出産一時金

出産育児一時金は医療費控除される?

妊娠・出産に際して多額の費用が必要になりますが、出産育児一時金や医療費控除などで出費を補うことができます。初めての人にとっては手続きなどわからないことだらけかもしれませんが、しっかり確認しておきましょう。

出産育児一時金は忘れずに受給しましょう

健康保険・国民健康保険の被保険者およびその被扶養者が出産すると、出産育児一時金が支給されます。(妊娠22週目以降の流産・死産・健康上の理由による人工妊娠中絶も含む)赤ちゃんが1人であれば最大42万円、双子なら最大42万円×2、三つ子なら最大42万円×3…というように、赤ちゃんの人数に応じて支給額が決まります
出産育児一時金の申請先は、公務員・会社員およびその被扶養者は本人(夫)の勤務先の健康保険組合、国民健康保険加入者(自営業者など)であれば、お住まいの自治体となるので、間違えないようにしましょう。

出産した年は、医療費控除が受けられる可能性大

その年の1月1日から12月31までに世帯全員分の医療費が10万円(もしくは課税標準の5%)以上となった場合、差額分を控除される制度が医療費控除です。出産があった年は医療費が高くなるので、医療費控除を受けられる可能性が高くなります。
健康保険法の定めにより、かかった医療費の合計額から出産費用を補填する保険料(出産育児一時金、後述する高額療養費など)を差し引いて計算しなければなりません。

医療費控除の対象になるもの
不妊治療・人工授精の費用、妊婦検診およびそのための公共交通機関利用費(陣痛時などのタクシー利用も含む)、分娩時の医師による施術および助産師による介助費(産後ケア・母乳指導などを含む)、入院中の食費、産後の1カ月検診費、産後ヘルパー利用費などが対象になります。
公共交通機関の利用費など領収書が残らない出費については、通院履歴とともに医療費の明細書に記入できるよう整理しておきましょう。

医療費控除の対象にならないもの
妊娠検査薬の費用、インフルエンザ予防接種費、マイカー通院時のガソリン・駐車場費用、里帰り出産時の帰省費用、自己都合による入院時の差額ベッド費、診断書作成費、入院中の家事・上の子の世話などにかかるシッター費などは、原則として医療費控除の対象になりません。 もし控除対象になるかどうか判断がつかない出費があれば、税務署に問い合わせてみましょう。

帝王切開の場合は、高額療養費の給付対象になる

自然分娩と異なり、帝王切開には健康保険が適用されます。健康保険が適用される医療費の自己負担分が自己負担限度額(所得により異なる)を超えると、差額分が高額療養費として支給されます。高額療養費の申請先は出産育児一時金の申請先と同じになるので、どちらも忘れずに申請しましょう。
予定帝王切開などであらかじめ高額療養費の給付対象となることがわかっている場合は、前もって申請することをおすすめします。事前に認定を受けていれば、医療機関窓口での支払いは自己負担限度額までとなります。
自己負担限度額は被保険者の所得区分によって、ア~オまでの5つに分類されます。
たとえば、標準報酬月額28万~50万円の方の場合であれば、区分ウに該当し、
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% が自己負担限度額です。
また、療養を受けた月以前の1年間に、3ヵ月以上の高額療養費の支給を受けた(限度額適用認定証を使用し、自己負担限度額を負担した場合も含む)場合には、4ヵ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減されます。
この場合、区分ウの方は44,400円が自己負担限度額になります。

出産育児一時金や医療費控除、高額療養費などをきちんと受給することで、産後の経済的負担がずいぶん軽減できます。領収書を管理したり通院費などを記録するのはちょっと大変ですが、後になって大きく役立つかもしれません。いろいろな手続きを出産前後のママひとりで行うのは大変なので、ぜひパパにも協力してもらいましょう。


2016/08/19

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この記事の監修/執筆

ファイナンシャルプランナー永尾 三奈