冷え性

冷え症?指先のしびれの原因と主な症状

年齢を重ねるにつれ、体質は徐々に変化していくものです。特に女性の場合、幅広い年代で「冷え症(冷え性)」を自覚する人は多いのではないでしょうか?軽く考えられがちな冷え症ですが、重症になると「しびれ」を感じることもあり、思わぬ病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
今回は、冷え症としびれについてご紹介します。冷え症の原因や指先にしびれが起きる理由、注意したい症状などをまとめましたので、冷えに悩まされている人はぜひ参考にしてみてください。

冷え症とは?

女性の約7割が冷え症(冷え性)を自覚していると言われるほど、多くの人が冷えによる悩みを抱えています。冷え症とは、手足の末端や腰などが温まりにくく慢性的に冷たく感じる状態のことで、症状がひどくなると不眠・痛み・しびれなどの不快な症状が現れることがあります。冷え症の原因は、自律神経や女性ホルモンの乱れ・血液循環の悪化・低筋肉量などが考えられています。中でも、過剰な冷暖房・ストレス過多・食事や生活の乱れなどが起因する自律神経の乱れは冷えに大きく影響しているため、生活習慣を見直すことで冷えに強い身体作りをすることが大切です。

特定の指にだけしびれが起きる場合は?

神経の病気が潜む可能性も…

冷え症が重症化すると血流障害が起きるためしびれを感じることがありますが、病変が特定の指だけに起きる場合、以下のような神経の病気が潜んでいる可能性もあるため注意が必要です。専門医では触診のほか必要に応じて画像検査(レントゲンやMRI)などを行い診断します。病状が進行すると手術が必要になることもありますので、早期に治療することをおすすめします。


・手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
手首には手根管と呼ばれるトンネルがあり、指の感覚を伝える正中神経がその中を通っています。この手根管が圧迫されると痛み・しびれが生じ、進行すると親指の付け根にある筋肉が痩せてきて細かい作業ができなくなってしまいます。このような症状が現れる病気を手根管症候群といいます。
特徴としては、正中神経の支配領域である親指〜薬指の半分(計3本半)がしびれます。明け方に強い痛みがあり、手を振ることで楽になる場合、手根管症候群の可能性が高いでしょう。

・橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)
手首や指の運動に関わる橈骨神経が障害され、手がしびれて動かしにくくなる病気です。橈骨神経は上腕から指先まで走行する神経であり、腕枕をしたり、飲酒の後に変な姿勢で寝てしまったりすることで神経が圧迫され麻痺が起きます。
橈骨神経麻痺のしびれの範囲は、親指〜中指の手のひらの甲側に現れるのが特徴です。手首を反らせない、指をまっすぐに伸ばすことが難しい場合、橈骨神経麻痺が疑われます。

・肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
肘内側の神経が慢性的に圧迫されることで生じる神経障害を肘部管症候群と言います。しびれや痛みの症状から始まり、両手で水がすくえない・上手に箸が使えないなど、手の運動障害が出ることもあります。進行すると手の筋肉が痩せて、小指や薬指に変形が起きることもあります。
初期は小指と薬指にしびれが現れるのが特徴です。明け方に強いしびれを感じることが多く、過去に肘を骨折し変形が残っている人は可能性が高くなります。

・頚椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんヘルニア)
各頚椎(首の骨)の間には椎間板というクッションの役割をしている軟骨があります。その椎間板の組織が何らかの理由で壊れ、靭帯を突き破り脊髄や神経根を圧迫してしまうことを頚椎椎間板ヘルニアと呼びます。しびれや痛みの症状から始まり、重症化すると腕や指に力が入らなくなり足が動かなくなることもあります。
親指と人差し指にしびれを生じる場合が多いですが、圧迫された部分によっては中指または小指・薬指からしびれることもあります。頭や首を後ろに反らした際に強いしびれを感じます。

しびれと一緒にこんな症状が起きた場合は要注意

「長い時間正座をしていて足がしびれた」など、一時的に神経を圧迫してしびれが起きた場合は時間が経てばすぐに治ります。しかし、ジンジンするしびれと一緒に次のような症状を伴う場合は要注意。脳や神経などに重大な病気が潜んでいる可能性もありますので、医療機関で受診することをおすすめします。


