りんご病

流行中の「りんご病」、妊婦さんは要注意って知ってた?

年明けから、頬が赤くなる「りんご病」の感染者数が増加傾向にあります。例年は春から夏にかけて患者数が増加するのですが、首都圏では例年を上回る早いペースで感染が報告されています。りんご病は子どものころに感染することの多い病気ですが、妊婦さんが感染した場合、胎児が重症化して流産や死産に至ることもあるのをご存じでしょうか。

流行期にあるからこそ、妊婦さんにはぜひ注意してもらいたいりんご病について、医療・ヘルスケアQ&Aサイト「なるカラ」で回答する看護師さんに聞いてみました。

■りんご病ってどんな病気?

両頬に赤い発疹が現れることから一般的に「りんご病」と呼ばれますが、正式名称は「伝染性紅斑」で、パルボウィルスB19というウィルスの感染症です。発疹は手や足などに広がることもありますが、成人の場合は発疹が出現せず、頭痛や微熱、鼻づまり、関節の痛みといった症状だけの人が多いようです。

潜伏期間が10日から20日と長いのが特徴で、頬に赤みが出る7日から10日前ごろが一番、ウィルスの排出量が多くなります。この時期には風邪と似た症状が出るものの、りんご病かどうか見分けが付かないため、知らないうちに感染を広げてしまうことがあります。小児期に感染する人が多く、一度かかると免疫を獲得するので再発はほとんどない病気だと言われています。

■妊婦が感染したときのリスクとは

感染するとウィルスが赤血球の元となる「赤芽球」を破壊し、一時的に赤血球が産生されなくなります。このことで貧血になることは一般的にありませんが、妊娠中は胎盤を通じて胎児が感染し、重度の胎児貧血を生じさせる可能性があるので注意が必要です。この貧血が原因で「胎児水腫」という重症のむくみが起こり、最悪の場合、子宮内死亡(流産)にいたると言われています。胎児貧血の治療方針は今のところ統一見解がなく、治療するのは困難だと言わざるを得ません。

厚生労働省の調査では、感染した胎児の7割が子宮内死亡しているという報告もありますので、とにかく妊娠中はりんご病にかからないよう注意しましょう。妊娠20週を過ぎれば、感染しても胎児水腫はほとんど起こらないと言われていますので、特に注意が必要なのは妊娠20週までと考えられます。感染後に出生した新生児には、りんご病が原因となる奇形は生じないそうです。気になる方は、過去にりんご病に感染したことがあるかどうか、確認しておきましょう。

■感染を予防するポイント

りんご病は、感染者の咳やくしゃみなどで飛沫感染します。ワクチンや決まった薬はなく、治療は対処療法しかありません。ウィルスが排出されるのは頬に赤みの出る7~10日前なので、その時期にりんご病と気づかず感染が広がることがあります。予防のためには他の感染症と同じように、日ごろからマスクの着用、手洗い、うがいを実施し、りんご病が流行しているときは外出を避けるなどするしかありません。特に妊娠20週未満の妊婦さんは注意が必要です。

子どもの病気と思いがちなりんご病が、妊婦にとってはリスクの高い病気であることを初めて知った方も多いのではないでしょうか。自治体によっては感染者数の推移を公表しているところもあります。流行の度合いを把握し、適切な予防策でお腹の赤ちゃんを守ってくださいね。


2015/02/12

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