妊娠中に手足やお腹などの体毛が濃くなることは、よくあるようです。気になるので処理したいという相談者さんに、看護師さん達はどのように回答しているのでしょうか。
20代女性からの質問:「妊娠中の体毛処理について」
妊娠20週に入り、お腹や手足の毛がどんどん濃くなってきました。妊娠中に毛が濃くなることがある、という話は聞いたことがあったのですが、実際に目にするととても気になってしまいます。この毛は、カミソリで剃っても問題ないでしょうか?お腹は人に見えない部分なのでまだよいのですが、手足は人から見られる場所なのでとても気になります。(20代・女性)
原因は色素沈着。カミソリは避けたほうが無難
毛が濃くなっているように見えて実際になっているわけではなく、色素沈着のせいでそう見えるだけだそうです。妊娠中の肌にはなるべく傷をつけないほうがよく、毛抜きもクリームもデメリットがあるため、できれば何もしないのが一番とのこと。
妊娠によってエストロゲンなどの女性ホルモンが増え、それがメラノサイトを刺激するため身体全体に色素沈着が起こります。脇や乳輪が黒っぽくなってくるのも、このせいですね。お腹や手足も色素沈着の影響で毛の1本1本が濃く太くなっているように感じられるだけで、毛の数が実際に増えているのではありません。(産科・婦人科看護師)
気になるようでしたら剃っても構いませんが、カミソリは見えない傷をつくりやすく、妊娠中の皮膚は敏感になっていますから、あまりお勧めできません。かといって毛抜きを使うと毛穴から雑菌が入りやすくなりますし、除毛クリームには、妊婦は使用しない方がいい成分が入っているものもあります。出産後に授乳が始まると薄毛になる方もいらっしゃいますから、できれば自然なままがよいと思います。(産科・婦人科看護師)
出産後に元に戻るまで待つのも一案
妊娠中の女性ホルモンの増加が原因で濃く見える体毛も、出産後は元通りになるとのこと。それでも妊娠中にどうしても、という場合は、注意深く処理をすれば大丈夫なようです。
産後ホルモンバランスが正常に戻ると、この体毛も徐々に薄くなってきます。サロンなどでの脱毛は赤ちゃんによくないですし、断られる場合が多いようです。処理するのでしたら、ご自分で傷つけないように剃るか抜くかされても問題はありません。(整形外科・形成外科看護師)
妊娠中の脱毛や体毛の処理については、とりわけ問題があるわけではなくても、できるだけ慎重になったほうがよさそうですね。