薬(処方薬・市販薬)

2015/02/18

妊婦は花粉症の薬を飲んでいいの?

この記事の監修/執筆

耳鼻咽喉科医 /女医+(じょいぷらす)渡邊 千寿子

妊婦は花粉症の薬を飲んでいいの?

今年もそろそろ花粉症のシーズンが近づいてきました。花粉が飛散するピーク期は薬を飲まないとつらい、という人も多いでしょうが、もし妊娠していたら薬の服用をどうしたらよいのでしょうか。そこで今回は、花粉症の妊婦さんのお悩みに答えた先生たちのお話をご紹介します。

花粉症の妊婦さんからの質問:「妊娠中、花粉症の薬は飲んでもよいもの?」

私は花粉症が酷く、毎年薬を飲んで症状を抑えているのですが、妊娠中でも市販薬を飲んで良いのでしょうか?薬を飲まないと出勤するのも辛くて、仕事もまともにできない状態になってしまいますので、とても悩んでいます。 (30代 女性)

薬を勝手に使用するのはNG! 特に妊娠初期は要注意

妊娠中は薬の服用には慎重にならなければいけないとき。特に妊娠初期は胎児への影響が出やすいため注意が必要です。花粉症の薬についても、「鼻アレルギー診療ガイドライン」では、妊娠初期(妊娠15週目まで)は極力、服用を避けるべきであるとされています。市販薬を例年使っている人も、妊娠中は必ず医師に相談し、自己判断で服用しないようにしましょう。点鼻薬は鼻という限られた部位に作用するため胎児への影響は少ないと言われていますが、念のため一度、医師に確認してください。

妊娠中は、薬によっては、赤ちゃんへ悪い影響を与えてしまうものもあります。「鼻アレルギー診療ガイドライン」によると、妊娠初期(15週目)までの薬の服用は極力避けるべきとされています。ただし、妊娠初期であっても、「薬による花粉症治療の有益性が、薬の副作用や胎児奇形の可能性といった危険性を上回る」と医師が判断した場合、安全性の高い薬が処方される場合もあります。いずれにせよ、自己判断での薬の服用は行わず、必ず医師に相談してください。市販薬は万人に効かせようといろいろ入っているのでやめましょう。
妊娠初期というのはお薬による影響が出やすい時期でもありますので、私が勤務している耳鼻科では、妊婦さんには内服薬の処方はしていません。点鼻薬に関しては鼻の粘膜部分でとどまるということで、使っていただいています。点眼薬も同じことで使っていただいて大丈夫です。
生まれた赤ちゃんに奇形があった場合、それが服用した薬が原因なのか、そうではないのかの判断ができません。ですので「薬を飲んだせいかもしれない」と、後悔する結果にならないように、私が勤務する病院では、万全を期して内服薬は処方しないことにしています。ただ点眼・点鼻の外用薬で症状が抑えきれない人には漢方を薦めています花粉症には小青竜湯だけではなく越婢加朮湯や苓甘姜味辛夏仁湯、葛根湯加川芎辛夷など必ず合うものがあります。

中期以降は服用できる薬が増える

一方、妊娠初期を過ぎれば、アレグラやクラリチンなど比較的胎児への影響が小さいとされる薬を処方してもらえる可能性が増えます。花粉症でストレスを増やすとお腹の赤ちゃんにも悪影響ですから、無理に我慢せず、まずは医師へ相談してみましょう。マスクの着用や空気清浄器の利用などで花粉対策を心がけるのもポイントです。

アレグラ、クラリチンなどは比較的胎児への影響が小さいとされているため、妊娠中期・後期であれば医師から処方される可能性があります。
妊娠中は薬を内服してはいけないと思うようですが、花粉シーズン中、薬もなく症状と向き合うのはとても大変で、ママや胎児にも負担は強いものになってしまいます。妊娠15週以降だと、医師に相談すると薬を処方してくれる場合もあるので、それ程心配しなくても大丈夫でしょう。しかし妊娠初期は妊娠しているかどうかもわからないうちに飲んでしまうかもしれないので妊娠希望の花粉症の人はそれまでに合う漢方を見つけておくのがいいでしょう。漢方は妊婦さんが飲んではいけないものが少ないので妊娠中は強い味方です。ただ食事の影響を受けやすいので飲み方注意です。食間といって食事と食事の間お腹が空いている時が最適です。もし忘れてしまうなら食後より食前に飲んでください。
アレグラは比較的副作用が少ない薬ですが、添付文書を見ますと、[妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること、妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]とあります。どんな薬でも必ず事前に主治医に相談した方がよいでしょう。ストレスでもアレルギー症状が強くなったりしますから、薬が飲めないのではとあまり心配しすぎないようにしてください。使える薬はあります。

毎年、花粉症に悩まされている妊婦さんなら、妊娠中でも服用できる薬がある、と聞けば、気持ちが楽になるかもしれません。ただし絶対に自己判断で服用せず、必ず医師に相談のうえ、問題のない薬を処方してもらうとよいでしょう。


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