妊娠初期の腹痛 

2016/07/19

チクチクする?妊娠初期の腹痛の現れ方と原因

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チクチクする?妊娠初期の腹痛の現れ方と原因

妊娠初期には、チクチクした腹痛が起こることがあります。ここでは、考えられる腹痛の原因や症状の現れ方について解説していきます。

妊娠初期の痛みと生理の痛み何が違うの?

(1)生理の痛み

プロスタグランジンという生理中に分泌されるホルモンの一種が、子宮収縮させ子宮内膜がはがれる時の経血をスムーズに体外に押し出す働きをします。これは、陣痛促進剤の役割と似ています。そのため、この物質が過剰に分泌されると陣痛に似たキリキリとした痛みが押し寄せるのです。

(2)妊娠初期の痛み

女性ホルモンの1つである「プロゲステロン」の分泌量が多くなることが原因であるとも言われています。プロゲステロンとは、生理周期の後期や妊娠中に多く分泌される黄体ホルモンのことです。

プロゲステロンは受精の準備を行うために分泌され、妊娠するために働き、妊娠してからも赤ちゃんが育ちやすい環境を整えるために働くと言われています。

プロゲステロンは、赤ちゃんの成長を助けるために子宮の収縮を抑えてくれるのですが、子宮だけではなく、子宮の周りの臓器にも影響を与え、胃や腸などの消化器官の機能も抑えてしまいます。そのため、胃腸の調子が悪くなり腹痛につながるのです。
妊娠初期の腹痛の原因にはその他にも、赤ちゃんの成長による子宮の痛みや子宮周辺の靭帯が引っ張られる痛みなどがあります。

(3)妊娠初期の心配のない痛み

・下腹部が外に張る感覚があり痛い
・お腹から腰にかけて、痛みがある
・お腹全体に引っ張られるような感覚がある
・生理痛に似たお腹の痛みがある
・キュッとした軽い痛み
これらの症状は一時的で、よく起こりうるものなので安心してください。妊娠初期の腹痛は継続的なものではありません。

考えられる原因7個

(1)着床時にチクチクと痛むことがある

妊娠初期に起こるチクチクとした腹痛の原因として最も考えられるのが着床痛です。これは、受精卵が子宮内膜に潜り込む際に起こる痛みです。
チクチクとした腹痛があったため着床したと思っていたのに、生理が来てしまったという方もいるのではないでしょうか。これは、着床してから妊娠を継続させることができず、受精卵が排出されてしまう化学流産を起こした可能性があります。ただし、着床した際に起こる症状には個人差があるため、必ずしも着床していたとは言い切れません。
化学流産の原因はわかってはいませんが、主に自然淘汰によるものだと考えられています。

(2)子宮の成長が原因で腹痛が起こる

妊娠初期にチクチクとした痛みを感じるのでしたら、赤ちゃんの成長とともに子宮が大きくなっていることが原因かもしれません。子宮は、伸縮を繰り返しながら少しずつ大きくなっていきます。子宮が伸びるときに靭帯も一緒に伸びるため、チクチクと痛むことがあるようです。チクチクではなく、引っ張られるような痛みを感じる方もいます。

また、妊娠が成立することで女性ホルモンの1つであるプロゲステロンの分泌量が増えます。プロゲステロンには腸の機能を低下させる作用があるため、便秘がちになります。それにより、便が溜まってお腹が張り、チクチクとした痛みを感じることもあるようです。

(3)便秘によって腹痛が起こる

妊娠すると赤ちゃんが育つ子宮は徐々に大きくなっていきます。子宮が大きくなって腸を圧迫すると便の通りが悪くなり便秘を引き起こします。そのほか、つわりによる食事の変化や妊娠したことでの運動不足、ストレスなども便秘の原因になり、便秘で悩む妊婦さんは多くいます。
便秘によって起こる腹痛は、下腹部の強い痛みや鈍痛が特徴です。

(4)下痢によって腹痛が起こる

妊娠初期は、ホルモンバランスの変化や、体調が変わることによるストレスなどから、下痢気味になってしまう妊婦さんもいます。また、つわりによって食事量が減ることで腸の働きが弱まり、下痢を起こしやすくなってしまうこともあります。
下痢による腹痛では、お腹がゴロゴロしたり、うずくまってしまうほどの痛みが起こることもあります。

(5)子宮外妊娠による腹痛

妊娠初期の腹痛は、子宮外妊娠が原因で起こることもあります。
子宮外妊娠の中でも高い頻度で見られる卵管妊娠は、卵子が子宮まで運ばれずに、途中の卵管で留まり、そのまま受精してしまった場合に起こります。このような子宮外妊娠では、本来妊娠するべきでないところで胎嚢が育ってしまうので、卵管がその成長に耐えられずに痛みが出ることがあります。
また、流産や卵管破裂が起こり、その際に出血したときの血が腹腔内に溜まり痛みを引き起こすこともあります。

(6)絨毛膜下血腫による腹痛

赤ちゃんを包んでいる膜のひとつである絨毛膜と子宮内膜の間に血の塊ができてしまうのが絨毛膜血腫です。この血の塊が破れると、お腹の張りや出血、腹痛が起こります。
血の塊が大きい場合は流産のリスクがあり、前置胎盤や常位胎盤早期剥離の危険性もあるため、入院となることもあります。

(7)流産にともなう腹痛

妊娠22週未満で、赤ちゃんがお腹で育つことが継続できない状態を「流産」と言います。
流産にもさまざまあり、妊娠12週未満で起きる流産「早期流産」、12週から22週未満で起きる流産を「後期流産」と言います。

流産になると、出血や破水のほか、腹痛も症状として現れることがあります。このほかに基礎体温が急に下がったり、つわりが急に治まったりといった変化がみられることもあります。
流産で出血や腹痛があるときは状態が進行しているケースが多く、腹痛の特徴としては、普段と異なる強い痛み、だんだん強くなる生理痛のような痛み、などがよく聞かれます。

腹痛が治まる時期にも個人差がある

妊娠初期から続くチクチクとした腹痛は、いつまで続くのでしょうか。腹痛の原因である子宮の成長や、プロゲステロンの分泌はしばらく続きます。そのため、妊娠期間中ずっと腹痛を感じていた方もいます。一般的には、胎盤が完成する12~15週にはチクチクした痛みは治まります。また、以下の様な痛みの程度によっては胎児に悪影響があります(流産になる可能性があるので安静にして病院に受診する必要があります)。

(1)出血がある
(2)ギューと締め付けられるような下腹部に痛みがある
(3)痛みがずっと続いている
(4)ズキズキと下腹部に強い痛みがあること、などです。

まとめ

妊娠初期にチクチクとした腹痛を感じた場合は、着床痛や子宮の成長、便秘などが原因だと考えられます。しかし、痛みの感じ方には個人差がありますので、必ずしも妊娠しているとは限りません。参考程度に留め、妊娠検査薬で検査することをおすすめします。


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