帝王切開

2016/07/26

どういう状態? 出産時に帝王切開が必要なとき

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部

どういう状態? 出産時に帝王切開が必要なとき

帝王切開が必要と判断される状況とはどのような状況なのでしょうか。母体のリスクを回避するために行われることも多い「帝王切開」。どのような場合に、選択されるのでしょうか。

帝王切開が必要とされる状況

日本では、帝王切開は希望してもやってもらえる分娩法ではありません。
原則として以下のような医学的な適合がないと行えないことになっています。母体や胎児の状況を診て、初めから帝王切開を予定することもありますが、自然分娩中に緊急に行う場合もあります。

母体側の理由

・児頭骨盤不均衡(母体の骨盤よりも胎児の頭が大きい)
・前置胎盤(胎盤が子宮の出口を塞いでしまっている)
・重症妊娠高血圧症候群(高血圧で膣からの分娩が危険)
・分娩遷延(経腟分娩の流れが遅くなった)
・分娩停止(経腟分娩の流れが途中で止まった)
・常位胎盤早期剥離(胎盤が先にはがれる)※
・子宮破裂(子宮筋が破裂する)※

胎児側の理由

・子宮内胎児発育遅延(胎児が小さい)の一部
・多胎の一部
・骨盤位の一部
・切迫早産の一部
・胎児仮死(胎児の心音が下がるなど状態が悪い)
・臍帯脱出(いわゆるへその緒が膣に出てきてしまう状態)※
※超緊急の状況として帝王切開が選択されます。

妊娠22〜36週は早産

予定日よりかなり早く陣痛が来てそのまま自然分娩になることもありますが、先に破水してしまった場合は、まだ母体・胎児ともに産みだす(生まれる)準備が出来ていないので危険です。
あまりに妊娠週数が早い場合は、胎児の感染防止をはかりながら、妊娠週数を稼ぎ、胎児の成熟を待つために管理入院をすることもあります。生まれてもなんとか育つ程度に赤ちゃんが大きくなってきたら、お母さんと赤ちゃんの安全のために、帝王切開を選択します。

帝王切開ってどこを切るの?

1.麻酔
一刻を争うときは全身麻酔となる場合がありますが、そうでない場合は、「腰椎麻酔(ようついますい)」や「硬膜外麻酔(こうまくがいますい)」で行われます。いわゆる下半身麻酔なので、妊婦の意識はある状態です。

2.切開
妊婦や胎児の状態、医師の考え方によって、縦に切るか横に切るかが判断されます。
〜横に切る(予定帝王切開など一般的な切開法)〜
皮膚から筋膜までを横に切り、腹膜は縦に、子宮壁は横に切るというやり方です。時間がかかりますので、緊急性のある場合は選択されません。
〜縦に切る(早く安全に取り出す必要がある場合)〜
おへその下から恥骨に向かって切ります。腹膜に至るまでは縦に切り、子宮壁は横に切ります(緊急時は縦にきることも)。

3.誕生・縫合
切開にかかる時間はほんの数分です。赤ちゃんを取り出したら、その後すぐに胎盤を取り出し子宮内をきれいにしたあと、縫合します。帝王切開分娩後の処置にかかる時間は1時間ほどです。
皮下は溶ける糸で縫合しますが、表皮はテープやホチキスなどを使って傷跡を目立たなくしてくれます。

第1子が帝王切開の場合、第2子以降も?

「1人目が帝王切開だったから2人目も…」という話はよく聞きますよね。これは、一度切開している子宮が、妊娠経過中に子宮破裂を起こしてしまう危険性があるためです。2人目は、予定日より少し早めに予定帝王切開となることが多いのです。
しかし、一部医療機関では、2人目以降は自然分娩できるところも。その場合も母体と胎児の状態次第ですので、必ずしも自然分娩が可能とは限りません。

高齢出産は帝王切開が多いの!?

最近は30代後半、40代での出産など、高齢出産も珍しくない時代です。そのため、帝王切開が選択される機会は実際に増えています。理由としては、高齢出産が一般的にトラブルリスクが高いものであるために、早めに医療介入を行い、予定帝王切開を選択してもらおう、という現状があるからです。

高齢出産で懸念されるトラブルとしては、以下のようなことがあります。
・妊娠中に高血圧や糖尿病などを発症し、妊娠継続が難しくなることがある
・染色体異常や胎児の障害により経膣分娩(自然分娩)が難しくなることがある
・胎盤に異常が起きたり分娩時に胎児の心音が下がることがある
・子宮筋腫などの手術歴がある場合は子宮破裂の可能性が高まる

帝王切開は、母親や、子どもの命を危険にさらさないために必要な「医療行為」ではありますが、「産みの実感がないまま出産が終わった…」と後で落ち込んでしまう女性も少なからずいるそうです。
高齢出産が増え当たり前となってきている今、こうした女性たちの産後の気持ちにも寄り添って、周りは気を配ってあげたいものですよね。

<執筆・監修者プロフィール>
執筆:Mocosuku編集部
監修:岡本 良平(東京医科歯科大学名誉教授)

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