葉酸はいつまでとるべき?

妊娠中に葉酸を飲む場合はいつまでに飲み始めれば良いのか

胎児が神経管閉鎖障害を引き起こさないようにするため、妊娠中に葉酸サプリを飲むことが世界各国で推奨されています。葉酸サプリを飲む場合、いつまでに飲み始めれば良いのでしょうか。今回は胎児における神経管閉鎖障害の発症リスクを低減することを目的とした葉酸摂取のタイミングについて解説します。

神経管閉鎖障害とは?

胎児の脳や脊髄などの神経管は妊娠4~5週という比較的早い段階で作られます。このとき何らかの原因により神経管に閉鎖障害が起こることを神経管閉鎖障害といいます。神経管閉鎖障害には大きく分け二分脊椎症と無脳症があります。

(1)二分脊椎症
神経管の下の部分に閉鎖障害が起きた場合は二分脊椎症と診断されます。二分脊椎症は本来脊椎の内部にあるはずの脊髄が脊椎の外に飛び出し、癒着や損傷しているために起こる神経障害です。仙椎や腰椎に発症するものがほとんどですが胸椎や頸椎に生じる場合もあります。生まれた直後、修復手術を行うことが多いものの、下半身まひや排泄における機能障害が残ることがあります。

(2)無脳症
神経管の上の部分に閉鎖障害が起きた場合は無脳症と診断されます。無脳症は大脳半球が欠如しているか、収縮している状態を指すのが一般的です。大脳の他、脳幹の発達状況に障害が見られることがあります。胎児の約75%は流産や死産になることが多く、無事に生まれたとしても短命であることがほとんどです。

妊娠中に葉酸サプリを飲めば発症リスクを低減できる

ビタミンB群の一種である葉酸は1944年にほうれん草の葉から発見されました。葉物野菜に多く含まれている他、レバーなど動物性食品にも豊富に含まれています。核酸や赤血球の生成を助ける、細胞分裂を活発にする、動脈硬化を予防するなどの働きがあり、生命維持に欠かせない栄養素の一つです。

1991年に複数の国の協力のもと実施された臨床実験により、妊娠前後に葉酸を摂取することで胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを約72%軽減できることが分かりました。これに伴い世界各国で妊娠できる年齢の女性に対し葉酸摂取を促す勧告が出され、日本でも2000年から妊娠を希望する女性と妊娠中の女性に対し厚生労働省による積極的な葉酸摂取が勧められています。

神経管閉鎖障害の発症リスクを低減するためにはいつまでに飲めば良い?

神経管閉鎖障害の発症リスクを低減するためには妊娠前の段階から葉酸の積極的な摂取が必要になります。これは神経管が形成される時期が妊娠超初期に当たる妊娠5週までの期間であり、この期間は妊娠の自覚症状がない可能性があるためです。

日本で推奨されている1日の葉酸摂取量は1日400μgで食事ではなくサプリメントや強化食品などから摂ることを特記事項として設けています。妊娠を希望している場合は早めの摂取を心がけましょう。


2016/09/13

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