葉酸欠乏

2016/09/13

葉酸欠乏症とビタミンB12欠乏症の症状と治療法

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葉酸欠乏症とビタミンB12欠乏症の症状と治療法

葉酸は吸収率が低いため欠乏しやすい栄養素だといえます。ビタミンB12は体内に貯蔵されるため欠乏しにくいといわれていますが、吸収を阻害する病気を発症している場合は注意が必要です。今回は、葉酸欠乏症とビタミンB12欠乏症の症状と治療法について解説します。

葉酸欠乏症の症状

葉酸はDNAの合成に必要な栄養素であり、その結果、赤血球などの細胞の形成に関与しています。生の葉野菜や柑橘類の摂取量が不足したり、葉酸の吸収や代謝を阻害する薬の服用などが原因で、葉酸欠乏症を起こす場合があります。葉酸欠乏症の症状は次の通りです。

(1)貧血
(2)疲労感
(3)肌の蒼白
(4)息切れ
(5)めまい

また、重症化すると次のような症状が現れる場合があります。

(1)舌が赤くただれる
(2)味覚が低下する
(3)体重減少
(4)うつ
(5)手足の感覚異常
(6)筋力の低下
(7)歩行困難
(8)錯乱
(9)認知症

また、妊娠期に葉酸が欠乏すると、胎児の脊髄や脳の先天性異常のリスクが高まるといわれています。

葉酸欠乏症の診断と治療

巨赤芽球性貧血の診断のために葉酸の血中濃度を測定し、基準よりも低い場合は葉酸欠乏性貧血だと診断されます。ビタミンB12欠乏が原因で巨赤芽球性貧血が起こる場合もあるため、確定診断のためにはビタミンB12の血中濃度の測定も必要です。

葉酸の吸収や代謝を阻害する薬を服用している場合は、併せて葉酸サプリの摂取が推奨されます。また、過去に胎児の脊髄や脳の先天性異常以上がある胎児を妊娠したことがある場合には、高容量の葉酸が処方されることがあります。

ビタミンB12欠乏症の症状

ビタミンB12は葉酸と同じく赤血球の形成やDNAの合成に必要な栄養素です。ビタミンB12が欠乏すると貧血や肌の蒼白、疲労感などが現れます。重症化すると息切れやめまい、手足の感覚異常、歩行困難、認知症など葉酸が欠乏した場合と同じような症状が現れます。
ビタミンB12を含む食品の摂取不足や、吸収を阻害する病気や薬の服用が原因です。

葉酸欠乏症の診断と同じく、巨赤芽球性貧血の診断のためにビタミンB12の血中濃度を測定します。葉酸欠乏症の可能性を取り除くために葉酸の血中濃度も併せて測定して確定診断されます。

治療では多量のビタミンB12サプリを投与します。神経障害を伴う症状が現れている場合は、筋肉注射でビタミンB12を数週間に渡り毎日もしくは毎週行います。ビタミンB12の吸収を阻害する病気を発症している場合は、月に1回の頻度で注射を継続する必要があります。

<まとめ>
葉酸欠乏症とビタミンB12欠乏症では、どちらの場合も似たような症状が現れます。確定診断するためには、それぞれの血中濃度を測定する必要があります。


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