンテンツなど多様化推進に向けた意識の醸成を図っています。

福井:「はたらしく。」とは?

近衛:はい。「はたらしく。」は、「私らしく、あなたらしく、JTらしく… 自分らしい働き方を提案し、サポートする多様なワークスタイルの情報サイト」という位置づけのもと、名づけられました。

DSC00473_L

朝・夕(ゆう)メールで業務効率化とチーム力向上

近衛:多様化推進室では、「朝メール」と「夕メール」により業務効率化を図っています。 出社時に1日の業務予定を立て、終業時に1日を振り返り、時間の使い方や業務進捗等を自分に対してだけではなくチームメンバーに対しても「見える化」しています。
これは、自身の1日の時間の使い方や業務の進め方を改めて振り返ることができ、業務効率に繋がっています。また、息子の体調不良などで保育園から、お迎えの連絡があった際にも、チームメンバーそれぞれの業務状況がわかるので、引き継ぎがスムーズに行えます。
メンバーの中には、土日にあった出来事など、プライベートな情報を共有している方もいて、コミュニケーションの活性化にも繋がっていると思います。

福井:「はたらしく。」のコンテンツでもあるように、経営トップの方がメッセージを発信するのは社員の意識変革に繋がりそうですね。

DSC00550_L

多様性を活かす組織づくりに向けた、イクボスの育成

福井:管理職のワーク・ライフ・バランスへの意識はいかがですか?

JTでは、2015年より、役員をはじめ、本社勤務の管理職を対象に“イクボス実践セミナー”を開催しています。今年は、全国の事業所にいる管理職にも展開する予定です。
「イクボス」とは、職場で共に働くメンバーのワーク・ライフ・バランスを尊重し、その人のキャリア・成長と人生を応援しながら、組織の業績を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司のことを指します。
JTでは、“イクボス”を通じて、対話を重視した職場環境・風土づくりを目的に取り組んでいます。

育休取得中に変化した、仕事への価値観

福井:産前は、ワーキングママとして働いている姿が想像できなかったとのことですが、産前産後とで働く意欲に変化はありましたか。またビジネスパーソンとしての将来像は?

妊娠が発覚した時、
「仕事と育児の両立は難しそう・・」
「今まで通り働くことはもうできないのかな・・」
「キャリアは諦めて育児に専念する道しか残っていない」
などと不安が大きく、真剣に悩みました。
しかし、育休中、夫や母親に悩みを話すたびに、産後も仕事を楽しみたい!という思いが強くなり、「産後も仕事を楽しむために何ができるのだろう?」と前向きに考えるようになりました。

現在、多様化推進室で育児支援施策の他に、研修やセミナーの企画や広報業務などを担当しています。育児支援施策では、自信の経験を踏まえ企画することができるので、熱意をもって取り組んでいます。
復職後も、過度な配慮をされることなく、責任のある仕事を任せてもらえたり、国内外の出張の機会を与えてもらえたりしたことが、産後のモチベーション向上に繋がりました。上司には大変感謝しています。
また、産後も仕事が充実していることをよく家庭でも話しているため、夫には「僕も時間を上手に使い、仕事と家庭を両立しなきゃ!」と、自然と刺激を与えているようです。(笑) 夫もとても協力的なので、集中して仕事をしたい時や出張に行きたい時には、上司に話して調整を図ってもらっています。更に、育児をしながら働いている、海外出張に行っていると夫の会社の上司も知ることで、「じゃあ、協力してあげなさい!早く帰りなさい!」と、夫に声がけをしてくれて、良い連鎖が続いていたのでそこはすごくよかったなぁと思っています。

DSC00498_L

苦労した点は、やっぱり子どもの急な発熱時などはチームメンバーに対して、申し訳ないと感じます。でも、限られた時間の中で今まで以上のパフォーマンスを発揮しなきゃいけないという環境は私にとって良いプレッシャーになっていて、それがモチベーションにも繋がっているのかなと思います。業務効率も産後の方が上がった実感がありますし、残業している男性社員には負けたくないって思います。(笑)
限られた時間の中でより高い成果を出すことで、周囲にも時間意識を高めてもらえたら嬉しいです。

将来像は、会社では若手社員に希望を与えられるようなロールモデルに、家庭では息子と夫に尊敬されるワーキングママになりたいです。

ワーキングママこそ、活躍できる!

福井:最後に仕事と育児の両立に悩んでいる女性に向けて、アドバイス等をお願いします。

近衛:産後の女性はメンタルが強く、育児は、タイムマネジメントスキルや生産効率が向上すると思うので、出産・育児を機にキャリアを諦めることはもったいないです。
実際、最近では各社でも女性社員が考えたイノベーティブな商品がヒットしたという例も身近にあり、女性がしっかり認められ、活躍できることが証明されているかと思います。

また、復職後は、意外にも仕事が息抜きになり、特に昼休憩の1時間は私にとって貴重なひとときです。育休中は、ゆっくり食事をすることなんてできませんでしたから。それに、育休中はお洒落を楽しむことからもかけ離れていたので、明日は何を着ていこうかな・・と考えるのも毎日の楽しみのひとつになっています。
仕事が終わり、会社を出た瞬間、ママスイッチが入り、「今晩の夕食は何にしようかな」「息子にもうすぐ会える!」と頭の中が切り替わり、これまで以上に子供との時間を大切にするようになりました。
会社と家庭と2つの顔があるからこそ、毎日充実した生活が送ることができていると実感しています。

DSC00490_L

編集後記

自らの経験を元に熱意を持ってより良い職場のために活動している近衛さんが印象的でした。JTのように仕事と家庭のどちらを優先しても安心して働き続けられる制度があれば、誰もが自分らしく働き続けられる職場環境が作られていくのではないでしょうか。また、イントラサイトや朝メール、夕(ゆう)メールのような仕組みを通して会社の至るところで個人の考えが共有されることで同社のようなスピーディな改革が可能になると感じました。
(インタビュアー、編集:イクシル編集部 福井菜緒)


  • このエントリーをはてなブックマークに追加