薬(処方薬・市販薬)

2016/05/19

妊娠中に副腎皮質ホルモン薬を使っても大丈夫なの?

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妊娠中に副腎皮質ホルモン薬を使っても大丈夫なの?

副腎皮質ホルモン薬は、いわゆるステロイド剤のことです。
副腎皮質ホルモンは副腎から分泌されるホルモンですが「ステロイド」と聞くと、
特に妊娠中の人からは副作用を心配する声が聞かれます。
ここでは、副腎皮質ホルモン薬を外用薬として使う場合を中心に解説します。

副腎皮質ホルモン薬とは?

副腎皮質ホルモン薬(ステロイド剤)は抗炎症作用が高く、免疫抑制作用や
抗アレルギー作用があるため、膠原病などの自己免疫疾患やアレルギー疾患などに使われる薬です。
治療効果が高いという利点の一方で、大量に使用することで感染しやすくなったり、
長期の服用によって副腎機能の低下が生じたり、副作用が多いことでも知られています。
そのため、副腎皮質ホルモン薬の服用は医師からの処方に基づき正しく使用することが重要です。

副腎皮質ホルモン薬を外用薬として使用する場合

副腎皮質ホルモン薬の外用薬は薬の強さによって分類され、種類は
Ⅰ群(最強)~Ⅴ群(弱い)の5つです。
使用に際しては、副腎皮質ホルモン薬は身体の部位によって吸収率が異なるため、
塗布する部位や重症度などよって使い分けています。
例えば、首より下の身体に使う場合はⅢ群(強い)の薬から選び、顔や陰部などの
吸収率が高い部位にはややマイルドなⅣ群(穏やか)の薬を選択するのが一般的です。
また、子どもに使用する場合、子どもは皮膚が薄いため薬の吸収率が高くなるので
大人よりも一段階低い薬を使います。

外用薬の妊娠への影響

副腎皮質ホルモン薬は外用薬として塗布した場合、皮膚から吸収される薬の量は極わずかです。
しかも、人間の副腎から分泌されるステロイドの量と比べてかなり微量のため、
妊娠中の赤ちゃんや母乳に対する影響はほとんどないといわれています。
お腹の赤ちゃんへの影響として心配されるのは、むしろ薬を使わないことによって
かゆみがひどくなり、不眠やイライラが増えることです。

副腎皮質ホルモン薬による奇形の可能性

副腎皮質ホルモン薬に奇形の可能性が指摘されるのは、器官形成期にある妊娠中のウサギに
薬を塗布した結果、胎児生存率が低下し、口蓋裂が認められたという研究に基づきます。
しかし、人間と動物では代謝や胎児の成長過程などの点に違いがあるため、
ウサギの研究結果がそのまま人間にも生じるかという点はハッキリしていません。
また、近年、外用薬として使用した母親の赤ちゃんが低体重の傾向があったと
イギリスで報告されましたが、アトピーや生活習慣などが関係した可能性も否定できないようです。

しかし、副腎皮質ホルモン薬を内服する場合、使用する量によっては胎盤を通過し、
赤ちゃんに届く可能性があるので影響がないとは言い切れません。
薬の種類や量にもよりますが、器官形成期といわれる妊娠16週(4か月)までは
副腎皮質ホルモン薬の内服はできるだけ避けた方がよいでしょう。
安全のためには、皮膚科をはじめ病院を受診したときに妊娠中であることを医師に伝えることが重要です。


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