出産費用

2016/08/23

出産費用は全額自己負担?

この記事の監修/執筆

ファイナンシャルプランナー永尾 三奈

出産費用は全額自己負担?

出産費用には健康保険が適用されません。従って、費用の全額を自己負担することになります。
しかし、公的制度を利用したり、自然分娩ができず帝王切開を行った場合は、個人で負担する金額が随分変わってきます。今回は、出産費用について詳しくご説明します。

人によって金額に開きがある出産費用

出産費用の全てを自己負担で賄うと、かなりの金額になります。実際に出産にかかる金額は、自然分娩の場合で30~70万円程と言われています。無痛分娩を選択した場合には、その分の費用が上乗せされます。 基本的には、妊娠・出産は病気と見なされないため、正常分娩では費用の全額を自己負担することになります。

ほとんどの人は、公的制度を利用

出産費用の金額だけを聞くとかなりの高額ですが、実際はほとんどの人が公的な助成制度を利用して出産します。 これは、健康保険か国民健康保険に加入しており、妊娠4カ月(85日)以上で出産した場合に受給できる「出産育児一時金」という制度です。早産や、死産、流産、人工妊娠中絶(経済的理由によるものも含む)も支給対象として含まれます。 妊婦が健康保険に加入している夫の扶養家族である場合も、受給できます。金額は、子ども1人につき42万円です。双子以上の多胎妊娠の場合は、一回の出産でも人数分支給されます。 このうち、1.6万円は「産科医療補償制度」に加入するための費用として使われます。産科医療補償制度は、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺の子どもと、その家族の経済的負担を補償する制度です。

自己負担は差額分

公的制度を利用すれば、出産費用のうち実際に自己負担しなければならないのは、出産費用から出産育児一時金を差し引いた差額分になります。 また、妊娠中に何らかのトラブルがあり帝王切開をした場合には、健康保険が適用されるため、自己負担金額は3割となります。ただし、個室を利用した際の差額ベッド代、食事代、分娩介助料、新生児保育料などは、適用外となるのでご注意ください。 出産育児一時金で不足した分は、退院時に不足分を病院に直接支払い、反対に費用が安かった場合には、手続きをすると指定口座に差額分の金額が振り込まれます。

長期入院する場合は「高額療養費制度」を利用しよう

出産費用には、分娩費用の他に長期入院をした場合の入院費や、個室利用料などがかかることがあります。切迫早産などで長期入院が必要な場合には、出産費用が思わぬ高額になることも少なくありません。帝王切開に関わらず、1ヶ月の間に医療機関や薬局の窓口で支払った額が一定額を超えた場合には「高額療養費制度」を利用しましょう。「高額療養費制度」とは、医療費が高額になった場合に、自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度です。特に、帝王切開で出産することが決まっている場合は、事前に認定を受けることをお勧めします。事前に認定を受けると、窓口での支払いは自己負担限度額までとなり、高額な現金を用意する必要がないので安心です。
制度を上手に利用しましょう。


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