人工授精の基礎

2016/06/20

人工授精に伴うリスクや身体への影響

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人工授精に伴うリスクや身体への影響

人工授精は不妊治療の中でも自然妊娠に近いため、リスクはあまりありません。しかし、排卵日に合わせて採取した精子を注入するため、排卵誘発剤を使用する際に副作用が起こることもあります。治療を考えている方はリスクを理解したうえで、治療を行いましょう。

人工授精、何かリスクはあるの?

人工授精は、精子の運動率が低いなどといった理由で受精が困難な場合、人工的な器具を使って子宮に精子を送り込んで授精させる方法です。

人工授精そのものは、自然妊娠に近い方法ですのでリスクはほとんどありません。子宮に人工的な器具を入れるため、昔はその器具からの細菌感染などが心配されていました。最近では婦人科治療の衛生面が非常に良くなっているので、このようなリスクは極めて低いです。しかし、排卵日に精子をうまく送りこむために、排卵誘発剤によって排卵を促すことも少なくありません。その排卵誘発剤は、副作用もありますので人工授精をする前にしっかりと認識しておくことが大切です。

また、自宅でできる人工授精のキッドなども販売されていますが、衛生面で不安をきたしますので、きちんとした医療機関で行うことが必要です。

排卵を誘発するための排卵誘発剤の使用。リスクは?

排卵誘発剤は、卵巣を関接的にまた直接的に刺激することで、卵胞を育てて排卵を起こします。人工授精にとって、排卵をしているかどうかは大変重要ですので、排卵誘発剤を使うことで排卵率が7割から8割程度に上がり、人工授精の成功率も上がります。しかし排卵誘発剤には、卵巣過剰刺激症候群といって卵巣の腫れを引き起こす副作用があります。また、多胎妊娠の可能性が自然妊娠に比べ20パーセント程度に上がります。自然妊娠では多胎妊娠は1パーセントくらいしか発生しないのに対し、人工授精ですとその可能性が極めて高いです。そのため、最近では多胎妊娠を抑えるような治療方法もあります。

人工授精が及ぼす身体への影響は?

人工授精は自然妊娠に近い方法ですので、肉体的なダメージは排卵誘発剤を使わない限りほとんどありません。しかしながら治療はタイミングを合わせて行うため、精神的に負担がかかります。1回の成功率も5パーセントから10パーセントと高くありませんから、準備をして回数を重ねても妊娠しなかった場合、精神的なダメージがあります。

1回あたりの金額は、10000円から30000円程度ですが、回を重ねるにつれて検査代や投薬代などもかかり、費用負担も大きくなります。

治療を検討する際には、パートナーと治療についての理解を深めておきましょう。


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