人工授精の基礎

人工授精のリスクについて 

自然妊娠が難しい場合に人工授精を選択するケースが増えていますが、人工授精には、精神的・身体的・経済的な負担がかかります。人工授精に関して、男性側も事前に知っておくべき事柄やリスクについて専門家に聞きました。

29歳の男性からの相談:「彼女は妊娠を望んでいるが生理不順。人工授精の母体や子どもへのリスクは?」

私には結婚前提に、付き合っている離婚歴のある34歳の彼女がいます。彼女は生理不順で、2年間の結婚期間中も妊娠することはなかったそうです。現在、彼女は子どもを強く望んでいますが、生理が2年間ない状態です。もし人工授精をする場合、母体と子どもにリスクはあるのか、何回までトライできるのか気になります。また妊娠の時だけでなく、子どもが成長していく過程で問題が起きることもありますか。(20代・男性)

まずは婦人科で妊娠の可能性の診断を

生理の有無は排卵に関係しています。妊娠が成立するには、女性側の排卵があることや子宮の環境が整っていることが必要です。まず、妊娠が可能な状態なのかどうかを専門家に診てもらうことが肝心です。

人工授精について考える前に、まず彼女に婦人科を受診してもらってください。妊娠はホルモンの影響を受けます。生理というのは毎月子どもを授かる環境を整えているものとイメージしてください。つまり生理が2年間きていないということは、なんらかのホルモンの異常などで妊娠できる環境にないことが考えられます。(医師)
婦人科の受診なくしてリスクを評価することは難しいです。まず自然妊娠が可能なのか人工授精を選択した方がいいのか、という判断が必要になります。生理が来なければ妊娠自体が難しいので、受診をしてしっかりと診断や治療を受けられることをおすすめします。(医師)

年齢が若いほど、成功率が高くリスクが少ない

人工授精そのもののリスクよりも、まず年齢と妊娠の関係を理解されるとよいかもしれません。人工授精に限らず、年齢が高くなるほど妊娠の確率は低くなりますし、流産の確率は年齢とともに高くなります。

人工授精は、年齢が若いほど成功率が高く、高齢になるほど低くなりますので、若いうちに試みることをお勧めします。偏った栄養や不規則な生活、ストレスなども成功率を低くしますから、不妊治療中はきちんと体調管理をすることも重要です。また年齢が上がると、流産の確率も心配しなければなりません。しかし授かった子に、成長段階で障害や奇形など問題が起こる可能性は低いと思います。(看護師)
人工授精は受ける医療機関によって回数が異なります。3回・4回で妊娠しない場合、体外受精など次のステップに進んだり、5回・6回とチャレンジする施設もあります。ほとんどの施設は、6回目を目安に次のステップに移ることが多いと思います。(看護師)

人工授精は、なかなか自然妊娠に至らないご夫婦にとって、頼みの綱です。夫婦双方が人工授精の成功率とリスクをよく理解した上で取り組みましょう。まずは、専門の医療機関で相談なさってみてください 。


2016/10/30

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