妊娠初期症状

妊娠初期症状の吐き気が現れる時期・原因は?つわりの軽減するポイント

何となく気持ち悪い、胃がムカムカするというときには、妊娠の兆候である可能性がありますが、こうした症状は生理前症候群(PMS)との区別がつきにくいものです。妊娠初期症状はいつから現れるものなのか、その時期や原因とは?つわりを軽減するためのポイントについてもご紹介します。

吐き気はいつから現れ始めるの?

つわりは、次の生理予定日前後の妊娠5~6週(妊娠2ヶ月)頃から現れはじめます。月経がなかなか来ないうえに吐き気があるので、それをきっかけに検査薬で調べてみたら妊娠がわかったというケースも多いのではないでしょうか。PMSの症状とも区別しにくいですが、基礎体温を測ってみて17日以上高温期が続いているようなら妊娠しているとみてよいでしょう。
もちろん、つわりには個人差があるので、吐き気が現れない場合もあります。食欲がなくなったり、逆に増進したり、味覚が変化して食べ物や香りの好みが変わったりするのも、代表的なつわりの症状です。映画やドラマの描写で、つわりといえば吐き気というイメージがあるかもしれませんが、喉の違和感やめまいがあったり、唾液の分泌量が増したりする人もいます。吐き気がある場合も、嘔吐してしまうほどのものから、何となく胃のあたりに気持ち悪さがあると感じる程度のものまで人それぞれです。

つわりの種類


○よだれつわり
妊娠初期に大量の唾液が口の中に溜まってしまう状態で、これもつわりの一つです。

○吐きつわり
通常つわりといったら思い浮かべるものです。胃がムカムカするような感じで、吐き気を催します。

○食べつわり
空腹になると気持ちが悪くなり食べると治るもの、食べて気分が悪くなるもの、食べると吐いてしまうものなどのタイプがありますが、いずれも食べるという行為が伴います。

吐き気はいつまで続く?

多くの妊婦さんでは、つわりが治まるのは12週頃から妊娠中期の安定期に入る16週頃です。これは子宮の中で胎盤が完成するまでの時期と重なっています。つわりの続く期間はおおよそ妊娠2ヶ月~4ヶ月の間、つまり妊娠初期の3ヶ月間程度で、これを過ぎれば自然によくなります。

吐き気が現れる原因

原因

吐き気などのつわり症状が現れるのには、さまざまな要因が関わっているとされます。赤ちゃんを異物と認識したアレルギー反応だとする説や、ビタミンB6不足だとする説などもありますが、まだわかっていない部分も多くあります。
ひとつには、妊娠中は女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)の作用で、食道や胃、腸管などが緊張状態になることが挙げられます。この影響で胃酸や空気が逆流してきて胸やけが起こったり、食欲不振や便秘、下痢が起こったりするなどの消化器症状が現れます。
また、妊娠初期にhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)と呼ばれるホルモンが急激に増加することによる影響ともいわれています。hCGは妊娠10週頃に分泌のピークを迎えます。
他にも、ストレスなどの社会的な要因も関係して、つわりが悪化することもあるとみられています。

吐き気を感じるシーン

特定の食べ物の匂いを嗅いだときや空腹時などが一般的です。妊娠後は嗅覚などの五感が敏感になりますが、つわりの時期はとくにそれが顕著です。
ご飯を炊くにおいで気持ち悪くなるとよくいわれますが、同じものに対してでも人によって感じ方はさまざまです。豆腐が全くダメになったという人もいれば、化学調味料を受け付けなくなったという人もいますし、タマネギなど特定の野菜がダメ、水さえ飲めないというケースもあります。
食べ物だけでなく、普段使っている歯磨き粉やシャンプーの匂いなどを不快に感じたり、トイレやお風呂場の臭いに吐き気を催したりすることもあります。

吐き気がある人とない人の違い

つわりを経験しない妊婦の割合は2割程度といわれています。でも、つわりの有無にどうして差があるのかについては、まだ明確には解明されていません。一人目と二人目で違っている人も大勢います。
吐き気がない人はもともと胃腸が強いためとか、ホルモンの変化に対する順応性が高いためとされることもありますが、一概にはいえません。今までと何も変わりなく妊娠初期を過ごせてしまう人がいるのも事実ですが、妊婦健診でお腹の中の赤ちゃんが順調に成長していれば、吐き気がなくても逆に心配することはありません。
つわりといっても吐き気だけではないので、吐き気がなくても別の症状が出ている場合もあります。妊娠するとホルモンバランスが大きく変化しますが、それに対する反応は、体質や生活環境によってそれぞれ違うのです。そのときの身体の状態によって症状の程度やタイプも違ってきますので、吐き気があるかないかということはあまり気にしなくても大丈夫です。

