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教えて! アンチエイジングに効果的な漢方とツボって何?

実年齢よりずっと若々しい美貌を持つ女性が、テレビや雑誌で華々しく取り上げられるなど、老化防止(アンチエイジング)への関心は年々高まっています。サプリメントや化粧品などで対策をしている人は多いと思いますが、漢方の中にもアンチエイジングに効果的なものがあります。
そこで今回は東洋医学の考え方と共に、オススメの漢方やツボについてご紹介します。

■アンチエイジングの基本は「養生」から

東洋医学の考えでは、老化を早めるのは「腎気(※)の虚損(過労のため肉体が衰弱し、精神が困憊している状態)」が原因であるとされています。漢方はあくまで薬であり、「老化させない=アンチエイジング」の基本は、養生(日常生活でできる心がけ)が大事ということになります。紀元前に中国で書かれた「黄帝内経素問」でも、養生することで老化を和らげる、すなわちアンチエイジングになるという考え方が書かれています。

では日常生活でできる養生とはどのようなものなのでしょうか。まず、睡眠を十分にとり、冷たいものは口にせず、暖かい格好をして身体を冷やさないことが大切です。過労になると腎気を損ないやすくなるので、ストレスは貯めないようにして、適度な運動やストレッチ、入浴も欠かさないようにしましょう。

■養生法を意識して健やかに

東洋医学では、四季の移ろいに合わせた養生法や、食事・心身にまつわる養生法が詳細に伝えられています。これらは昔の人の知恵や経験を生かした健康法で、これを心がけることによって身体の中からはつらつとなって、アンチエイジングにもつながることが期待されるのです。

黄帝内経素問による四季の養生とは
春はあらゆるものが活動的になります。夜更かしをしても良いですが、朝は早めに起きて散歩するなど活動を開始しましょう。春の陽気を取り込めるよう、ゆったりした髪型や衣服で身体をのびのび動かします。春の養生法を守らないと肝臓が障害され、夏に病にかかりやすくなると言われています。

夏は夜遅く寝て、朝早く起きます。怒らず慎み、気持ちを落ちつけて過ごしてください。夏に養生しないと、秋になって心臓病や肺の病気になりやすくなります。

秋は、実を結ぶ季節なので早寝早起きをします。心穏やかにして発散はせず、冬に備えましょう。これに背くと秋以後に風邪をひいたり、下痢をしやすくなります。

冬はすべてが静かに閉じこもり、眠りに入ります。夜は早く寝て、朝はゆっくり起き、寒い所を避けます。気を発散させるようなことはせず、じっと静かにしているのがよいでしょう。運動や発汗はおさえてください。冬に養生しないと腎を損ない、春に手足が萎縮して冷える病気になりやすくなります。
食養生とは
食の養生のため、一口30回以上はよく噛みましょう。食事は腹八分に抑え、冷たいものや油っこいもの、辛いもの、また酒も摂りすぎないようにします。アイスクリームや生野菜は身体を冷やすので控えましょう。季節の旬の物を食べるのもオススメ。一番よいのは塩分を控えた和食です。
心身の養生とは
怒りや悩みなどにとらわれず、心を安らかに保つ努力を重ねます。適度な運動で身体を動かし、発散させることが良いとされています。勝ち負けにとらわれないスポーツやカラオケなども良いでしょう。

■アンチエイジングにオススメの漢方やツボについて

ではさっそく、アンチエイジングにオススメの漢方とツボについて見てみましょう。

オススメの漢方

アンチエイジングのための漢方は、“腎気を補う薬”と“身体の元気を補う薬”の2通りの考え方に分類されます。

<身体の元気を補う薬>
漢方では身体の元気を補うという現代医学ではあまりなじみのない考え方があります。気(エネルギー)や血を補うことによって、肌つやがよくなり、アンチエイジングになるという考え方です。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう): 補気の薬


黄耆(オウギ)

胃腸が弱く、食べたものをエネルギー化しにくい人に向いています。夏バテや疲れにも良いので、普段から服用しても良いでしょう。補中の「中」とは胃腸のことで、胃腸の働きを良くして元気を増す薬です。元気がでる朝鮮人参、黄耆(オウギ)が配合されています。

十全大補湯(じゅうぜんだいほとう) :補気・補血の薬


桂枝(ケイシ)