・指先に力が入らない
・しびれがずっと続く、麻痺
・指先が腫れる、熱っぽい
・腰痛
・ろれつが回らない
・頭痛や吐き気、めまい
・手指が白くなる など

産後に指先のしびれが起きた場合

産後ママに多い「手根管症候群」の可能性

産後に指先のしびれが気になる場合は「手根管症候群」の可能性があります。手根管症候群は神経が圧迫されて起こる病気で、妊娠中・産後のママや更年期の女性に多くみられます。産後はホルモンバランスが乱れてむくみやすくなっているうえ、授乳や抱っこで手首が圧迫される状態が続くため、手根管症候群になりやすいと考えられています。
手根管症候群によく似た「腱鞘炎(狭窄性腱鞘炎)」は、関節の使いすぎによる炎症が原因で手首の親指側や指に痛みや腫れが生じます。親指を握ったまま手首を小指側に曲げると強い痛みが現れる場合、腱鞘炎の可能性があります。

対処法

手根管症候群や腱鞘炎の疑いがある場合、まずは安静第一です。なるべく手首に負担がかからないようにサポーターや授乳クッションを使ったり、お風呂でマッサージをしたり、むくみを減らすように体重・塩分管理をするようにしてください。症状が改善されない場合は早めに整形外科医に相談しましょう。治療法は、消炎鎮痛剤やビタミン剤などの飲み薬、湿布薬が処方され、程度によっては注射や手術を行うこともあります。

気になる症状があるなら早期の受診を

症状としてしびれが現れる病気は他にもたくさんあり、発症する部位もさまざまです。心配な症状があれば放置せず、症状に応じて整形外科や脳神経内科などの専門医を受診しましょう。

・しびれを症状とするその他の病気の例

病名 症状
脳血管障害 左手だけ、右手だけなど、どちらかの手足がしびれる特徴があり、痛み・頭痛・吐き気・めまい・ろれつが回らないなどの症状を伴います。このような症状がみられた場合、脳出血・脳梗塞などの脳血管障害が疑われますので急いで医療機関を受診しましょう。
胸郭出口症候群 腕をあげる動作で手や肩周りにしびれや痛みが生じます。女性でなで肩の人に多くみられ、血液循環不全を伴う場合は手術が必要になります。
神経根障害 脊柱(背骨)内部やその周辺で神経根が圧迫され、しびれや痛みなどが引き起こされる病気です。頚椎症性神経根症は、頚椎(首)を後ろに反らせると肩や腕に強い痛みが生じます。腕や手指にしびれが現れることも多く、痛みの程度は人それぞれです。
脊椎・脊髄腫瘍 脊椎腫瘍は脊柱(背骨)に、脊髄腫瘍は脊柱間内の神経やその周辺組織に腫瘍が発生することです。手足のしびれのほか、腰痛・背部痛・筋力低下などを伴うことがあり、進行すると知覚障害や歩行障害などが出現します。
末梢神経障害
(ニューロパチー)
末梢神経(運動神経・自律神経・感覚神経)に異常があり、手足や指先にしびれや痛みが生じます。慢性の多発神経障害の場合は糖尿病が原因であることが多く、チクチク感や灼熱感を伴います。
レイノー症候群 末梢動脈疾患であるレイノー病は、冷えや精神的緊張を感じると手指に血流障害が起き、多くは左右対称に手指が青白くなります。数分後には紫色、赤色と皮膚の色調が変化し正常に戻ります。

※しびれが現れる病気の一部であり、この限りではありません。

女性の多くが悩まされている「冷え症」。冷え症は自律神経の乱れが大きく関わっているため、生活習慣を見直すことが冷え症を予防する第一歩となります。重症化するとしびれが起きる場合がありますが、その背景には脳卒中や神経障害など重大な病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。産後ママで指先にしびれが生じる場合、子育てやホルモンバランスの乱れによる手根管症候群の可能性がありますので、手首に負荷をかけすぎないよう工夫して安静にしてくださいね。
ご紹介した病気以外にも、しびれが生じる病気や原因はたくさんあります。冷えやしびれはすぐに治るだろうと自己判断せず、症状が軽いうちに病院の先生に診てもらい対処することをおすすめします。

参考:
日本整形外科学会「症状・病気をしらべる」
ニプロ株式会社「すこやかネット」vol.31,49
亀田グループ医療ポータルサイト


2018/11/22

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