しつけ・教育

2016/04/29

働くママの大きな悩み、「小1の壁」とは

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部

働くママの大きな悩み、「小1の壁」とは

子どもは6歳になると小学校へ入学します。
家族にとって、それは生活がガラリと変わる出来事です。
親や子どもにとって、障壁となる事態も起こる…、
これをいわゆる「小1の壁」と呼んでいますが、近年では内容にもある変化が起きているようです。
詳しくみてみましょう。

働くママの悩み ~その1~
仕事への影響

共働き家庭においては、それまで保育園などで夕方まで、あるいは
延長保育を利用して比較的遅い時間帯まで子どもを預けられていたのが、
小学校に入った途端、13~16時ごろに帰ってきます。
また、夏休みなどの長期休みもあり、共働き夫婦の一方(ほとんどの場合は母親)の
仕事や家庭生活に、影響が出やすくなります。
学童保育に預ける道もありますが、それでも預かる時間は「18時まで」
というところが主体となっています。
さらに学童保育にも「待機児童問題」があり、全国学童保育連絡協議会の
平成26年調査によると、「学童保育の待機児童数は、潜在的待機児童を
含む推定で約40万人程度」とされています。
厚生労働省が公表した保育所入所待機児童数(平成26年10月現在)の
4万3,184人と比べると、学童保育の待機児童数(推定)はより深刻な問題といえます。

働くママの悩み ~その2~
質の向上が求めらている保育現場

小1の壁問題では、待機児童問題と保育時間ばかりに目が向けられがちですが、
学童保育の「質の向上」についても見逃せません。
厚労省では、「平成27年4月より放課後児童クラブ運営指針を新たに策定し、
国として放課後児童クラブに関する運営及び設備についての
より具体的な内容を定め、地方自治体に通知をした」としています。
この指針を見ると総則で「子どもの健全育成と遊び及び生活の支援」をうたっています。
この文面には「教育」という文字は入っておらず、あくまで保育の域に止まり、
もの足りなさを感じる保護者もいるでしょう。
一方で、運営については、「子ども数は40名以下、放課後児童支援員(=職員)は
2名以上」とされ、従来のガイドラインの「子ども数は最大70名、放課後児童支援員1名以上」
に比べると改善されました。

働くママの悩み ~その3~
勉強についていけない!?「小1の壁」

小学校低学年の子どもにとっては、「遊びも大事!」、「学年の異なる集団生活も大事!」、
「安心して過ごせる場所も大事!」、「宿題等をする時間も大事!」です。
夫婦共働き家庭にとっては、子どもを安心して預けられ、さらに子どもの学力向上も図れれば、
願ったり適ったりかも知れませんが、学童保育では「学習」に主眼が置かれていないため、
子どもの基礎学力の向上には期待できそうにありません。
未だ一部に限られますが、民間の学童保育施設と塾がコラボする例や私立小学校が
学童保育を手掛けるところも散見されはじめており、そこでは学習中心のカリキュラムも
一部取り入れられています。
子ども自身、勉強が好きになれずに学力が身につかないといった「小1の壁」も懸念されています。
教育に力を入れている幼稚園もあることから、小学校にあがった時点で周囲と
差ができてしまっていることに、焦りを感じる親もいます。
子どもの基礎学力の向上を図るためには、学習補助教材の購入や
塾や習い事で補うことが選択肢になります。
文科省の子どもの学習費調査(平成24年)によると公立小学校1年生の
補助学習費(塾代や通信教育教材費など)は月額7,250円程度、
その他学校外活動費(習い事やスポーツスクールなど)は月額9,000円程度、
合計で1万5,800円程度という調査結果でした。
ひと昔前までは、公立小学校に入学すれば子育て費用は減少するのが常でしたが、
共働き家庭では、学童保育にかかわる費用に加えて塾や習い事など、
負担が増加してしまう可能性が高まっているのです。
これからは、子どもを「預かる」だけでなく、幼児〜小学校まで一定水準の
「教育の質」を担保することも、国の『子育て支援策』の課題であると言えるでしょう。

<参考>
全国学童保育連絡協議会:学童保育の実施状況調査の結果
http://www2s.biglobe.ne.jp/Gakudou/2014kasyosuu.pdf
厚労省:保育所入所待機児童数(平成26年10月)
http://www2s.biglobe.ne.jp/Gakudou/2014kasyosuu.pdf
厚労省:放課後児童クラブ運営指針
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11906000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Ikuseikankyouka/0000080763.pdf
文科省:子どもの学習費調査(平成24年)
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/ 2014/01/10/1343235_3.pdf

<取材協力・監修プロフィール>

石村 衛(いしむら・まもる)
FP事務所:ライフパートナーオフィス代表ファイナンシャルプランニング1級技能士(CFP)
東洋大学卒業。メーカー勤務の後、FP事務所:ライフパートナーオフィスを
横浜市戸塚区に開設。
地域に根ざしたFP活動を志向し、住宅ローン、不動産・証券投資、保険、貯蓄・など
一般家庭のお金にまつわる様々なアドバイスを行っている。
お金に係わる出前授業を小・中・高校で実施。
また、高等学校の保護者会などで進学費用や奨学金・教育ローンの講演多数。
東京都金融広報委員会 金融広報アドバイザーとして活動中。

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