小学校に通う子どもの熱中症対策には、どんな方法があるのでしょうか。今回は小学1年生の男の子を持つママからの相談です。学校にはエアコンがなく、熱がこもるのではと心配しています。個人でできる対策について、専門家に聞いてみました。
ママからの相談:「小学校で子どもができる熱中症対策は?」
小学1年生の息子が通う学校にはエアコンがなく、壁際の席で風通しもよくないため、熱がこもらないか心配です。学校では休み時間に水道水か、持参した麦茶を飲むよう指導していますが、身体も小さく体力もないため熱中症になるのではと不安です。教室内でできることはありますか。道具が必要なら、学校に持って行けるものを教えてください。 (30代・女性)
失われた塩分や電解質の補充にスポーツドリンクを。水で薄めて持参を
汗とともに失われる塩分や電解質の補充にスポーツドリンクを持たせましょう。糖分が多いため、水で薄めるか、濃度が調整できる粉状のものがよいようです。
大量に汗をかいた際、水やお茶のみでは塩分や電解質が不足するため、スポーツドリンクを一緒に飲みましょう。しかし糖分が多いため、喉の渇きを助長し、虫歯の原因ともなるため、水代わりに飲まないことが大切です。子どもではコントロールが難しいので、水に薄めたものや、濃度を調整できる粉状のものを持たせましょう。(看護師)
最近では脱水時用の「経口補水液」が売られていますが、これを水のように飲んでしまうと、塩分や電解質の摂りすぎになるため、日常的に飲む必要はないでしょう。(看護師)
水を飲んでも喉の渇きがとれない、だるさやめまい・頭痛などがある時は、先生に相談するようお子様に伝えましょう。(看護師)
サマースカーフで首筋を冷やして。汗を拭き、着替えも効果的
サマースカーフや汗をこまめに拭くことも、熱中症対策になります。できることから始めましょう。
飲み物以外の方法では、サマースカーフがかさばらず、お勧めです。スカーフを濡らし水分が気化することで、皮膚の表面温度を下げる仕組みです。凍らせる必要もなく、乾いても学校の水道で濡らせば何度でも使えます。首を冷やすと首の血管が冷やされて脳の温度調節を正常に保つといわれ、体感温度を下げて涼しく感じられます。(看護師)
帽子や服の裏側に貼る冷却パットや、スプレーを服に振り掛けてひんやりさせるものなど、多様なグッズがあります。学校生活に適したものを検討しましょう。(看護師)
設備的な面はどうしようもないことがあり、小中学校や保育園でも熱中症になる子どもたちがいて、心配かと思います。個人でできる対策は限られますが、まずは汗をこまめに拭くことです。汗で皮膚が覆われると、効率的に体温を下げることができません。タオルやハンドタオルを持たせましょう。(看護師)
通気性のよい綿100%の服がベストです。ただ、綿100%でも、汗が原因で、通気性が悪くなることがあります。綿は汗をしっかり吸収しますが、じっとり濡れると通気性は失われます。着替えをして通気性を保ちましょう。(看護師)
汗で失われた電解質などの補充には、薄めたスポーツドリンクを持参すると良いようです。サマースカーフや汗を拭きとるなど、さまざまな方法があります。学校でもできるだけ涼しく過ごせるよう、準備してあげましょう。