喘息(ぜんそく)

2016/10/18

「小児喘息」は動物とのふれあいで対策できる!?

この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部

「小児喘息」は動物とのふれあいで対策できる!?

近頃では「小児喘息」で悩んでいる子どもたちがいる一方、しばしば行き過ぎた清潔志向が子どものアレルギーを増やしているのではないかという指摘もあるそうです。
また、小さい頃から動物に接しているとアレルギー体質になりにくいともいわれています。
新たな研究によれば、動物との触れ合いには“小児喘息を防ぐ働き”もあるのだとか。
それは本当のでしょうか?詳しく調べてみました。

まず「小児喘息」とは

小児喘息は気管支が狭くなって呼吸がしにくくなる病気です。
喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という呼吸音に特徴があります。
ホコリやダニ、カビ、ペットの毛、花粉などを吸い込むことによるアレルギーが原因であることが多いとされています。
すでに喘息やアレルギーを発症してしまっている場合は、ホコリやペットといったアレルギーの原因を遠ざけることが大切です。
しかしそうでない場合は、冒頭でお伝えした通り徹底した衛生管理よりも、ほどほどの衛生管理の方が将来の喘息やアレルギーのリスクを低下させるという指摘があります。
小さいころから、ちりやほこりにある程度接触することがアレルギーの抑制につながるという考え方を「衛生仮説」というそうです。
スウェーデンで行われた大規模な調査は、この衛生仮説を裏付けるものとなりました。

65万人を対象とした大規模調査

Uppsala University(スウェーデン)のTove Fall氏をはじめとする研究グループは、就学前と学童期の児童約65万人のデータを元に、生後1年以内の犬や家畜との接触と、小児喘息のリスクとの関連を調べました。
その研究成果は2015年11月2日付けの「JAMA Pediatr」誌オンライン版に掲載されています。
この研究の特徴は、就学前と学童期の児童を区別している点、また動物との接触の内、「犬との接触」と「家畜との接触」を区別している点です。
内訳は次の通りです。

≪就学前の児童:37万6,638人≫
・犬と接触あり……5万3,460児(14.2%)
・家畜と接触あり……1,729児(0.5%)

≪学童期の児童:27万6,298人≫
・犬と接触あり……2万2,629児(8.2%)
・家畜と接触あり……958児(0.3%)

調査の結果は次のようになりました。

≪就学前の児童≫
・犬と接触あり……3歳以上でわずかに影響が見られるが、3歳未満では喘息リスクは見られなかった。
・家畜と接触あり……喘息リスクが31%低下

≪学童期の児童≫
・犬と接触あり……喘息リスクが13%低下
・家畜と接触あり……喘息リスクが52%低下

以上から、生後1年以内に動物と触れ合うことで喘息リスクが低下すると考えられます。
ただし、就学前の喘息リスク低下よりも、学童期の喘息リスク低下への影響力が大きいことが分かりました。
また動物が犬か家畜かによっても大きな違いがあり、家畜との接触の方が喘息リスク低下への貢献は大きいことが分かりました。

これまでも、乳幼児の衛生管理を徹底しすぎることの弊害は指摘されており、今回の研究もそれを裏付けるものとなりました。
当然のことながら、既にアレルギーのある子どもにとってペットはアレルゲンとなってしまうので遠ざける必要があります。
しかしそうでなければ、ペットとの接触で将来のアレルギーリスクが低下する可能性があると言えそうです。

<参考>

『Early Exposure to Dogs and Farm Animals and the Risk of Childhood Asthma』 

<執筆者・監修者プロフィール>
執筆:Mocosuku編集部
監修:岡本良平(医師・東京医科歯科大学名誉教授)

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