葉酸欠乏

葉酸欠乏性貧血の検査対象であるMCVの概要と数値

葉酸は葉野菜や柑橘類などに多く含まれていますが、水溶性のビタミンであるため吸収率が低く、比較的欠乏しやすい栄養素だといえます。葉酸が欠乏すると葉酸欠乏性貧血を起こす場合があります。今回は、葉酸欠乏性貧血の検査対象であるMCVの概要と数値について解説します。

MCVの数値から判断できる貧血の種類

MCVとは赤血球1個の大きさを示すもので、平均赤血球容積ともいいます。基準値の80~100flで正球性、80fl以下では小球性、100fl以上だと大球性に分類されます。葉酸欠乏性貧血は巨赤芽球性貧血の一種で、他にビタミンB12欠乏性貧血があります。葉酸欠乏性貧血の場合はビタミンB12欠乏性貧血と同じく100fl以上を示します。80fl以下では鉄欠乏性貧血や鉄芽球性貧血、サラセミアなどが疑われます。溶血性貧血や急性貧血、再生不良性貧血の場合は基準値80~100flを示します。

葉酸欠乏性貧血とは

葉酸欠乏性貧血では体内の葉酸が欠乏することでDNA合成に異常が起こり、赤芽球という赤血球の前段階の細胞が大きくなります。この現象により赤血球になる前に壊れてしまうため赤血球が不足してしまいます。それを補うために、血液が作られます。また、白血球や血小板など血液を構成する成分までも減少し、貧血以外の症状も現れます。

食品に含まれる葉酸は吸収率が低く、アルコールの摂取などで葉酸の吸収が妨げられると欠乏する場合があります。また、妊娠時には胎児の細胞分裂に必要であるため、比較的欠乏しやすくなります。

葉酸欠乏性貧血の診断

巨赤芽球性貧血はMCV100fl以上であり、なおかつ赤血球大小不同、変形赤血球の増加、大楕円赤血球症などがみられます。ビタミンB12欠乏性貧血の可能性を除外するために、血液中のビタミンB12の濃度が測定されます。また、血清葉酸値が3μg/L以下の場合は葉酸欠乏性貧血の可能性があります。ただし、近時に葉酸の摂取量に増減がある場合は赤血球葉酸濃度の計測が必要です。赤血球葉酸濃度が140μg/L以下の場合は葉酸欠乏性貧血が疑われます。

<まとめ>

葉酸欠乏性貧血は巨赤芽球性貧血の一種です。巨赤芽球性貧血はMCVが100fl以上の場合に疑われます。巨赤芽球性貧血の場合は赤血球大小不同や大楕円赤血球症などがみられます。また、ビタミンB12欠乏性貧血も同じ数値になるため、可能性を排除するために葉酸と併せて検査が行われます。


2016/09/13

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事の監修/執筆

専門家監修記事