葉酸欠乏

葉酸欠乏性貧血を示す検査値と診断方法

葉酸はDNAや赤血球の合成に関与しており、生命維持に欠かせない栄養素の1つです。葉酸が欠乏すると葉酸欠乏性貧血が起こり、舌炎や下痢、体重減少などを伴う場合があります。今回は、葉酸欠乏性貧血を示す検査値と診断方法について解説します。

巨赤芽球性貧血の診断が必要

葉酸欠乏性貧血は巨赤芽球性貧血の一種であるため、まずは塗抹標本による巨赤芽球性貧血の検査が必要です。塗抹標本とは、洗浄および脱脂したスライドガラスの上に血液を垂らし、スライドガラスを滑らせて血液を広く薄く塗りつけ、乾燥後に染色して顕微鏡で観察する検査方法です。巨赤芽球性貧血を起こしていると、赤血球1個あたりの平均的な容積を示すMCVの値が100flを超えます。

また、赤血球の形が楕円形であり、大きさが不均一および変形した赤血球の増加がみられます。更に、赤血球の分布幅が広いことが特徴です。幼若期に形成された核の遺残物や網赤血球の減少がみられます。また、初期には顆粒球の過分葉化(核の分葉が多い)がみられ、後期になると好中球が減少するといわれています。これらの検査で診断ができない場合は、骨髄検査が行われることがあります。

葉酸欠乏性貧血の診断基準

血清葉酸値が3μg/L以下の場合は、葉酸欠乏症の可能性があります。近時に葉酸摂取量に増減がある場合は、赤血球中の葉酸濃度が測定されます。140μg/L以下だと葉酸が不足していることを示します。また、ホモシステインレベルが上昇している場合は充分な量の葉酸が身体の組織に貯蔵されていないことを示します。ただし、ホモシステインレベルは葉酸の他にビタミンB6やビタミンB12のレベル、腎不全など様々な要素により変動するため、確定診断に用いることはできません。

ビタミンB12欠乏症の可能性を除外するための検査

巨赤芽球性貧血はビタミンB12が欠乏した場合にも起こることがあるため、葉酸欠乏性貧血の確定診断にはビタミンB12の血中濃度の検査が必要になります。ビタミンB12が200pg/mL以下の場合はビタミンB12欠乏症を示します。

<まとめ>
葉酸欠乏性貧血を示す検査値は血清葉酸値が3μg/L以下、赤血球中の葉酸濃度が140μg/L以下です。ただし、ビタミンB12欠乏症においても同じような症状が現れるので、可能性を除外するためにもビタミンB12の検査が必要です。


2016/09/13

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