妊娠中の悩み

胞状奇胎の原因・症状・治療は?赤ちゃんに影響があるの?

妊娠しても正常な妊娠ではなく異常妊娠の場合もあります。
中でも、絨毛性疾患のひとつに胞状奇胎があります。
胞状奇胎は確率も知名度も低いのですが見過ごして放置してしまうと危険です。
そこで、なぜ起こるのか、また、その症状や治療方法、経過観察などについて紹介します。

胞状奇胎のメカニズムとその原因は?

妊娠は卵子と精子が結合することによってできた受精卵が子宮の内膜に
着床することによって成立します。
このとき受精卵は胎芽細胞と絨毛細胞に分かれます。胎児になるのは胎芽細胞です。
一方、絨毛細胞が正常に成長すると胎盤や卵膜になるのですが、異常増殖を
起こしてしまう場合があります。
そして、子宮の中でブドウ房のような状態で嚢胞化し子宮を覆ってしまうのです。
このような異常出産のことを胞状奇胎と呼びますが、ブドウの房のように見えるため、
「ぶどうっ子」や「ブドウ子」と言うこともあります。

胞状奇胎は、精子の核だけが分裂して増殖することで起きる「全胞状奇胎」、
一つの卵子に対して二つの精子が侵入して起きる「部分胞状奇胎」の2種類に
分類することができます。
原因は絨毛組織の染色体の異常で、高齢出産、反対に若年妊娠のときに起きる傾向が高いようです。

胞状奇胎のときにどんな症状が現れるの?

胞状奇胎でもごく初期の頃は正常な妊娠の場合と比べて、それ程大きな違いは
見られないかもしれません。
しかし妊娠8週~16週頃から、「つわりの症状が通常の妊娠の場合に比べてきつい」
「おりものや出血が見られたり切迫流産のような症状がある」「むくみや高血圧といった
妊娠高血圧症候群の症状が現れる」などの特徴が見られるようになります。
経産婦さんの場合では、前の出産のときと比べて違うと感じることによって、
異常に対して早めに気付かれることもあるでしょう。
しかし、はじめての妊娠の場合、正常な妊娠に比べて違いがあるかどうか
自分で判断することは難しいのではないでしょうか。
ですから異常妊娠をそのまま放置してしまわないためにも、妊娠している可能性がある場合には、できるだけ早めに病院を受診した方が良いでしょう。

治療法は?妊娠を継続することはできる?

胞状奇胎妊娠の場合、後に絨毛ガンを発症しやすくなりますので、子宮から胞状奇胎の摘出を行います。縦横に広がった胞状奇胎は1度の手術での摘出が難しく、手術の後1週間程度の時間をおいて、再度手術を行う場合もあります。
また、手術後も絨毛ガンになる可能性が考えられるため、長期に渡って経過観察を行う必要があります。
そのため、手術後の妊娠は希望しない、または40歳以上の場合は、子宮全摘出手術が行われる場合もあります。

なお、胞状奇胎妊娠では、多くの場合、妊娠継続が難しくなります。
ただ、部分胞状奇胎で胎児の染色体に異常が見られず、胞状奇胎であるにも関わらず、
同時に正常妊娠である場合は妊娠継続が不可能なわけではありません。
ただし、絨毛ガンのリスクがあるため、医師による経過観察や判断が重要になります。

予防することはできないの?

胞状奇胎は染色体の異常によって起こるため、あらかじめ予防する方法はありません。
しかし、適切な処置を行い経過観察後、一定の期間を置いて妊娠を希望するのであれば、
再び妊娠することが可能です。
妊婦さんの中には、一度胞状奇胎になると再び胞状奇胎になるのではと妊娠をためらって
しまわれる方もいらっしゃるようですが、胞状奇胎での染色体異常は偶然に起こるものであり、
遺伝するようなものではありません。
ですから、次の妊娠で再び胞状奇胎の可能性を心配する必要はありません。

まとめ

一度、胞状奇胎という異常妊娠を経験してしまうと、次の妊娠が不安になってしまうかもしれません。しかし、繰り返して起きる可能性は極めて低いと言って良いでしょう。
ですから胞状奇胎の後で再度妊娠を考える場合、実際に妊娠した場合は、不安にならず安心して
充実した妊娠生活を送るようにしてください。


2016/05/20

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