男性不妊

「膝の上でのノートパソコン」は男性不妊への第一歩?

不妊は長い間、女性に原因があるとされる場合がほとんどでした。
しかし最近は、男性もきちんと検査を受けるようになってきています。
ところで、男性不妊の原因が「ノートパソコンにある」という見解があるそうですが、どういうことでしょうか。
詳しく見ていきましょう。

2004年の発表

ニューヨーク州立大学のある研究室から驚くべき見解が発表されました。
それは、ノートパソコンを膝の上にのせて仕事をしている男性は、不妊に気をつけるべきだというものでした。2004年のことです。
何気なくやっている膝の上に置く習慣、それがほんとうに不妊の原因になるのなら、これから子どもが欲しいと思っている男性方は、十分に注意をしたいところです。
この根拠はどこからきているのでしょうか。

その根拠は陰嚢にある?

ノートパソコンから出る熱が、男性の精子を作る陰嚢の温度を上昇させてしまうことが不妊への影響があるようです。
陰嚢(いんのう)のことはご存知ですか?
陰嚢は、陰茎(いんけい)の付け根から垂れ下がっている袋状の器官をいいます。
陰嚢の中には卵型の臓器の精巣(睾丸)が左右1つずつ入っています。
そして、精巣(睾丸)は精巣と精巣上体(副睾丸)に分かれていています。
陰嚢の働きは、精巣の温度調節と外部からの衝撃から守ることです。
精巣の温度が低くなるように、陰嚢は身体の中心から遠ざかっていて、外部へ垂れ下がっています。
そのヒダ状の皮膚には、汗をかいて温度が下げられるように汗腺もたくさんあります。
女性でいえば大陰唇にあたる陰嚢。
胎児のときに、最初は両側に分かれているものが精巣を包み込むように両側から結合されます。
中心部には外側からもわかるように筋がはいっています。

陰嚢の働きとは

精巣や精子は熱にたいへん弱く、熱を受けることで精巣で作られる精子の量が少なくなったり、精子自体も弱くなります。
ですから、精巣で精子が作られるときは、体温より約3℃低めの温度が適温になっているのです。
そのため、精巣は温度が低くなるように外部へ垂れ下がっている陰嚢の中にあるのです。
陰嚢の皮膚はヒダ状の筋肉で、熱の発散をしやすくするために表面積を増やしますが、この温度調節は本人の意思とは関係なく、無意識的に行われています。
体温や気温が高い場合は筋肉が緩んで、陰嚢は垂れ下がるように伸びると同時に多くの汗腺から汗を出して、精巣の温度を下げます。
逆に外部の気温が低すぎる場合は陰嚢の皮膚の筋肉が収縮して、温かい身体の中へ引き上げられ、陰嚢は小さくしぼみます。

ノートパソコンの陰嚢への影響

ここまででもうお分かりいただけたかと思います。
『ノートパソコンから発する熱が男性の陰嚢の温度を上昇させてしまい、陰嚢を温めてしまうことで、精子を産生させる能力を低下させてしまうリスクがある。
なので、若い男性や子どもが欲しいと思っている男性は、ノートパソコンを膝に乗せるべきではない』 これが、2004年の見解の根拠でした。
ニューヨーク州立大学の研究では29人の男性を対象に、ノートパソコンを膝の上にのせた態勢で1時間過ごしてもらい、そのあとの温度の変化を調べてみたら平均2.1℃上昇していたとのこと。
ちなみに陰嚢の温度が1℃上がると、精子の産生能力が40%低下することが判明していると言われています。
しかしこの研究は「温度が上昇した」ということを証明しただけで、実際に不妊になったのか、また不妊の男性にノートパソコンを膝に乗せる習慣があったのかまでは調べていません。
ですから「あくまでも可能性として」の見解のようです。
それにしても、陰嚢の温度を上昇させるということでいえば、ノートパソコンに限らず、サウナやこたつに長時間入る、熱いお風呂に入る習慣なども該当すると言えそうです。
男性には案外たくさん注意したい習慣がありますね。

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師
株式会社 とらうべ 社長
国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立
タッチケアシニアトレーナー

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この記事の監修/執筆

Mocosuku編集部