溶連菌

溶連菌を治すはずの抗生物質のせいで、別の病気が悪化?

子どもが感染症などにかかった場合、治療に抗生物質を使用することがあります。しかし抗生物質は全ての病気に有効というわけではなく、服用しても治療効果が得られないこともあります。抗生物質について医師に詳しく尋ねてみました。

ママからの相談:「溶連菌と同時に別の病気にも。抗生物質を服用すべき?」

溶連菌感染症だと思っていたら違う病気にもかかっていて、抗生物質がその病気にはよくなかったらしく、40℃の熱が1カ月下がらないという子が近所にいました。合併症などを起こした時、その病に対し抗生物質が悪影響を及ぼす可能性がある場合、それでもまず溶連菌感染症を治すために抗生物質を服用しなくてはいけないのでしょうか。合併症の方が溶連菌感染症より重い症状の場合はどのような処置が必要なのでしょうか。入院もあり得るのでしょうか。(30代・女性)

溶連菌は合併症を引き起こしやすい

溶連菌を放っておくと、糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症を引き起こしやすくなります。子どもは重症化しやすいため、抗生物質を使用して完全に菌をなくす必要があります。

溶連菌感染症は、放っておくと急性糸球体腎炎やリウマチ熱や血管性紫斑病などを発症することがあります。完全に除菌できないと保菌されて感染を繰り返すため、最低10日間の抗生物質の投与が必要です。通常は内服治療なので入院の必要はないですが、重症で点滴を投与する必要があったり合併症を発症している場合は、入院となることもあります。(医師)
溶連菌に感染した場合、菌に有効な抗生剤を使用しなければ症状が悪化して合併症を起こしやすくなります。溶連菌の合併症はリウマチ熱や急性糸球体腎炎などがあり、子どもは重症化しやすいので、これらを予防するにはきちんと治療することが大切です。(呼吸器科医師)

治療は合併症と並行して行います

細菌によっては抗生物質が効かない場合もありますし、また抗生物質による合併症が現れることもあります。このような場合は溶連菌感染症の治療と並行して、合併症の治療も行われます。

溶連菌に対しては通常ペニシリン系の抗生物質を用いますが、同時にペニシリン系抗生物質が効きにくい耐性菌となっていることもあり、投与された抗生物質に耐性をもつ細菌に感染した場合は、治療が困難になる場合もあるようです。(医師)
感染した菌を死滅させる前に抗生剤の副作用が起こったのではないでしょうか。何よりも大切なことは、感染しないことです。日頃から手洗い・うがいを励行して、感染予防を心がけてください。(呼吸器科医師)
抗生剤は感染した菌には有効ですが、逆に体内にある必要な菌まで死滅させる場合があります。腸内細菌が減ったために腸炎を起こして下痢になったり、腎臓や肝臓の機能が低下して合併症を起こすことがあり、この場合は溶連菌の治療と並行して合併症の治療が行われます。(呼吸器科医師)

抗生物質のせいで悪化したというより、抗生物質が効かない耐性菌となっていたことが考えられるようです。子どもの病状は変化しやすいので、1度診断を受けても様子がおかしいと思ったらすぐに再受診した方が安心です。


2016/09/01

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

専門家監修記事(Q&Aコメント)