骨盤腹膜炎

2016/10/28

持続性の下腹部痛が起こる骨盤腹膜炎の原因と予防法

この記事の監修/執筆

産婦人科専門医/女医プラス今井 愛

持続性の下腹部痛が起こる骨盤腹膜炎の原因と予防法

下腹部の痛みや不正出血などの症状が現れた場合は、産婦人科で検査を受けることをおススメします。子宮内膜炎や卵管炎などを起こしている場合、骨盤腹膜炎へと進行する可能性があります。今回は、骨盤腹膜炎の原因と予防法について解説します。

骨盤腹膜炎とは

骨盤腹膜炎とは、骨盤内や腹腔内に炎症が起こる病気です。子宮頸管炎から子宮内膜炎、卵管炎を経て発症することが多いようです。このように下から上に向かって感染が広がることを上感染(上行感染)といいます。卵管炎を起こすと卵子の通り道が閉塞し、不妊や子宮外妊娠を招く恐れがあります。また、子宮内膜炎を起こすと胎児を覆う膜が破れ、流産や早産を引き起こす可能性があります。

骨盤腹膜炎を起こすと、下腹部全体に持続性の痛みや発熱が生じます。骨盤腹膜炎が慢性化すると膀胱や直腸など骨盤内の臓器に癒着が起こる恐れがあります。

骨盤腹膜炎の原因

骨盤腹膜炎の原因は細菌感染で、性感染症の原因菌であるクラミジアや淋菌などが引き起こすことがあります。また、子宮内避妊器具を交換せずに長期間装着し続けることで、細菌が増殖して骨盤腹膜炎が引き起こされることもあります。

クラミジアと淋病の原因

クラミジアは、主にクラミジアトラコマティスという細菌に粘膜から感染することで発症します。粘膜同士の接触や内分泌物を介して感染するため、コンドームを正しく装着することで予防できます。潜伏期間は1~3週間程度といわれており、発症後はおりものの増加や不正出血、軽い下腹部痛などの症状が現れます。無症状の場合は抗体検査というクラミジア感染の有無を調べる検査で陽性反応が出ないため、知らないうちに多くの人に感染させてしまう場合があります。

淋病は淋菌に感染することで発症する性感染症です。クラミジアと同じく粘膜同士の接触や内分泌物を介して感染するため、コンドームを正しく装着することで予防できます。潜伏期間は2~7日で、発症すると不正出血や軽い下腹部痛、性交時痛、性器のかゆみや腫れなどの症状が現れます。

骨盤腹膜炎の原因である細菌感染を防ぐことが、骨盤腹膜炎の予防に繋がります。

まとめ

骨盤腹膜炎はクラミジアや淋菌が感染することで発症します。また、子宮内避妊器具を交換せずに長期間使い続けることで細菌が増殖して骨盤腹膜炎を起こすことがあります。骨盤腹膜炎が起こるまでに子宮内膜炎や卵管炎などを起こしていることが多いので、それらの症状が現れた段階で検査を受けて治療を開始することが大切です。


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