髪や肌のつやがない、かさかさしている、二枚爪などの症状を改善します。体力、気力が落ちている人に向いていて、倦怠感があって顔色が悪い人にもオススメ。四君子湯(シクンシトウ)という胃腸の薬と、 四物湯(シモツトウ)という気(エネルギー)と血を補う処方がされています。当帰(トウキ)、桂枝(ケイシ:シナモンのこと)と黄耆(オウギ)が主要成分。シナモンが入っているので、甘くて飲みやすいのも特徴。ただし、シナモンアレルギーの人は服用時に注意が必要です。

紫雲膏(しうんこう)


紫根(シコン)

紫根(シコン)と当帰(トウキ)が入っていて、肌を潤す作用が強い塗り薬です。あかぎれや火傷などに用いられ、肌の再生を早めます。シコンにはシミを薄くしたり、シワ、たるみなどの肌トラブルに対して、皮膚を活性化する作用があり、その評判はテレビ番組でも紹介されたほど。塗った部分は紫色になり、着衣に色移りするので気をつけましょう。手あれにはたっぷり塗りこみ、手袋を着用して寝るとよいでしょう。30gで1,000円~2,000円くらいです。

漢方薬の成分である“生薬”は個別の種類を漢方薬局で買えることがあるので、ほしいものがあったら、薬剤師に相談してみるとよいでしょう。

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淫羊藿(インヨウカク)

アンチエイジングにうってつけの生薬に“淫羊藿(インヨウカク)”が挙げられます。不妊症、不感症更年期などに使用する生薬で、男性も滋養強壮目的で使用できます。お茶に混ぜたりしても良いでしょう。

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当帰(トウキ)

また“当帰(トウキ)”という生薬は「血」を補い元気にしてくれます。4~5gくらいをだしパックに入れて煮出して飲んだり、料理に少量混ぜて使うと良いでしょう。香りは多少しますが味はあまりないので、カレーや肉じゃがなどの煮込み料理に混ぜ込むと無理なく摂取することができます。

オススメのツボ

ツボを指圧するときは、入浴中かお風呂上りが効果的です。呼吸に合わせてゆっくりと、息を吐きながら押し、吸いながら離すのがコツ。カイロでツボを温める方法もあります。お灸は入浴の前後30分は皮膚がやけどしやすい状態になっているので避けてください。熱すぎるときは無理せず外して。

>>ツボの指圧方法やお灸などの治療器具について、詳しくはこちら

それでは実際に、アンチエイジングにオススメの4つのツボを刺激してみましょう。

中脘(ちゅうかん)


へそから指8本分上、みぞおちとへその真ん中にあるツボ。胃腸の働きを活発にすること で身体を元気にしてくれます。ぽっこりお腹の予防にも。

翳風(えいふう)


耳たぶの後ろに乳様突起という出っぱりがあり、その骨の前の小さなくぼみの中にあるツボ。顔のむくみがすっきりして、リンパの流れもよくなります。リンパの流れが良くなると血色が良くなり、くすみが消えて顔色も良く見えます。口を開閉させながらゆっくり押すと良いでしょう。蒸しタオルなどでこのツボを温めるのも効果的。

百会(ひゃくえ)


頭のてっぺん、両耳と鼻の延長線が交わる点にあるツボで、頭の血行良くし、すっきりさせます。顔のリフトアップ効果が期待でき、内臓下垂や痔にも効果的です。

湧泉(ゆうせん)


足裏の真ん中部分、元気の湧く泉のようなツボです。身体の疲れや筋肉疲労、足腰の冷えがあるときにオススメ。このツボを刺激すると腎気を補い、アンチエイジング効果が期待できます。骨に向かって押すと効果的です。

東洋医学におけるアンチエイジングの基本は養生であり、身体を労り、生活習慣を見直すのが大事だということがよくわかりました。そのうえで漢方やツボを効果的に取り入れ、いつまでも若々しく、健やかに過ごしたいものですね。


(※)腎気とは……漢方医学でいう「腎」とは内分泌系、泌尿・生殖器系、免疫系、中枢神経系の機能の一部のことを指し、腎にある精気を「腎気」といいます。加齢とともに腎気が衰えてくることで、それらの機能が低下すると考えられています。



2015/02/24

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この記事の監修/執筆

薬剤師髙橋 公子