吐き気と一緒に冷や汗、腹痛、眠気が襲ってくる

吐き気と一緒に感じる妊娠初期の症状

つわりの時期には、お腹が張る感じがしたり、軽い下腹部痛があったり、腰痛や倦怠感、強い眠気があったりします。体温が高い状態が続いて微熱っぽく感じたり、頭痛があったり、寒気を感じて冷や汗が出てきたりして、風邪にかかったように思う人もいるでしょう。また、妊娠3ヶ月頃には頻繁に尿意を感じるようになり、短い時間に何回もトイレにいくことが多くなります。

吐き気などつわりの症状があるときの対処法

一番大切なのは、水分補給をすることです。口に合うジュースやスープなどで水分と栄養を補いましょう。食欲がないときは、梅干しや柑橘系のフルーツなど、酸味のあるものを口にすると食欲が出てきたりもします。空腹になると吐き気が強まるので、飴や軽食など何かつまめるものを持ち歩くとよいでしょう。特にフルーツには酵素や葉酸が含まれており、口当たりもよくおすすめです。ただし、食べすぎは身体を冷やすので注意しましょう。
精神的なストレスもつわりを悪化させますので、ウォーキングなど適度な運動や自分に合った方法で意識的に解消しましょう。自律神経が乱れないよう、眠りにつく前に足湯をしたりして、質のよい睡眠をとることも大切です。アロマは妊娠中に使えるものと使ってはいけないものがあるので、必ず確認してから使いましょう。つわりの時期の飲酒は、胎児の発育に障害をもたらす恐れがあります。お酒が好きな人も、出産や授乳に向けて飲酒はやめましょう。
妊娠中は適度な体重増加が必要ですが、この時期は栄養バランスについてはそこまで気にしなくて大丈夫です。食べられるものを食べて、サプリメントはあくまでも補助として活用しましょう。
毎日の家事がしんどい場合は無理をせず、買い物もネットスーパーや生協の宅配などで購入するのも対策のひとつです。妊娠経験のある友人などに、つわりのときどうしていたか話を聞いて参考にしてみるのもよいでしょう。

仕事中や外出中に吐き気が出る場合の対処法

職場には早めに妊娠の報告をしておきましょう。周りが対応しやすくなります。特につわりのころは見た目にはまだお腹が大きくなっていないので、自分の体調やつわりの症状について同僚や上司には具体的に知っておいてもらうことが大事です。妊娠は病気ではありませんが、携わる業務によっては配慮が必要になります。事前に上司とも相談して、つわりの症状があるときは我慢をせず、横になったり気分転換をしたりして休む時間をとりましょう。デスクワークでは血行が悪くなりがちです。つわりに効くツボ押しマッサージや、こまめな水分補給、身体を温める工夫などをすると症状も和らいで効果的です。
朝の出勤ラッシュなど、外出中に匂いや人混みなどで吐き気が出た場合は、まずはそこから離れて落ち着ける場所に移動しましょう。吐き気が和らぐ食べ物やグッズがあれば、持ち歩くようにするととっさに役立つかもしれません。外出中はマスクを使用して、吐きそうになったときに備えて使える袋も用意しておくと安心です。

吐き気が強い場合は「妊娠悪阻」かも

吐き気や食欲不振などの程度が激しいものを「妊娠悪阻(にんしんおそ)」といって、注意が必要です。栄養の摂取状態に問題があったり脱水症状になったりしている場合には、医師が処方した薬を服用したり、入院して点滴を受けたりすることが必要な場合もあります。ほとんど食事ができず体重がみるみるうちに減少した、嘔吐や吐き気の症状が重いなど、不安なことがある場合には、早めにかかりつけの病院など産婦人科の医療機関を受診して、先生に診てもらいましょう。「つわりはこんなもの」と自己判断で対処せず、一度相談してみたほうが安心です。

つわりはマタニティライフの入り口です。自分の身体と向き合いながら、うまく乗り切っていけるとよいですね。

執筆者:南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケアトレーナー。株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での勤務を経て、とらうべ 社設立。医療職が企業人として女性の一生に寄り添うことを旨とし、30年にわたって各種サービスを展開中。

監修者:株式会社 とらうべ
助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士などの医療職や専門家が在籍し、医師とも提携。医療や健康、妊娠・出産・育児や女性の身体についての記事執筆や、医療監修によって情報の信頼性を確認・検証するサービスを提供。

2018/12/31

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この記事の監修/執筆

保健・衛生・妊娠・育児コンサルタント株式会社とらうべ