おたふく風邪

2014/12/03

おたふく風邪と水疱瘡の予防接種は受けないほうが良いの?

この記事の監修/執筆

小児科医/女医+(じょいぷらす)大井 美恵子

おたふく風邪と水疱瘡の予防接種は受けないほうが良いの?

病気にかかった時に重症化を防ぐ目的で行われる予防接種。子供の健康のための予防接種を、受けるべきかどうかは多くのママの悩みの種でもあります。今回は、友人から予防摂取をしないほうが良いと言われて悩んでいるママから相談がありました。小児科医の大井先生は、なんと答えているでしょうか?

ママからの相談:「友人からおたふく風邪などの予防接種は受けないほうが良いと言われましたが、本当でしょうか?」

3歳の子どもが来年から幼稚園通いが始まるので、おたふく風邪と水疱瘡の予防接種を行うつもりでいました。しかし友人から「予防接種による抗体は大人になる前に切れてしまうし、大人になってからかかると症状が重くなる。子どものうちにかかっておけば一生ものの抗体がつくから予防接種は受けさせない方がいいよ」と言われました。女児ですのでおたふく風邪による後遺症も心配がありませんし、予防接種をする必要は無いのでしょうか? (30代・女性)

予防接種の目的は、感染を防ぐことに加えて重症化を防ぐことにあります!

予防接種の目的は病気にかからなくすることではなく、重症化を防ぐことにあります。女の子でも重症化した場合、合併症の心配があるため、しっかり予防接種を受けておくことが重要です。不安に感じるようであれば、医師に相談してみてとのアドバイスがありました。

予防接種をしていないと免疫がないので、身体は病原体に対して強い反応を示すだけでなく、重症化にも繋がります。予防接種をしている状態で病気になった場合、身体の方も「予防接種でこの菌知ってる」という状態になるので反応が薄くて済み、症状が軽く済む事に繋がるのです。ワクチンは殆どが菌の活性力を落とした「不活化ワクチン」ですので、予防接種で身体に入ってきた菌が体内で大暴れする事は少ないと考えられます。
確かに一度予防接種しただけでは大人になる時には抗体は低くなります。悩むようであれば、医師や保健師に相談してみてはどうでしょうか。
おたふくかぜと水疱瘡の予防接種率が低いのは、麻疹風疹、ヒブワクチンなどが「定期接種」といって国が定めた期間内に予防接種をうければ原則無料なのに対して、おたふくかぜと水疱瘡は「任意接種」といって、自己負担なことも影響があったかと思います。2014年10月から、水疱瘡は「定期接種」に変わりました。おたふくかぜは、まだ任意接種ですが、定期接種と必要性は同じです。
女の子だからということでしたが、おたふくで怖いのは睾丸炎や精巣炎の他におたふく難聴の合併症があり、一度なると難聴が治ることはありません。

大人になってもおたふく風邪などの病原体に対する抗体は、消えないと考えられます。

水疱瘡やおたふく風邪の病原体に接触すると、抗体の量の目安である抗体価が増加します。水疱瘡などは日常生活の中でかかっている人に接触する機会があるので、大人になっても抗体が維持される可能性があるとのこと。

水疱瘡やおたふく風邪は、子どものころに予防接種をして年齢とともに抗体が減ってきたところに、それらの患者さんと接触することによってまた抗体が上昇するという「ブースター効果」が得られます。そのため一度予防接種をしていれば、その病気にはかかりづらいと考えられているのです。近年大人になったら抗体が切れると言われるのは、水疱瘡やおたふく風邪の感染者が周囲に少なくなり、ブースター効果が働きにくくなったことが原因の一つと考えられます。

子どもの健康は親にとって一番の願い。予防接種の効果について不安があれば医師に相談して、子どもにとってベストな選択肢を選んでいきましょう。


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