《デリケートな女性の悩み》 膣のゆるみ

出産を経験すると「膣のゆるみ」を感じることがあります。
自分の身体に自信をなくしパートナーとの関係に消極的になるケースも。
最近では出産を経験していない女性でも、気にする人がいるそうです。
膣のゆるみとは、どのような状態なのでしょうか。
今回は美容面だけでなく、医学的な視点から排泄機能にも影響の起こりうる問題として、詳しく解説していきます。

膣のゆるみとはなに?

まずこの「膣のゆるみ」とは、どのようなことでしょう?
膣が緩んでいると、お風呂に入ったときに、お湯が膣に入ってくる感覚があるようです。
また、膣に空気が出入りする感覚があり、「膣からオナラが出た」と感じる人もいます。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
膣の締まり具合には、「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」という筋肉が弱っていることが影響していると考えられています。
骨盤底筋群は、骨盤の中にある子宮や膀胱、直腸をハンモックのように支えている筋肉群です。
この子宮、膀胱、直腸の3つの臓器がそれぞれ外とつながっているのが、膣、尿道、肛門です。
これらもまた骨盤底筋群に支えられています。
とくに、妊娠・出産後は産道としての膣と、その周りで支えている筋肉がダメージを受けるため、膣のゆるみがおきやすくなります。

膣のゆるみと関係するあの症状

膣にお湯が入ってきたり、膣から空気が出入りしたりする感覚があれば、多少の不快感はあるでしょう。
しかし。それ以上に問題になるのが「尿漏れ」や「頻尿」などです。
骨盤底筋群が膣だけでなく、尿道や直腸の締まりにも影響しているため、膣が緩んでいると、尿漏れや頻尿、ひどい場合には便もれやガスもれという悩みも同時に抱えがちなのです。

膣のゆるみに悩んでいるのはダレ!?

「膣のゆるみ」と検索すると、自覚症状よりも「彼にどう思われているか・・・」「ゆるんでいるとパートナーを満足させられない、膣の締まりがいい方が良いのだろう」「膣がゆるんでいる(締まりが悪い)と言われて傷ついた」などといった、性行為や男性目線を気にする悩みが多く見受けられます。
「出産後に膣が広がった気がする」と、出産後の身体に自信を無くしてしまう方も少なくないようです。
また最近では、あたかも「あなたの膣のゆるみが性の満足度を下げているのだ」という心配をあおるような性器手術の広告が増えている印象です。
でも、少し待ってください。
身体の構造や反応を考えれば、必ずしも膣のゆるみが性の満足度を下げていると言い切ることはできません。
相手のことを思いやる気持ちは素敵なことです。
一方で「互いの身体の特徴を熟知した、互いに満足のいくお付き合いができていないのでは?」と、関係性の希薄さが気になります。
以下から改善のための方法を解説していきますが、それが全てでないことも知っておいてくださいね。

まずは自分でできるトレーニングと骨盤底筋に優しい生活

膣のゆるみは、骨盤底筋群のトレーニングをすることによって改善されていきます。
まず膣の壁を内側に持ち上げるつもりで、キュっと締めてみましょう。
ただし、コツをつかむまでは膣を締める筋肉を意識しているつもりでも、肛門にばかり力が入ってしまったりすることがあります。
また、骨盤底筋群の力が弱すぎるあまり、膣を締めているつもりが、お腹にばかり力が入ってしまうこともあります。
そうすると、逆に臓器(子宮や膀胱、直腸)を外に押し出すような力がかかってしまって逆効果になってしまいます。
慣れるまでは、膣に指を入れてみて思ったところに力が入っているのかを確認しながら行うと良いでしょう。
またトレーニングだけではなく、骨盤底筋群に優しい生活をこころがけることも重要です。
骨盤底筋群は、臓器を支えたり、身体の軸をしっかりさせたりするためのインナーユニットです。
そのため、排泄以外の時はつねに緊張しっぱなしの筋肉です。
ですから、余計な負担をかけすぎないように注意が必要です。
たとえば、便秘のために硬い便をいきんで出すことが習慣になっていたり、重いものを持つことや介護などの力仕事が続いたりする場合には、負担が大きくなってしまいます。
便秘の改善や、重いものを持つときには、膣を締めることを意識したうえで踏ん張るようにすると良いでしょう。
骨盤底筋群のトレーニングによって、膣のゆるみだけでなく、尿漏れの予防や、「骨盤臓器脱(子宮や膀胱、直腸が膣から下がってくる)」といった骨盤底筋群が緩むことによって起こってくる不具合も予防できます。

治療を検討する目安は?

出産後はとくに、膣のゆるみだけでなく子宮が膣のなかに下がってくる感じや、尿漏れ、便もれなどの他の症状があるときには、我慢せずにきちんと婦人科で診察をうけましょう。
また膣のゆるみを治療したいという場合には、誇大広告に惑わされずに信頼できる医療機関を選びましょう。
たとえば、女性の身体の専門である婦人科医や、女性泌尿器科(尿漏れ・骨盤臓器脱などの場合)などの専門的な医師が、きちんと診察をしたうえで相談にのってくれる医療機関を受診すると良いでしょう。

<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師
大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員
育児相談や妊婦・産婦指導に精通

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2016/11/09

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この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部